内容紹介
椅子は人が座る際に使う道具として欠かせないものであるが、芸術や人間工学の対象ともされ、さまざまなデザインが考案されている。なかでも名作椅子と呼ばれるものは、雑誌をはじめあらゆるメディアで紹介され、一般の関心も高い。しかしこれまで、そうしたメディアで紹介される際は、ファッション性重視で、極めて表層的かつ感覚的に語られることが多かった。それは椅子の正面の姿にのみ着目しているからであることが考えられる。椅子においては、むしろ背面にこそ、構造性、機能性、安定性、デザイン性に関する工夫や配慮がなされており、後ろ姿を見ることで、椅子の持つ真の機能美が理解できるといえる。本書は、名作椅子40作品について、これまで着目されることのなかった後ろ姿から、各々の魅力に迫り、解説したものである。
目次
序――私とこれまでの「うしろ姿」の視点の発見について
本書の目的および概説
●もののうしろ姿について
●なぜうしろ姿か
●だからうしろ姿
●ものの見方の再発見
名作椅子40
●本書の椅子セレクトにあたり
●名作椅子の解説にあたり
●名作椅子の解説
椅子のデザインにあたり
●本文中のスケッチと400cube×2メソッドについて
●描くにあたっての注意事項
●描き方の手順について