プロセス化学 第2版

プロセス化学 第2版

医薬品合成から製造まで
原書名 Practical Process Research & Development A guide for organic chemists Second Edition
著者名 村瀨 徳晃 監訳
発行元 丸善出版
発行年月日 2014年03月
判型 A5 210×148
ページ数 608ページ
ISBN 978-4-621-08815-9
Cコード 3047
NDCコード 499
ジャンル 化学・化学工学 >  有機化学
医学・薬学 >  薬学

内容紹介

「小分子」の合成に向けた医薬品プロセス研究開発のための、包括的な段階を追って示した手引書。著者の豊富な経験に基づき実例を多く挙げ、実践的な解決法、“コツ”を解説している。第2版では、初版から内容を全面的に刷新。とくに“安全性”、“簡便で頑健性のある製造法への改良”、“プロセスバリデーションと製造の実施”の章を新設。また、遺伝毒性不純物、生体触媒、有機金属反応なども新たに取り上げ、合成経路の選択、後処理、結晶化、結晶多形、グリーンケミストリーなどの昨今ますます重要になっているポイントは内容を充実させて解説している。 プロセスケミスト必読の書。また、有機合成化学を学ぶ大学院生にも応用を知る有用な教科書としてぜひ手にとっていただきたい書。

目次

1章 はじめに
 1.1 はじめに
 1.2 スケールアップ時に設備に関して考慮すべきことがら
 1.3 スケールアップ時に好まれる操作
 1.4 特許に関する考慮事項
 1.5 まとめと展望
2章 プロセスの安全性
 2.1 はじめに
 2.2 環境に対するハザードを有する化合物を扱うことの影響
 2.3 化合物の毒性学的なハザード
 2.4 化学反応のハザードのコントロール
 2.5 安全に関する展望 
3章 合成経路の選択
 3.1 はじめに
 3.2 グリーンケミストリーに関する考慮事項
 3.3 生物変換
 3.4 医薬品の製造に用いられた合成経路を確定するための調査
 3.5 CoGの見積もり
 3.6 まとめと展望 
4章 試薬の選択
 4.1 はじめに
 4.2 生体触媒
 4.3 強塩基
 4.4 相間移動触媒
 4.5 アミド縮合反応
 4.6 酸化反応
 4.7 還元反応
 4.8 Boc基の脱保護
5章 溶媒の選択
 5.1 はじめに
 5.2 共沸に使用する溶媒の選択
 5.3 反応速度の上昇と不純物制御のための溶媒選択
 5.4 溶媒中の不純物・溶媒の反応
 5.5 溶媒としての水
 5.6 代替溶液
 5.7 無溶媒のプロセスについて
 5.8 まとめと展望
6章 水の影響
 6.1 はじめに
 6.2 水の検出と定量
 6.3 有機反応系からの水の除去
 6.4 どこで水分をモニターしコントロールするか
 6.5 水を除去,あるいは消費する操作
 6.6 水がきわめて重要な場合の操作
 6.7 まとめと展望
7章 工程内分析,工程内管理,規格
 7.1 はじめに
 7.2 工程内分析から得られる重要な情報に対する理解
 7.3 最適化検討時に行程内分析から得る
 7.4 最適化検討時に工程内分析から得られることのできるもの
 7.5 規格
 7.6 プロセス解析工学
 7.7 まとめと展望
8章 スケールアップのための実践的な考慮事項
 8.1 はじめに
 8.2 安全性:不活性ガスによるリスクの低減
 8.3 温度制御
 8.4 不均一な系による製造と攪拌に対する考慮事項
 8.5 添加と攪拌について
 8.6 溶媒について
 8.7 簡便な操作
 8.8 工程内管理のための分析が製造に与える影響
 8.9 反応に用いる物質の揮発性に対する考察と圧力の影響
 8.10 後処理と単離を効率化するための実践的な考慮事項
 8.11 キロラボにおける操作のための補足的考察
 8.12 まとめと展望
9章 不純物を最少にするプロセスの最適化
 9.1 はじめに
 9.2 不均一系プロセスの利点と限界
 9.3 出発物質の分解を減少させることによる副生成物の減少
 9.4 pH値の制御
 9.5 添加の順序,添加時間,添加の間隔
 9.6 温度制御
 9.7 後処理中に生成する不純物の最適化
 9.8 水素化反応に影響を及ぼす要素
 9.9 統計学的な実験計画法
 9.10 反応速度論
 9.11 別の添加手順,または連続プロセス
 9.12 展望
10章 有機金属反応の最適化
 10.1 はじめに
 10.2 反応条件を改善するための化学的活性化
 10.3 副反応を最少化するための操作
 10.4 不純物の影響
 10.5 不均一系触媒反応にけるいくつかの考慮事項
 10.6 まとめと展望
11章 後処理
 11.1 はじめに
 11.2 反応の停止(クエンチ)
 11.3 抽出
 11.4 活性炭などの吸収剤を用いた処理
 11.5 不純物を除去するためのろ過
 11.6 金属塩,金属の除去
 11.7 生体触媒を用いる反応の停止とその後処理
 11.8 クロマトグラフィー
 11.9 後処理における展望
12章 結晶化と精製
 12.1 はじめに
 12.2 結晶化圧を遅くすること,および,種晶の添加
 12.3 冷却による結晶化
 12.4 濃縮による結晶化
 12.5 貧溶媒の添加による結晶化
 12.6 反応晶析
 12.7 水溶性の生成物の取扱いと単離
 12.8 結晶多形
 12.9 エナンチオメリックな結晶のプロセス
 12.10 実践的な結晶化のための指針
 12.11 展望
13章 最終生成物の形態と不純物
 13.1 はじめに
 13.2 原薬およびその最終形態の選択における物理化学的な考慮事項
 13.3 原薬に含まれる不純物について考慮すべき事項
 13.4 遺伝毒性不純物
 13.5 原薬の安定性
 13.6 展望とまとめ
14章 連続プロセス
 14.1 はじめに
 14.2 マイクロリアクターおよび小径の管型反応器によるスケールアップ
 14.3 より径の大きい管型反応器や大型の反応装置を用いた連続プロセス
 14.4 まとめと展望
15章 簡便で頑健性のある製造法への改良
 15.1 はじめに
 15.2 マスバランスの重要性
 15.3 製造法の技術移管に関する文書化
 15.4 製造法の改良に関するケーススタディ
 15.5 まとめと展望
16章 プロセスバリデーションと製造の実施
 16.1 はじめに
 16.2 製造の実施に焦点を合わせた実験室での検討
 16.3 プラントに新たなプロセスを導入する前に考慮すべき事項
 16.4 製造実施時に行うべきこと
 16.5 製造設備の洗浄と水の除去
 16.6 プロセス導入後のフォローアップ
 16.7 外部委託のマネジメント
 16.8 まとめと展望
17章 トラブルシューティング
 17.1 はじめに
 17.2 展望

出版社からのメッセージ

本書は『プロセス化学』(2008年7月刊)の改訂版です。

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