固体物理学 改訂新版

固体物理学 改訂新版

21世紀物質科学の基礎
原書名 Solid-State Physics
著者名 石井 力
木村 忠正
発行元 丸善出版
発行年月日 2012年01月
判型 B5変
ページ数 521ページ
ISBN 978-4-621-06140-4
Cコード 3042
ジャンル 物理学 >  物性物理

内容紹介

本書は、基礎と応用および理論と実験の両面から、現代固体物理学の立体像をバランスよく描いた好評テキスト『固体物理学』の改訂新版。前半で化学結合・結晶構造など伝統的な1電子近似の固体論を体系的に記述し、後半では近年特に発展の著しい磁性や超伝導および半導体物理等の分野が詳しく解説されている。この新版では合金の相図、固体中の欠陥、結晶の弾性的性質など、最新の結果を解説するために、新たに7つの節を書き下ろして付け加えている。

目次

第1章 固体における化学結合
 1.1 元素の周期表
 1.2 共有結合
 1.3 イオン結合
 1.4 金属結合
 1.5 水素結合
 1.6 ファン・デル・ワールス結合
第2章 固体の構造
 2.1 結晶格子
 2.2 点対称性
 2.3 32個の結晶群(点群)
 2.4 対称性の意味
 2.5 簡単な結晶構造
 2.6 合金の相図
 2.7 固体中の欠陥
第3章 周期構造からの回折
 3.1 回折の一般理論
 3.2 周期構造と逆格子
 3.3 周期構造に対する散乱条件
 3.4 ラウエ条件に対するブラッグの解釈
 3.5 ブリュアン・ゾーン
 3.6 構造因子
 3.7 構造解析の方法
 パネルI:種々の粒子線による回折実験
 パネルII:X線干渉計およびX線トポグラフィー
第4章 結晶中の原子の動力学
 4.1 ポテンシャル
 4.2 運動方程式
 4.3 2原子1次元鎖
 4.4 時間的に変化すす構造からの散乱―フォノン分光
 4.5 結晶の弾性的性質
 パネルIII:ラマン分光
第5章 熱的性質
 5.1 状態密度
 5.2 調和振動子の熱エネルギー
 5.3 比熱容量
 5.4 非調和効果
 5.5 熱膨張
 5.6 フォノンによる熱伝導
 パネルIV:低温での実験
第6章 固体中の「自由」電子
 6.1 無限の高さの障壁をもつ矩形井戸ポテンシャル内の自由電子ガス
 6.2 T=0Kにおけるフェルミ気体
 6.3 フェルミ統計
 6.4 金属電子の比熱容量
 6.5 フェルミ気体中の静電遮蔽―モット遷移
 6.6 金属からの熱電子放出
第7章 固体の電子バンド構造
 7.1 一般的な対称性
 7.2 ほとんど自由な電子の近似
 7.3 強く束縛された電子の近似
 7.4 バンド構造の例
 7.5 状態密度
 7.6 非晶質固体の状態密度
 パネルV:光電子放出分光
第8章 磁性
 8.1 反磁性と常磁性
 8.2 交換相互作用
 8.3 自由電子間の交換相互作用
 8.4 強磁性のバンドモデル
 8.5 バンド強磁性体の自発磁化の温度変化
 8.6 局在電子間の強磁性結合
 8.7 反強磁性
 8.8 スピン波
 パネルVI:静磁気的スピン波
 パネルVII:表面磁性
第9章 電子の運動と輸送現象
 9.1 バンドの中の電子の運動と有効質量
 9.2 バンドの中の電流と正孔
 9.3 バンドの中の電子の散乱
 9.4 ボルツマン方程式と緩和時間
 9.5 金属の電気電導度
 9.6 熱電効果
 9.7 ヴィーデマン―フランツの法則
 9.8 局在電子による電気伝導
 パネルVIII:量子振動とフェルミ面のトポロジー
第10章 超電導
 10.1 超伝導に関連した基本的な現象
 10.2 ロンドン方程式による超伝導の現象論的記述
 10.3 「フェルミ海」の不安定性とクーパー対
 10.4 BCS基底状態
 10.5 超伝導体の励起スペクトル
 10.6 BCS理論の結論よび実験結果との比較
 10.7 超伝導電流と臨界電流
 10.8 BCS基底状態のコヒーレンスとマイナスナー―オクセンフェルト効果
 10.9 磁束の量子化
 10.10 第II種超伝導体
 10.11 「高温」超伝導体
 パネルIX:超伝導接合におけう1電子トンネル効果
 パネルX:クーパー対のトンネリング―ジョセフソン効果
第11章 物質の誘電的性質
 11.1 誘電関数
 11.2 電磁波の吸収
 11.3 調和振動子の誘電関数
 11.4 縦および横のノーマルモード
 11.5 誘電体の表面波
 11.6 半無限誘電体の反射率
 11.8 局所電場
 11.9 自由電子気体
 11.10 バンド間遷移
 11.11 エキシトン
 11.12 電子の誘電エネルギー損失
 パネルXI:フォトンおよび電子分光法
 パネルXII:赤外分光法
 パネルXIII:全反射減衰分光法
第12章 半導体
 12.1 多くの重要な半導体のデータ
 12.2 真性半導体中のキャリヤ密度
 12.3 半導体のドーピング
 12.4 ドープされた半導体中のキャリヤ密度
 12.5 半導体の電気伝導度
 12.6 p-n接合と金属/半導体ショットキー接触
 12.7 半導体ヘテロ構造と超格子
 12.8 重要な半導体デバイス
 パネルXIV:ホール効果
 パネルXV:半導体中のサイクロトロン共鳴
 パネルXVI:シュブニコフード・ハース振動と量子ホール効果
 パネルXVII:半導体エピタキシー

出版社からのメッセージ

本書は、2008年12月にシュプリンガー・ジャパン株式会社より出版された同名書籍を再出版したものです。
本書は、改訂版『固体物理学 原書4版』(2022年7月刊)を刊行しています。

関連商品

定価:4,620円
(本体4,200円+税10%)
在庫:品切れ・重版未定