脳機能の原理を探る

脳機能の原理を探る

非平衡協同現象としての脳神経活動・行動・認識
原書名 Principles of Brain Functioning
著者名 奈良 重俊
山口 陽子
発行元 丸善出版
発行年月日 2013年02月
判型 A5 210×148
ページ数 440ページ
ISBN 978-4-621-06476-4
Cコード 3045
ジャンル 医学・薬学 >  臨床医学・外科系 >  脳神経外科学

内容紹介

複雑系としての脳の実験的および理論的な研究は、生物学、医学、物理学、化学、数学、計算機科学など多彩な分野間の協力が必要とされる。科学者にとっては、自分たちを取り囲む垣根を越えて物事をみることが必要で、本書はまさにその精神にそって書かれた、シナジェティックスの提唱で著名なハーケン教授による脳機能研究への新しいアプローチ。

目次

第I部:基礎
 第1章 序章
  1.1 生体系は複雑系
  1.2 シナジェティックスの目指す到達点
  1.3 複雑系として脳
  1.4 脳機能の伝統的解釈v.s.シナジェティックス的解釈
 第2章 脳を探る
  2.1 ブラックボックス的アプローチ
  2.2 ブラックボックスの開箱
  2.3 巨視的レベルでの構造と機能
  2.4 無侵襲な手段
  2.5 微視的なレベルでの構造と機能
  2.6 学習と記憶
 第3章 脳のモデル化・最初の試み:動力学系として脳
  3.1 動力学系とは何か?
  3.2 動力学系としての脳
 第4章 シナジェティックスの基本概念I:秩序パラメータと隷属原理
  4.1 時間発展の決定因子
  4.2 解決への戦略
  4.3 自己組織化と熱力学第2法則
 第5章 秩序パラメータのダイナミックス
  5.1 1個の秩序パラメータ
  5.2 2個の秩序パラメータ
  5.3 3個またはそれ以上の個数の秩序パラメータ
  5.4 秩序パラメータと正準系
第II部:行動
 第6章 運動の協調―運動パターン
  6.1 協調問題
  6.2 指振り運動の相転移:実験と簡単なモデル
  6.3 もう1つのモデルの検討
  6.4 指振り運動における揺らぎ:理論*
  6.5 指振り運動にける臨界揺らぎ:実験
  6.6 いくつかの重要な結論
 第7章 指振り運動に関する発展的記述
  7.1 1本の人差し指の運動
  7.2 人差し指の結合運動
  7.3 多重振動行動中の指振り運動の相転移
  7.4 多重振動数の行動のモデル
  7.5 振動数固定の基本方程式とその解*
  7.6 おもな理論的結果のまとめ
 第8章 学習
  8.1 学習は秩序パラメータのポテンシャル地形をどのように変えるか
  8.2 学習は秩序パラメータの数をいかに変えるか
  8.3 学習がどうやって新たな秩序パラメータをもたらすか
 第9章 運動の足運び(ゲイト)とその転移
  9.1 はじめに
  9.2 対称性と群
  9.3 四足動物のゲイトの実験研究
  9.4 位相ダイナミックスと対称性
  9.5 位相ダイナミックスの方程式
  9.6 定常解
  9.7 対称性の低いゲイトのダイナミックス
  9,8 まとめと展望
 第10章 シナジェティックスの基本概念II:時空間パターンの形成
 第11章 時空間パターンの解析*
  11.1 Karhunen-Loeve展開,特異値分解,主値成分解析―同じ方法の3種の名称
  11.2 秩序パラメータに基づく幾何学的アプローチ
 第12章 ペダル踏み運動
  12.1 課題
  12.2 運動パターンの記述
  12.3 ペダル踏み運動の定量化
  12.4 Karhunen-Loeve展開を用いた運動の解析
  12.5 腕と足の運動の詳細な解析
  12.6 Haken-Friedrich-Uhlの秩序パラメータ解析
  12.7 第II部の結語 
第III部:脳波(EEG)と脳磁波(MEG)
 第13章 カオス、カオス、カオス
 第14章 脳波の解析
  14.1 脳波の解析
  14.2 秩序パラメータの同定と空間モード
  14.3 結果
 第15章 脳磁波(MEG)パターンの解析
  15.1 実験結果
  15.2 時空間解析
  15.3 ダイナミックスのモデル化
  15.4 ダイナミックスのモデル化:脳活動の場の理論に向けて
  15.5 EEG及びMEGに関する再考
第IV部:認識
 第16章 視覚認識
  16.1 パターン認識のモデル
  16.2 注意パラメータの役割:曖昧な図形の場合
  16.3 バイアスの効果
  16.4 注意パラメータの揺らぎの役割
  16.5 パターンの学習
  16.6 立体視のモデル
 第17章 パターン認識としての意思決定
 第18章 計算機としての脳、計算機は思考できるか?
  18.1 概観:思考とは何か?
  18.2 計算機
  18.3 人工知能
  18.4 ニューロコンピュータとコネクショニズム
  18.5 計算機は思考できるか?
 第19章 脳のネットワーク
  19.1 シナジェティックスによるIRNの一般的なモデル
  19.2 集団的認識過程
  19.3 反復法
  19.4 結論
 第20章 脳のシナジェティックス:我々はどこに立っているのか?我々はここからどこへ行くのか?
  20.1 総括
  20.2 心と物質―永遠の疑問
  20.3 いくつかの未解明課題
付録
 付録A 時系列解析
  A.1 時系列解析
  A.2 次元の決定
  A.3 アトラクターの次元
  A.4 若干の結論
 付録B 共役ベクトルの決定
 付録C 第16.5節に出てきたポテンシャル 

出版社からのメッセージ

本書は、2000年1月にシュプリンガー・ジャパン株式会社より出版された同名書籍を再出版したものです。
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本書は、書籍からスキャナによる読み取りを行い、印刷・製本を行っています。
一部、装丁が異なったり、印刷が不明瞭な場合がございますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
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定価:5,500円
(本体5,000円+税10%)
在庫:絶版