教養としての生命倫理

教養としての生命倫理

著者名 村松 聡 編著
松島 哲久 編著
盛永 審一郎 編著
発行元 丸善出版
発行年月日 2016年03月
判型 A5 210×148
ページ数 226ページ
ISBN 978-4-621-30024-4
Cコード 3047
ジャンル 医学・薬学 >  医学一般 >  医療倫理

内容紹介

本書は、生命倫理を単に、医療者と患者・家族、医療研究者と医療関係企業のための倫理としてのみ捉えてはいない。より広い視野から生命倫理を、現代を代表する倫理として本書全体を構成している。序章で「今、なぜ生命倫理なのか」における現代の応用倫理学・市民の倫理としての生命倫理学と、医療倫理としての生命倫理の問題を呈示する。第1章から第9章までで、生命倫理の原則と理論、様々な医療倫理に関する問題、人間の生の始まりから終わりまでの具体的な生命倫理諸問題を解説。最終章では、先進医療の問題を扱い、現代社会で最も喫緊の課題にいかに倫理的立場から取り組むべきか呈示する。 将来、医療専門職を志す学生だけでなく、現代社会を生きる全ての人に向けて、高度に専門化された知と技術に対して、いかに倫理的に対応すべきかを、身に着けるべき現代の教養として呈示することを意図して編纂された一冊である。

目次

序章 今、なぜ生命倫理なのか
 1.現代社会と倫理
 2.市民の倫理としての生命倫理
 3.人権と患者の権利
 4.臨床倫理の地平
 5.ゲノム力学と人間の尊厳
 ●コラム:山中教授と思考の帽子
第1章 生命倫理の展望
 1.医の倫理――パターナリズム
 2.バイオエシックスの誕生
 3.生命倫理の4原則
 4.「人間の尊厳」の原則
 ●コラム:臨床医学のなかの生命倫理
第2章 生命倫理の原則と理論
 1.自律尊重原則と自己決定
 2.生命の神聖(SOL)と生命の質(QOL)
 3.無危害原則
 4.善行の原則(仁恵の原則)
 5.正義の原則
 6.人間理解とパーソン論
 コラム:バルセロナ宣言(The Barcelona Declaration)
第3章 医療者‐患者関係と臨床倫理
 1.医療者‐患者関係
 2.患者の最善の利益と自己決定
 3.インフォームド・コンセントと情報開示
 4.代諾とその限界――患者の家族と患者の自己決定
 5.倫理コンラルテーション
 6.ケアの倫理
 ●コラム:バイオバンクと包括同意
第4章 患者の権利と生命倫理
 I 患者の権利に関する宣言
  1.リスボン宣言
  2.患者の権利章典から「患者のケアにおけるパートナーシップ」へ
  3.WHO憲章
  4.マドリード宣言
  5.オタワ憲章
  6.生命倫理と人権に関する世界宣言 
 II 患者中心の医療とチーム医療
  1.医療の目的と医療システム
  2.疾病(disease)と病(illness)
  3.チーム医療とその倫理
 III 患者‐医療者関係におけるコミュニケーション
  1.医療面接とコミュニケーション
  2.医療面接技法としての「質問法」
  3.医療面接技法としての「態度」
  4.患者の心理状態への配慮と対応――リスニングスキルとアサーション
  5.病気と患者の心理・家族の心理
  ●コラム:医療と解釈学
第5章  
 1.ニュルンベルク綱領
 2.ヘルシンキ宣言
 3.新薬開発と遵守すべき基準
 4.利益相反
 5.動物実験の倫理
 ●コラム:731部隊と薬害エイズ
第6章 薬害と医療事故
 1.薬害の定義と歴史
 2.薬害エイズ
 3.薬害を防止するために
 4.医療事故と医療過誤
 5.医療安全
 ●コラム:企業も国も知っていた――サリドマイド被害者母親のスピーチ
第7章 生殖医療と生命倫理
 I 生殖医療の現状と事実
  1.人工妊娠中絶と母体保護法
  2.出生前診断
  3.不妊治療――人工授精と対外受精
  4.精子・卵子・胚の提供
 II 生殖医療の倫理的争点と問題点
  1.自己決定権・生命の倫理・パーソン理解
  2.選択的中絶
  3.生殖家族の懸念と子どもの福祉
  4.身体の資源化と身体理解
  ●コラム:ヒト組織標本の保存と利用をめぐる問題
第8章 
 1.死の定義――脳死は人間の死か
 2.脳死と現代医療における死の意味
 3.臓器移植は許されるのか
 4.ドナーと意思決定
 5.生体間移植の歴史と現状
 6.日本における臓器移植に関する法律
 7.世界に脳死と臓器移植に関する法律
 ●コラム:生き残りのための籤(くじ)
第9章 終末期医療と生命倫理
 I 終末期医療の現状と事実
  1.終末期医療とは何か? 終末期の定義――日本における現状を中心として
  2.緩和医療――セデーション/ペインコントロール/グリーフケア
  3.各国の終末期医療の関する法制度と現状
  4.生命の短縮につながる措置――治療中止・治癒差控え・安楽死など
 II 終末期医療の倫理的争点と問題点
  1.患者の治療拒否と医療者の治療義務
  2.すべり坂論法――決定のもたらす社会的影響と心理的影響
  3.終末期医療と自己決定権
  4.全人的苦痛理解に基づく全人的医療/ケア
  5.終末期医療の法的状況――安楽死・尊厳死・治療の中止  
  ●コラム:ベビー・ドゥケースと新生児の安楽死
第10章 先進医療と生命倫理
 1.遺伝子診断・治療
 2.再生医療
 3.ES細胞とiPS細胞
 4.クローン技術
 5.難病治療
 6.脳科学と脳神経科学
 7.統合医療・自然療法 
 8.疼痛治療
 ●コラム:STAP細胞事件の教訓   
【巻末資料】
 [1]思考を深めるために(基本図書)
 [2]ヒポクラテスの誓い
 [3]患者の権利に関するリスボン宣言
 [4]患者のケアにおけるパートナーシップ
 [5]ニュルンベルク綱領
 [6]ヘルシンキ宣言

定価:本体2,600円+税
在庫:在庫あり

▼ 補足資料