量子計算と量子情報の原理

量子計算と量子情報の原理

原書名 Principles of Quantum Computation and Information
著者名 廣岡 一
発行元 丸善出版
発行年月日 2009年05月
判型 A5 210×148
ページ数 272ページ
ISBN 978-4-621-06227-2
Cコード 3042
ジャンル 物理学 >  量子力学
電気・電子・情報工学 >  情報・コンピュータ

内容紹介

量子コンピュータや量子暗号通信など量子力学の新たな技術的応用を与えるものとして量子計算と量子情報は急速に発展している新しい学際的な分野である、本書は量子計算と量子情報の基礎的原理を、量子力学と古典計算理論のいずれの予備知識も前提とせずに丁寧に解説した入門書である。まず第1章でチューリングマシン、計算の回路モデル、論理ゲート、計算複雑性など、古典計算について基礎的な事項が紹介されている。さらに第2章ではシュルテン―ゲルラッハの実験、ヤングの二重スリットの実験、EPRパラドックス、ベルの不等式など、本書で必要とされる量子力学の基礎を概説している。つづく第3章では、量子ビット、量子計算の回路モデル、量子もつれ、ドイチェのアルゴリズム、量子検索、ショアのアルゴリズムなど、量子計算が詳述される。最終章の第4章で、量子暗号、複製不可能定理、量子テレポーテーションなど量子情報について解説がなされる。

目次

第1章 古典計算入門
 1.1 チューリングマシン
 1.2 計算の回路モデル
 1.3 計算複雑性
 1.4 力学系の計算
 1.5 エネルギーと情報
 1.6 可逆計算
 1.7 参考文献ガイド
第2章 量子力学入門
 2.1 シュテルン―ゲルラッハの実験
 2.2 ヤングの二重スリットの実験
 2.3 線形ベクトル空間
 2.4 量子力学の基本原理
 2.5 EPRパラドックスとベルの不等式
 2.6 参考文献ガイド
第3章 量子計算
 3.1 量子ビット
 3.2 量子計算の回路モデル
 3.3 単一量子ビットゲート
 3.4 制御ゲートと量子もつれの生成
 3.5 万能量子ゲート
 3.6 ユニタリ誤差
 3.7 関数計算
 3.8 量子加算器
 3.9 ドイチェのアルゴリズム
 3.10 量子検索
 3.11 量子フーリエ変換
 3.12 量子位相推定
 3.13 固有値と固有ベクトルの検出
 3.14 周期検出とショアのアルゴリズム
 3.15 力学系の量子計算
 3.16 実験による最初の実現
 3.17 参考文献ガイド
第4章 量子通信
 4.1 古典暗号
 4.2 量子複製不可能定理
 4.3 量子暗号
 4.4 抗密度符号化
 4.5 量子テレポーテーション
 4.6 実験による実現についての概観
 4.7 参考文献ガイド
第5章 量子通信練習問題の解答

定価:5,500円
(本体5,000円+税10%)
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