内容紹介
近年、非線型な物理現象の理解はかなりな進展を示している。非線型物理は、現代物理学の最も重要で基礎的な一分野であり、そのエッセンスを理想的な非線型物理現象が見られる非線型光学から学ぶことができる。 本書はカリフォルニア大学アーバイン校における講義をもとにしており、古典的な電磁気学の教科書と専門的な非線型光学の教科書との間の橋渡しをすることを意図。 理論的な解説に偏らず、光学媒質となる物質に基づいた記述が随所に見られ、光学やレーザー分光学を学ぼうとする学生に好適の教科書。
目次
第1章 序論
第2章 物質の線型誘電応答
第3章 物質の非線型誘電応答
第4章 非線型波動の相互作用の基本原理:第二高調波発生と四光波混合
第5章 物質による光の非弾性散乱:誘導ラマン散乱と誘導ブリュアン
第6章 原子の共鳴に近い場との相互作用:自己誘導透過
第7章 1次元波動の伝播における自己相互作用効果:光ファイバーと周期的構造中のソリトン
第8章 表面・海面における非線型光学的相互作用
第9章 磁性体中での光学相互作用
第10章 カオス
付録A 波動ベクトルと周波数に依存する誘電率テンソルの構造
付録B sine-Gordon 方程式の性質
付録C 電磁グリーン関数の構造