大学講義 放射線医学

大学講義 放射線医学

原子・分子から被曝・がん
著者名 矢野 一行
森口 武史
廣澤 成美
坂本 安
発行元 丸善出版
発行年月日 2014年11月
判型 A5 210×148
ページ数 110ページ
ISBN 978-4-621-08872-2
Cコード 3047
NDCコード 493
ジャンル 医学・薬学 >  臨床医学・内科系 >  放射線・画像医学

内容紹介

大学での放射線医学教育を充実させ、放射線被曝による健康被害に対処できる幅広い知識を身につけた若い医師・研究者・技術者を養成することが求められる。本書は、将来、放射線と直接関わる機会が多い医歯薬系の学生を念頭に、医療系以外の環境に関連する大学での放射線教育も対象読者とした。まず、放射線を正しく理解するための知識を整理、さらには原子力発電を通して、核燃料、核分裂反応、放射性廃棄物について述べる。次にさまざまな放射線に触れ、それらの被曝によるヒトへの影響を評価する。さらに低線量放射線の作用の本質について述べ、活性酸素の発生から、作用機序、消去までの流れを詳細に説明する。放射線被曝による最大の健康被害はがんであり、がんの発生メカニズムから、放射線によって発生する主ながんについて触れる。また、がんのさまざまな危険因子を排除することで、放射線被曝によるがんのリスクを回避できることを述べる。

目次

第1章 放射線化学
 1.1 元素の化学的性質を表す周期表
 1.2 放射性元素と半減期
 1.3 放射線の種類
 1.4放射線の単位
第2章 原子力発電
 2.1 原子力発電所
 2.2 原子力利用に使われる核燃料
 2.3 ウラン235の核分裂連鎖反応
 2.4 原子力発電所からの放射性廃棄物の処理・処分
 COLUMN1 核分裂爆弾の開発
 COLUMN2 原子力発電の今後
第3章 放射線被曝
 3.1 外部被曝と内部被曝 
 3.2 自然被曝
 3.3 医療被曝
 3.4 チェルノブイリ原発事故による被曝
 3.5 広島・長崎の原爆による被爆
 3.6 福島第一原発事故で大気中に放出された放射性物質による被曝
第4章 放射線の人体への影響
 4.1 活性酸素とは
 4.2 活性酸素の発生 
  4.2.1 放射線被曝による活性酸素
  4.2.2 紫外線照射による活性酸素
  4.2.3 強いストレスによる活性酸素
 4.3 活性酸素の損傷を受ける細胞小器官
  4.3.1 細胞膜
  4.3.2 核酸(DNA)
  4.3.3 ミトコンドリア
 4.4 活性酸素のスカベンジャー(抗酸化物質)
第5章 がん
 5.1 がんの発生メカニズム:多段階発がん
 5.2 がんの発生に関与するメイラード反応(糖化反応)
 5.3 高線量放射線(原爆など)被曝によるがん
 5.4 低線量放射線(原発事故など)被曝によるがん
  5.4.1 放射線によるがん発生に関する仮説
  5.4.2 放射線によるがんの種類
   5.4.2.1 甲状腺がん
   5.4.2.2 白血病
   5.4.2.3 乳がん
   5.4.2.4 その他のがん
 5.5 放射線によるがんリスクの回避
  5.5.1 食生活の改善
   5.5.1.1 ミネラルの摂取
   5.5.1.2 炭水化物(糖質)の摂取
   5.5.1.3 タンパク質の摂取
   5.5.1.4 脂質の摂取
   5.5.1.5 ビタミンの摂取
   5.5.1.6 食物繊維の摂取
   5.5.1.7 食事制限
  5.5.2 禁煙の励行
   5.5.2.1 がん死亡数と喫煙率
   5.5.2.2 タバコの煙に含まれている発がん物質
  5.5.3 運動の励行
   5.5.3.1 運動の種類
   5.5.3.2 有酸素運動の健康に及ぼす効果
   5.5.3.3 運動が予防するがん
  5.5.4 がんの原因となる感染因子の防御
   5.5.4.1 ヘリコバクター・ピロリ
   5.5.4.2 B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルス
   5.5.4.3 ヒトパピローマウイルス
   5.5.4.4 ヒト白血病ウイルス1型
  COLUMN3 がん細胞の不死化

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