フローチャートによる トリアージ実践マニュアル
その時、薬剤師はどのように判断するか

フローチャートによる トリアージ実践マニュアル

著者名 佐仲 雅樹
発行元 丸善出版
発行年月日 2014年06月
判型 A5 210×148
ページ数 100ページ
ISBN 978-4-621-08839-5
Cコード 3047
ジャンル 医学・薬学 >  薬学
看護・介護・リハビリ >  臨床看護

内容紹介

「薬剤師のトリアージ実践ガイド―視診・バイタルサイン・問診による病態の捉え方」の実践編。ロキソニンなどの切れ味の鋭いくすり(OTC薬)のチェーン薬局・ネット購入ができるようになり、薬剤師の存在が希薄となってきた。本書の構成は、「その時、薬剤師はどのように判断するか」を軸に、患者の状態を判断するための「患者をみる力」をフローチャート・図・表及び症例により簡潔に構成している。「来局者の病状を把握し」「病院を受診するか」「OTC薬によるセルフメディケーションでいいのか」が即座に判断できる。くすりの対面販売の際の来局者との問診で病状は把握できる。すなわちこれが薬剤師のトリアージである。これまでの類書は医師(あるいは欧米薬剤師)による書籍もしくは翻訳版で、日本の現状にはそぐわなかった。本書のポイントは「どのように思考すれば実際の現場にフィットする薬剤師のトリアージシステムになるか?」に注力している。

目次

第Ⅰ章  薬局トリアージの具体的手順
 図Ⅰ-1 トリアージフローチャート
 1.1 トリアージシステム運用上の注意点
  表Ⅰ‐1 問診の基本形(OPQRSTリスト)
  表Ⅰ‐2 症状別の急性重症疾患と急性軽傷疾患
  表Ⅰ-3 薬局では対応できない症状
  表Ⅰ-4 全身状態の評価(現在の患者の状態)
  表Ⅰ-5 患者背景(病状が重症化しやすい素因)
  表Ⅰ-6 急性重症疾患のレッドフラッグサイン(病歴におけるエピソードあるいは現在の症状)
  表Ⅰ-7 亜急性/慢性重症疾患のレッドフラッグサイン
  表Ⅰ-8 急性上気道炎(感冒)の可能性
  表Ⅰ-9 急性ウイルス性胃腸炎(急性下痢症)の可能性
  表Ⅰ-10 急性腰痛症(“ぎっくり腰”)の可能性
第Ⅱ章 トリアージの概論
 2.1 セルフメディケーションとトリアージ
 2.2 トリアージの意味
  表Ⅱ-1 医療現場の様々なトリアージ
  図Ⅱ-1 重症度と緊急度の概念
 2.3 全身状態からみた重症度と緊急度
  図Ⅱ-2 現時点の患者の状態から見た重症度と緊急度
  図Ⅱ-3「現時点」の重症度と「以降」の緊急度
 2.4 原因疾患からみた重症度と緊急度
  図Ⅱ-4 重症度・緊急度による「教科書的」な疾患分類
  図Ⅱ-5 重症度・緊急度による「現実的」な疾患分類
 2.5 トリアージレベルの決定
  表Ⅱ-2 トリアージレベル
  COLUMN1 「何か変だ…」その1 看護師は何を察知したのか?
第Ⅲ章 薬局トリアージの理論背景
 3.1 トリアージに重要な視点
  図Ⅲ-1 重症度と緊急度の見積もり
 3.2 全身状態とショック、呼吸不全、SIRSの病態生理
  図Ⅲ-2 安定したガス交換サイクル
  表Ⅲ-1 ショック(循環不全)の判断基準
  表Ⅲ-2 呼吸障害(呼吸不全)の程度
  表Ⅲ-3 意識障害の評価:Japan Coma Scale(JCS)
  図Ⅲ-3 全身状態の悪化過程
  表Ⅲ-4 全身性炎症反応症候群(SIRS)の診断基準
 3.3 全身状態の症候学
  表Ⅲ-5 全身状態(ガス交換サイクルの安定性)
  図Ⅲ-4 「前兆」としての精神・身体活動性の変化
  表Ⅲ-6 全身状態からみた重症のイメージ
 3.4 トリアージに必要な重要疾患の病態生理と症候学
  表Ⅲ-7 疾患グループとトリアージ判断
  表Ⅲ-8 急性重症疾患(見逃されやすい“危険な落とし穴”)
  表Ⅲ-9 急性重症疾患のレッドフラッグサイン
  表Ⅲ-10 亜急性/慢性重症疾患のレッドフラッグサイン
  表Ⅲ-11 薬局で対応可能な軽症疾患
 3.5 重症化しやすい患者の素因
  表Ⅲ-12 問題となる患者背景
  COLUMN2 「何か変だ…」その2 「顔」をみて全身を知る?
  COLUMN3 「何か変だ…」その3 軽い意識障害をみつけるためには?
第Ⅳ章 薬局トリアージの実践
 4.1 トリアージのための情報収集
 4.2 全身状態の評価法
 4.3 症状の捉え方
  表Ⅳ-1 症状の特徴の考え方
 4.4 原因疾患の推定のための診断理論
  表Ⅳ-2 OPQRST問診チェックリスト
  表Ⅳ-3 発症と経過パターンに応じた解釈
  図Ⅳ-1 突発性の発症
  図Ⅳ-2 急性の経過
  図Ⅳ-3 急性期を超えて悪化するパターン
  図Ⅳ-4 慢性反復性のパターン
  図Ⅳ-5 慢性持続性のパターン
  表Ⅳ-4 急性上気道炎(感冒)の特徴
  表Ⅳ-5 急性ウイルス性胃腸炎(急性下痢症)の特徴
  表Ⅳ-6 急性腰痛症(“ぎっくり腰”)の特徴
 4.5 薬剤師のトリアージと医師の外来業務の比較
 4.6 Safety netting
  表Ⅳ-7 急性軽傷疾患と判断した場合のsafety netting
 COLUMN4 「何か変だ…」その4 顔色が悪い…?
 COLUMN5 「何か変だ…」その5 元気がない?
第Ⅴ章 急性重症疾患の病態と症候学的特徴
 5.1 急性冠症候群(Acute Coronary Syndrome:ACS)
  表Ⅴ-1 急性冠症候群の典型的OPQRSTとリスク因子
 5.2 くも膜下出血(Subarachnoid Hemorrhage:SAH)
  表Ⅴ-2 クモ膜下出血の典型的OPQRSTとリスク因子
 5.3 細菌性(化膿性)髄膜炎
  表Ⅴ-3 細菌性髄膜炎の典型的OPQRSTとリスク因子
 5.4 急性喉頭蓋炎
  表Ⅴ-4 急性喉頭蓋炎の典型的OPQRSTとリスク因子
 5.5 急性大動脈疾患(大動脈瘤破裂/急性大動脈解離)
  表Ⅴ-5 急性大動脈疾患の典型的OPQRSTとリスク因子
 5.6 腹腔内出血
  表Ⅴ-6 腹腔内出血の典型的OPQRSTとリスク因子
 5.7 腹膜炎
  表Ⅴ-7 腹膜炎の典型的OPQRSTとリスク因子
 5.8 敗血症
  表Ⅴ-8 敗血症の典型的OPQRSTとリスク因子
 5.9 肺塞栓症(Pulmonary Embolism:PE)
  表Ⅴ-9 肺塞栓症の典型的OPQRSTとリスク因子
 5.10 糖尿病性ケトアシドーシス(Diabetic Ketoacidosis:DKA)
  表Ⅴ-10 糖尿病性ケトアシドーシスの典型的OPQRSTとリスク因子
  COLUMN6 「気分が悪い…」には要注意
第Ⅵ章  症例による薬局トリアージのシミュレーション
 症例1:「咳が止まらない」と言って午後に来局した25歳女性 
 症例2:「お腹の調子が悪い」と言って土曜日の夕方来局した74歳男性
 症例3:「下痢止めを下さい」と言って夕方来局した66歳男性
 症例4:「頭が痛い」と言って開店そうそう来局した48歳女性 
 症例5:「胃が痛い」と言って昼に来局した35歳男性
  COLUMN7 危険な「下痢」

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