有機合成実験法ハンドブック 第2版

有機合成実験法ハンドブック 第2版

著者名 有機合成化学協会
中井 武 編集委員長
発行元 丸善出版
発行年月日 2015年11月
判型 A5 210×148
ページ数 1204ページ
ISBN 978-4-621-08948-4
Cコード 3043
NDCコード 434
ジャンル 化学・化学工学 >  化学_事典・便覧・ハンドブック

内容紹介

約20年ぶりの改訂。定評だった“実験の基本操作と有機合成実験をつなぎ、有機合成を勉強してこなかった人でも本書を読めばひととおり実験ができるようになり、有機合成のスキルアップがはかれる”というスタンスを踏襲しつつ、現在の状況にあわせて改訂。研究室に配属されたら一度は目を通しておく必要のある情報が満載で、有機合成の研究を始めるにあたって頼りになるガイドブック。現在でも定評がある「基本操作」では、時代が変わっても伝承されるべきもの、古い原理でも知っておいてほしい基本的事項は旧版を踏襲し、「実験法」では古い方法でも確実に再現性のある実験法、新しいものづくりにつなげていけるもの、わかりきった知識でも目的が異なって脚光を浴びているものなど、基本をしっかり押さえ、最近の合成化学に必要なものを厳選して取り上げている。大学を卒業しても座右の書として安心して手許において使える一冊。

目次

I 基本操作
 1 実験器具
  1.1 ガラス器具とその名称
  1.2 器具の洗浄,乾燥,保管
 2 秤量
  2.1 有機化合物の秤量
  2.2 固体の秤量
  2.3 液体の秤量
  2.4 気体の秤量
 3 純度と純度検定
  3.1 融点
  3.2 沸点
  3.3 屈折率
  3.4 元素分析資料の精製
  3.5 クロマトグラフィー
 4 乾燥
  4.1 除湿と除溶媒
  4.2 乾燥器の種類と使い方
  4.3 乾燥剤
  4.4 乾燥操作の具体例
 5 溶解,添加,撹拌
  5.1 溶解
  5.2 反応剤の加え方
  5.3 攪拌
  5.4 通気反応実験法
 6 加熱と冷却
  6.1 加熱
  6.2 冷却
 7 減圧と加圧
  7.1 真空実験法
  7.2 高圧合成反応
 8 抽出
  8.1 液―液抽出
  8.2 固―液抽出
  8.3 抽出液の乾燥
  8.4 溶媒の留去
  8.5 水溶性物質の取扱い
 9 結晶と沪過
  9.1 一般的再結晶法
  9.2 特殊な試料の再結晶
 10 蒸留と昇華
  10.1 常圧蒸留
  10.2 減圧蒸留
  10.3 固化しやすい物質の蒸留
  10.4 水蒸気蒸留
  10.5 昇華
 11 クロマトグラフィーによる分析と分取
  11.1 カラムクロマトグラフィー
  11.2 加圧カラムクロマトグラフィー
  11.3 薄層クロマトグラフィー
  11.4 その他のクロマトグラフィー
 12 機器分析
  12.1 赤外吸収スペクトル
  12.2 紫外・可視吸収スペクトル
  12.3 核磁気共鳴
  12.4 質量分析法
  12.5 旋光度と円二色性スペクトル
II 実験法
 13 代表的溶媒の精製法
  13.1 有機溶媒取扱い上の注意
  13.2 各論
 14 金属および酸・塩基の取扱い方
  14.1 アルカリ金属
  14.2 アルカリ土類金属
  14.3 その他の金属
  14.4 塩基類
  14.5 酸
 15 官能基の保護と脱保護
  15.1 官能基の保護
  15.2 保護と脱保護
 16 カルボニル化合物の反応
  16.1 カルボン酸誘導体の反応
  16.2 活性エステル
  16.3 ケトン,アルデヒドの反応
 17 不安定試薬の調製法と取扱い方
  17.1 不安定試薬,毒性試薬の取扱い法
  17.2 ジアゾ化合物
  17.3 アジド類
  17.4 ケテン類
  17.5 その他
 18 不安定中間体の合成と反応
  18.1 イリド
  18.2 超原子価ヨウ素
  18.3 カルベンおよびカルベノイド
  18.4 ベンザインおよびo―キノジメタン
 19 有機金属化合物を用いる合成反応実験法
  19.1 典型元素の有機金属化合物:調整と合成反応
  19.2 遷移金属化合物の量論反応
  19.3 金属化合物を触媒とする合成反応
 20 ぺリ環状反応および関連反応 
  20.1 ペリ環状反応の概要
  20.2 電子環状反応
  20.3 環化付加反応
  20.4 シグマトロピー転位
  20.5 グループ移動反応
 21 ラジカル反応法
  21.1 炭素ラジカル種の構造と基本反応特性
  21.2 ラジカル還元反応
  21.3 ラジカル還化反応
  21.4 ラジカル付加反応
  21.5 ラジカル置換反応
  21.6 ヘテロ原子ラジカルによるラジカル反応
  21.7 電子移動を伴うラジカル反応
  21.8 カスケード型ラジカル反応
 22 多相系合成法
  22.1 固相合成法
  22.2 相間移動触媒を用いる合成法
  22.3 固相試薬を用いる合成法
  22.4 フルオラスタグを用いる合成法
  22.5 イオン液体を用いる合成法
 23 生物化学的合成法
  23.1 加水分解酵素を用いるエナンチオマー(鏡像異性体)の速度論的光学分割
  23.2 リパーゼのエナンチオ選択性の発現機構:酵素反応の遷移状態の理解と制御
  23.3 有機溶媒やイオン液体を溶媒に用いたリパーゼ触媒による光学活性アルコールの合成
  23.4 有機金属や金属錯体触媒と酵素反応の共存による新機能
  23.5 酸化還元酵素を用いる不斉還元・酸化
  23.6 アルドラーゼ,リアーゼなど炭素―炭素結合形成反応の応用,およびアミノ酸の合成
  23.7 特殊環境からの新規酵素のスクリーニング
  23.8 微生物や酵素の固定化
  23.9 植物培養細胞を用いた配糖化による物性改良
  23.10 酵素および微生物の入手法
 24 光学活性物質の入手,分析利用法
  24.1 キラルプール法
  24.2 光学分割法
  24.3 光学純度決定法
 25 還元法
  25.1 水素ガスを用いる還元法
  25.2 溶解金属および金属塩を用いる還元法
  25.3 金属水素化物による還元法
  25.4 その他の還元法
 26 酸化法
  26.1 酸素ガスを用いる酸化法
  26.2 金属酸化物による酸化
  26.3 過酸化物による酸化
  26.4 有機化合物による酸化
  26.5 オゾンおよび一重項酸素による酸化法
 27 光化学合成実験法 
  27.1 光源と反応容器
  27.2 光化学合成実験例
 28 電気化学合成実験法
  28.1 電解反応装置,電極,電解溶媒,支持塩の選択
  28.2 電解条件と反応条件の選択
  28.3 カチオンプール法,マイクロフロー電解システム
  28.4 相溶性二相有機電解合成
  28.5 PTFE被覆疎水性電極を用いる有機電解合成
  28.6 反応性電極を用いる有機電解反応
  28.7 天然物の電解合成
  28.8 電解発生酸・塩基を用いる有機電解合成
  28.9 選択的電解フッ素化
 29 ヘテロ環合成法
  29.1 芳香族ヘテロ環
  29.2 非芳香族ヘテロ環
 30 フッ素化合物の合成法
  30.1 フッ素化合物の一般的な性質と取扱い方法
  30.2 官能基のフッ素化反応
  30.3 ペルフルオロアルキル基の導入
  30.4 さまざまなビルディングブロックの利用
付録 合成実験を行うための注意
 危険物の種類と量/危険物各論/有害性物資/混合危険と反応の危険/発火源/危険の検知と保護具/消火/廃棄物

出版社からのメッセージ

本書は『有機合成実験法ハンドブック』(1996年4月刊)の改訂版です。

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