環境汚染化学

環境汚染化学

有機汚染物質の動態から探る
著者名 水川 薫子
高田 秀重
発行元 丸善出版
発行年月日 2015年09月
判型 A5 210×148
ページ数 264ページ
ISBN 978-4-621-08968-2
Cコード 3043
NDCコード 519
ジャンル 化学・化学工学 >  化学一般・基礎化学 >  環境・グリーンケミストリー
環境科学・生活科学 >  環境科学 >  環境・グリーンケミストリー

内容紹介

化学物質による環境汚染の影響を理解し、対策を進めるためには、汚染状況や発生源を明らかにし、環境動態を把握する必要がある。しかし現実には、環境中に存在する人為起源化学物質をくまなく調べるのは不可能である。そこで求められるのが、汚染物質の物性に基づいた分布・動態の予測である。本書は、有機汚染物質による環境汚染と、汚染物質の動態を支配する法則の理解を目的にまとめられたテキストである。ダイオキシンや医薬品など多様な物質の具体的な汚染状況を、物性と関連づけて理解することで、汚染物質の環境動態の一般則が見えてくる。これからの環境汚染対策を考えるうえで必読の入門書。

目次

第1部 概論
 1 概論
  1.1 増加する化学物質と物性に基づく環境動態把握の重要性
  1.2 汚染物質の定義と種類
  1.3 汚染物質の挙動を支配する要因
  1.4 発生源
  1.5 物理科学的性質と環境動態
  1.6 環境中での変化過程
  1.7 化学物質の生物影響
第2部 事例編
 2 有機塩素化合物 
  2.1 有機塩素化合物とは
  2.2 有機塩素系農薬
  2.3 PCB
  2.4 有機塩素化合物の環境動態
 3 ダイオキシン類
  3.1 構造
  3.2 毒性
  3.3 発生源
  3.4 環境動態
  3.5 曝露量
 4 臭素系難燃剤
  4.1 難燃剤の種類と性質
  4.2 臭素系難燃剤の規制状況
  4.3 PBDEの発生源
  4.4 環境中のPBDE
  4.5 PBDEの脱臭素化
 5 多環芳香族炭化水素
  5.1 構造とその発生源
  5.2 毒性
  5.3 物理科学的性質と環境動態
  5.4 起源推定
  5.5 生物濃縮
 6 石油汚染
  6.1 世界・日本で起こった石油流出事故とその影響
  6.2 石油汚染の発生源
  6.3 石油の成分と毒性
  6.4 石油成分の環境動態
  6.5 石油汚染の浄化
 7 合成洗剤
  7.1 合成洗剤とは
  7.2 界面活性剤の種類
  7.3 LASの環境動態
  7.4 LASの毒性
  7.5 合成洗剤由来の難分解成分
 8 フッ素系界面活性剤
  8.1 フッ素系界面活性剤とは
  8.2 構造と物理化学的性質
  8.3 環境中の起源
  8.4 環境中における動態
  8.5 生物濃縮
 9 内分泌攪乱化学物質
  9.1 内分泌攪乱化学物質とは
  9.2 内分泌攪乱化学物質の種類と構造
  9.3 内分泌攪乱作用の検出
  9.4 環境中の内分泌攪乱化学物質
 10 プラスチック汚染
  10.1 プラスチックと添加剤
  10.2 ペットボトルキャップ
  10.3 プラスチックによる海洋汚染
  10.4 ゴミ埋立処分場の浸出水
 11.合成医薬品・抗生物質類
  11.1 種類と構造
  11.2 合成医薬品・抗生物質類と下水処理場
  11.3 河川中における合成医薬品・抗生物質類
  11.4 毒性
  11.5 熱帯アジアにおける合成医薬品・抗生物質類汚染
  11.6 環境中での変化
第3部 予防的対応
 12 モニタリング
  12.1 International Mussel Watch
 12.2 International Pellet Watch
  12.3 尾腺ワックスモニタリング
  12.4 イチョウを用いた自動車排出ガスモニタリング
  12.5 トンボモニタリング
 13.分子マーカーの環境汚染化学への応用
  13.1 潜在的リスクの把握手段としての分子マーカー
  13.2 疎水性の高い分子マーカー
  13.3 中程度の疎水性の分子マーカー
  13.4 水溶性分子マーカー

定価:3,960円
(本体3,600円+税10%)
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