内容紹介
生命の設計図であるDNA。生命進化も当然、そのDNAの変化によって引き起こされるため、その謎に迫るべく、近年さまざまな研究が進められている。 なかでも注目を集めているのは、古代から姿を変えていない生物「生きている化石」のDNAの研究だ。特にシーラカンスは、肢のようなヒレを持つことから生物の陸上進出の謎をとく鍵を握るとも言われており、そのDNAの解析が待たれていました。そして2013年、ついに、シーラカンスの全ゲノム配列が解読された。本書では、そんなシーラカンスの全ゲノム解析の結果をはじめとした、近年のDNA研究による生命進化についての知見を解説します。形の変化だけでない、生命進化の本質を知ることができる一冊。
目次
第1章 生ける化石シーラカンス
プロローグ:生ける化石シーラカンスが見つかった
解けてきたシーラカンスの謎
生ける化石はシーラカンスだけか
化石からDNAが取り出せたら
第2章 生命の誕生
DNAからみた生命活動と進化
原初の生命体
生命の起源、三つの候補者
我々の祖先はただ一人
生物進化のゆりかご期――先カンブリア時代――に起こった出来事
コラム:生物の進化とゲノムの大きさ
第3章 生物の多様化とシーラカンスの出現
突然無数の生物が現れる――カンブリア紀の爆発――
生物の多様化がますます進むオルドヴィス紀とシルル紀
魚の時代、デヴォン紀――シーラカンスが現れる――
ついに陸に上がった魚――移行動物チクターリクの発見――
生き残ったシーラカンスたち
シーラカンスのゲノムが解読された
コラム:遺伝的多様性と生物の絶滅
第4章 DNAから進化の謎を解く
進化の分子時計とはなにか
遺伝子は変わる
新しい遺伝子を獲得する
マクロ進化とは
ほかの生物のDNAを取り込む
コラム:遺伝子に起こった変化とその影響
第5章 恐竜滅亡後の世界
白亜紀末の生物の大絶滅
哺乳類の天下が訪れた
ヒトはどのようにして進化してきたのか
生物社会と進化論
コラム:第6の生物の大絶滅
エピローグ
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▼ 補足資料
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