外国出願のための特許翻訳英文作成教本

外国出願のための特許翻訳英文作成教本

著者名 中山 裕木子
発行元 丸善出版
発行年月日 2014年09月
判型 A5 210×148
ページ数 422ページ
ISBN 978-4-621-08835-7
Cコード 3082
NDCコード 507
ジャンル 論文・語学 >  技術英語
論文・語学 >  語学

内容紹介

これまでの英文特許明細書はとかく直訳的で難解とされていたが、本書ではそれをいかにやさしく読めるものにするかの日英翻訳テクニックを紹介する。日本語を元にして難解に表現されがちな英文特許明細書は、3つのCのテクニック(Correct、 Clear、 Concise=「正確、明確、簡潔に書くための手法」)を使うことによって、やさしく読める英文特許明細書になる。その結果、出願人が意図している権利範囲を、適切に確保することができる可能性も高まるだろう。

目次

第1章:3Cとは
 1.『3つのC』はなぜ必要か
  (1)Correct
  (2)Clear
  (3)Concise
 読み物:日英特許翻訳者になるための条件―英語・技術・法律
 2.明細書英語のどこを改善すべきか
  (1)文章レベルの3C
  (2)文章同士のつながり
 読み物:「3C」特許翻訳者のスタートに立つ―100件訳せば何かが変わる
 3.Correctの心得
  (1)文法・用語・直訳誤りを防ぐ
  (2)表記・ケアレスミス・法律側面に注意する 
 読み物:英英辞書の活用―「明快COBUILD」と「完全OED」を組み合わせる
 4.Clear&Conciseの心得
  (1)動詞を効果的に使う
  (2)直訳せずに表現を工夫する
 読み物:英文リライトの効能を理解する
第2章:3Cの実践テクニック
 1.無生物主語・SVO
  (1)無生物主語の活用
  (2)SVO主義
 読み物:無生物にどこまでの「行為」ができるか
 2.能動態・単文
  (1)能動態主義
  (2)単文主義
 読み物:『二重の複文』を適切に処理する
 3.肯定形・パラレリズム
  (1)肯定形主義
  (2)パラレリズムの活用
 読み物:ACSスタイルガイドが伝える『パラレリズム』
 4.情報の強弱・文章同士の接続
  (1)文中での情報の強弱の持たせ方
  (2)文章同士の接続方法
 読み物:Becauseを使った場合の論理のズレに注意する
 5.パラグラフライティング術
  (1)パラグラフの基本
  (2)パラグラフライティング活用術
 読み物:目標は文と文の接続語ゼロ:減らしたい接続語と許容の接続語
第3章:翻訳実務I『タイトル』『背景技術』『図面の説明』『実施の形態』
 1.『タイトル』
  (1)『タイトル』の決まりごと
  (2)3C(正確・明確・簡潔)訳出ポイント
  (3)日英翻訳練習
  読み物:「装置」を表す色々な単語
 2.『背景技術』
  (1)『背景技術』の決まりごと
  (2)3C(正確・明確・簡潔)訳出ポイント
  (3)日英翻訳練習
  読み物:英文法の壁を越えられないと感じている理工系の方へ
 3.『図面の説明』
  (1)『図面の説明』の決まりごと
  (2)翻訳時の留意点
  (3)日英翻訳練習
  読み物:分詞の疑問①分詞構文の活用方法を教えて 
 4.『実施の形態』
  (1)『実施の形態』の決まりごと
  (2)3Cテクニックによる描写
  (3)日英翻訳練習
  読み物:分詞の疑問②「〜を使って」の意味のusingは何?
第4章:翻訳実務II『クレーム』『アブストラクト』『サマリー』
 1.『クレーム』の基礎知識
  (1)クレームの基本フォーマット
  (2)「冠詞」と「数」の基本ルール
  (3)クレーム英訳の基本手順
  読み物:Searchable MPEPと“Searchable Faber”でパワーアップする
 2.『クレーム』の応用知識
  (1)明確なクレームに仕上げるための留意点
  (2)「冠詞」と「数」の基本ルール
  読み物:参考書スピード読みのすすめ
 3.『アブストラクト』
  (1)『アブストラクト』の決まりごと
  (2)アブストラクトの語数の減らし方
  読み物:高品質明細書に仕上げるための翻訳者・知財担当者の理解と協力
 4.『サマリー』
  (1)『サマリー』の決まりごと
  (2)3C(正確・明確・簡潔)英訳練習
  読み物:「PCT逐語訳」要求について考える
第5章:クレーム英訳の練習帳
 1.練習①
  (1)「消しゴム」
  (2)「調理器具」
  読み物:略語をどこまでスペルアウトするか
 2.練習②
  (1)「燃料噴射弁」
  (2)「ヒートシンク」
  読み物:構成要件列挙方式の独立クレームにおけるwherein節
 3.練習③
  (1)「通信システム」
  (2)「半導体の製造方法」
  読み物:翻訳原稿を高品質で納期数日前に収めるコツ
第6章:特許翻訳者の歩む道―品質向上を目指して
 1.明細書で頻出する注意すべき日本語
  (1)英訳しづらい動詞表現
  (2)日英のありがちなズレ表現
  読み物:「書く力の証明」―工業英検1級を取得しておこう
 2.明細書全体ですぐに使える3Cの工夫
  (1)試行錯誤で日英のギャップを埋める
  (2)数の問題に対処する
  読み物:期待と失望を乗り越え、究極の3C(正確・明確・簡潔)を実現する
 3.スキルアップを続けるコツ
  (1)「英語の美」を楽しむ
  (2)「明快で豊か」な英語表現
  (3)「3つの鍵」で成功を維持する
  読み物:Words for you <仕事に役立つ英文メッセージ>
<実務メモ>
 第1章
  ●米国の特許裁判制度 
  ●米国特許取得までの流れ  
  ●産業財産権に関する国際条約―パリ条約とPCTによる出願
  ●USPTO(米国特許商標庁)のデータベースの表記.mu.m.や.sup.の意味
  ●法律的要件―法律・規律・審査便覧
 第2章
 ●ACSスタイルガイドで「限定・非限定」の意味を理解する
 ●such asの限定表現(コンマなし)と非限定表現(コンマあり)
 ●ACSスタイルガイドによる「使用を控える言葉」(Words and Phrases to Avoid)
 ●三極特許庁共通出願様式について
第3章
 ●method for…ingとmethod of…ing
 ●英文明細書の主要項目と翻訳の順序
 ●冒頭の「近年、〜」をどのように訳すか
 ●「公報」などの文献名の英訳
 ●明細書中の言葉the present inventionについてのFaberの記載
第4章
 ●方法クレームのアウトライン形式: (a)…ing; (b)…ing; and (c)…ing 
 ●based onとon the basis of
 ●クレーム中の表現each of a plurality of XXsについて
 ●明細書中の冠詞のリセットタイミング
第5章
 ●クレーム中の時制は現在形
 ●洋書“Patent It Yourself”による“Patent Attorney Words(弁理士が使用する言葉)”
 ●クレーム中の「実質的に」はsubstantiallyがよい
 ●「〜するか否か」を表すwhetherの後ろにor notは不要
 ●「翻訳注」で顧客と実りあるコミュニケーションを
第6章
 ●andやorを表すスラッシュ(/)の使用を極力控える
 ●二重の丸括弧の可否―スタイルガイド(AMA、シカゴ)より
 ●『背景技術』に頻出する「一般的」の英訳
 ●Faberが明細書中で避けたほうがよいとする言葉と推奨する言葉

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