半導体・電子材料分析

半導体・電子材料分析

著者名 日本分析化学会
発行元 丸善出版
発行年月日 2013年07月
判型 A5 210×148
ページ数 328ページ
ISBN 978-4-621-08700-8
Cコード 3343
NDCコード 433
ジャンル 化学・化学工学 >  分析化学 >  試料分析講座シリーズ
化学・化学工学 >  材料化学 >  半導体
機械・金属・材料 >  材料工学

内容紹介

多くの工業製品には半導体・電子材料を用いたナノ構造デバイスが使われており、その研究開発や製造には、様々な測定対象に対する多様な分析法が用いられている。 本書はデバイスの開発、製造ラインの立ち上げ、歩留まり向上、不良解析のための形態観察、汚染元素検出、欠陥解析などに用いられる種々の分析法の原理・特徴を記述し、また応用・分析例を示す。また今後の利用が期待される分析・計測法についても同様に解説する。今後のさらなる高性能化・高機能化を進めるための新しいデバイス構造の開発や分析技術のブレークスルーに有用な内容である。

目次

1 半導体電子材料の分析
 1.1 半導体電子材料分野で用いられる分析法
 1.2 半導体電子材料分野における定量的な分析・計測と標準
2 誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)
 2.1 ICP-MSの概要
 2.2 ICP-MSの原理
  2.2.1 装置構成
  2.2.2 各種試料導入装置
 2.3 微量金属分析における留意点
  2.3.1 前処理
  2.3.2 測定
 2.4 半導体関連材料の分析例
  2.4.1 高純度硝酸中の微量金属分析
  2.4.2 シリコンバルク中の微量金属分析(ドーパント元素を例として)
3 誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES)
 3.1 ICP-AESの概要
 3.2 ICP-AESの原理
  3.2.1 ICP-AES装置の構成
  3.2.2 測定元素と感度
  3.2.3 定量法
  3.2.4 測定干渉
 3.3 ICP-AESの応用
  3.3.1 半導体用セラミックス試料の測定
  3.3.2 電気・電子機器の構成部品に含まれる特定有害物質測定(欧州RoHS)
4 二次イオン質量分析(SIMS)
 4.1 SIMSの概要
 4.2 SIMSの原理
  4.2.1 イオンと固体の反応
  4.2.2 SIMS装置
  4.2.3 SIMSの感度と検出限界,および定量方法
  4.2.4 SIMSの深さ方向分析と深さ方向分解能
  4.2.5 絶縁物の分析
 4.3 SIMSの応用
  4.3.1 Si半導体の分析
  4.3.2 Si系以外の半導体(GaAs系,InP系,窒化物系)の分析
5 蛍光X線分析(XRF)
 5.1XRFの概要
  5.1.1 XRF装置の種類
  5.1.2 測定原理
 5.2 XRFによる膜厚・組成分析
  5.2.1 標準試料の準備
  5.2.2 測定条件の決定
  5.2.3 蛍光X線の理論強度計算とファンダメンタルパラメーター法
  5.2.4 半導体製造プロセスでの分析例
 5.3 全反射蛍光X線分析(TXRF)
  5.3.1 TXRFの概要と原理
  5.3.2 励起線の種類
  5.3.3 軽元素の分析
  5.3.4 相対感度係数と定量
  5.3.5 試料の形態による強度変化
  5.3.6 最適角度
  5.3.7 回折線の回避
  5.3.8 VPD(気相分解)法
  5.3.9 点滴サーチと内標準による定量
  5.3。10 全面高速マッピング
  5.3.11 エッジ測定の要求
6 三次元アトムプローブ(APT)
 6.1 APTの概要
 6.2 APTの原理
 6.3 局所電極型アトムプローブ
 6.4 試料作製方法
 6.5 APTの応用例
  6.5.1 Si MOSFET構造中のドーパント分布
  6.5.2 FinFET中のドーパント分布
  6.5.3 high-k/メタルゲート層構造
  6.5.4 シリサイド接合
  6.5.5 量子井戸構造
  6.5.6 量子細線構造
  6.5.7 量子ドット構造
 6.6 おわりに
参考文献
7 走査電子顕微鏡(SEM)
7.1 SEMの概要
7.2 SEMの原理
7.2.1 SEMの構成
7.2.2 電子銃と対物レンズ
7.2.3 SEM観察における代表的な像形成信号
7.2.4 SEM観察における注意点
7.2.5 試料前処理
7.2.6 SEMを用いた分析
参考文献
8 測長走査電子顕微鏡(測長SEM)
8.1 測長SEMの概要
8.2 測長SEMの原理
8.2.1 電子源
8.2.2 電子光学系
8.2.3 検出器
8.2.4 ステージ
8.2.5 真空排気および試料搬送
8.2.6 測長SEMを用いた自動測長
8.2.7 その他
8.3 測長SEMの応用
8.3.1 測長精度向上
8.3.2 各種測長手法について(LER/LWR・MPPC・HARC)
8.3.3 自動測長機能向上
8.3.4 装置間マッチング・測長値マッチング・装置管理
8.4 各種基板への対応(マスク・磁気ヘッド)
参考文献
9 透過電子顕微鏡(TEM)
9.1 TEMの概要
9.2 TEMの構造と原理
9.2.1 装置構成
9.2.2 電子光学系の配置
9.2.3 電子の生成
9.2.4 電子軌道の制御
9.2.5 照射系
9.2.6 試料駆動装置
9.2.7 結像系
9.2.8 観察記録系
9.3 STEMの原理
9.3.1 電子光学系
9.4 微小領域分析手法
9.4.1 EDS
9.4.2 EELS
9.5 TEM/STEMの応用
9.5.1 半導体試料の作製
9.5.2 Si基板と結晶欠陥の観察
9.5.3 トランジスターの観察
9.5.4 配線系の観察例
9.5.5 その他の応用例
参考文献
10 走査プローブ顕微鏡(SPM)
10.1 SPMの概要
10.2 半導体断面における不純物キャリヤー濃度二次元分布評価技術
10.3 SSRMによる断面におけるキャリヤー分布評価手法
10.3.1 SSRM測定原理および回路
10.3.2 試料作製方法および測定手順
10.3.3 SSRMによる先端CMOSFETの分析事例
10.3.4 まとめ
10.4 SCM法と半導体微小領域のキャリヤー濃度分析への応用
10.4.1 SCMの原理と特徴
10.4.2 試料の断面作製方法
10.4.3 統計的アプローチによるキャリヤー濃度の求め方と評価事例
10.4.4 ワイドバンドギャップ半導体への適用
10.4.5 まとめ
参考文献
11 ラザフォード後方散乱分析(RBS)と弾性反跳検出分析(ERDA)
11.1 RBSとERDAの概要
11.2 RBSとERDAの原理
11.2.1 キネマティックスファクター
11.2.2 散乱断面積
11.2.3 阻止能
11.2.4 エネルギーストラグリング
11.2.5 装置構成
11.3 RBSとERDAの応用
11.3.1 薄膜の深さ方向組成分析――NiSi膜,SiN膜の組成分析
11.3.2 薄膜の密度の評価――DLC膜の組成,密度分析
11.3.3 単結晶基板,エピタキシャル薄膜の損傷評価――イオン注入損傷評価
11.4 HRBS/HERDAの概要
11.5 HRBS/HERDAの原理
11.5.1 散乱断面積
11.5.2 エネルギーストラグリング
11.5.3 多重散乱
11.5.4 装 置
11.6 HRBS/HERDAの応用
11.6.1 HRBSによる極浅イオン注入試料のドーパントの定量分析とSi基板損傷評価
11.6.2 HRBSによる極薄ゲート絶縁膜の深さ方向組成分析
11.6.3 HERDAによるDLC膜の深さ方向組成分析
参考文献
12 X線反射率
12.1 X線反射率の概要
12.2 X線反射率の原理
12.2.1 X線に対する屈折率
12.2.2 界面での境界条件
12.2.3 X線の反射と屈折
12.3 X線反射率データの解析
12.3.1 反射率のシミュレーション
12.3.2 膜構造モデルによる解析
12.4 測定装置と測定方法
12.4.1 測定に必要な条件
12.4.2 反射率測定装置の実際
12.4.3 測定手順
12.5 X線反射率の応用
12.5.1 バリアメタルの解析
12.5.2 極薄ゲート絶縁膜
12.5.3 低誘電率層間絶縁膜
12.5.4 有機単分子膜
参考文献
13 陽電子消滅
13.1 陽電子消滅の概要
13.2 陽電子消滅の原理
13.3 陽電子消滅の応用
13.3.1 半導体の点欠陥の検出
13.3.2 金属酸化膜の評価
13.3.3 めっきCuの評価
13.3.4 低誘電率材料の評価
参考文献
14 オージェ電子分光法(AES)とX線光電子分光法(XPS)
14.1 AESとXPSの概要
14.2 AESとXPSの原理と比較
14.3 AESとXPSの応用
14.3.1 試料調製法とデータ処理
14.3.2 分析例1(AES微小領域分析)
14.3.3 分析例2(AES深さ方向分析)
14.3.4 分析例3(AESによる三次元分析)
14.3.5 分析例4(XPS化学状態分析)
14.3.6 分析例5(ARXPS-MEM,LLSによる深さ方向分析)
14.3.7 分析例6(XPSによるバンドアライメント)
14.3.8 分析例7(UPSによる仕事関数測定)
14.4 まとめ
参考文献
索引

関連商品

定価:5,280円
(本体4,800円+税10%)
在庫:お問い合わせください