内容紹介
バイオマテリアルは、生化学や細胞工学、バイオロジーだけでなく、物理化学や粘弾性を含む力学などの多様な知識を含む学際領域の学問であり、先端技術を駆使する必要のある領域。 本書「バイオマテリアル」では、バイオマテリアルの発展してきた歴史に基づき、バイオマテリアル開発において、重要な、あるいはキーとなってきた考え、普遍的なポリシーについて説明していく。紆余曲折を経て、次に進められるバイオマテリアルの開発のなかで気付かされた、今後にも役立つ事柄をまとめ、いつの時代においても、手元に置いて役に立つ本を目指していく。
目次
A バイオマテリアルズ開発のための基礎知識
1 表面・界面の解析
1・1 形態観察
1・2 表面元素組成の分析
1・3 表面物性
1・4 界面電器現象
1・5 水環境下での経時観察
1・6 モデル表面
1・7 人工材料への細胞接着の解析
1・8 表面改質
2 拡散現象・ダイナミクスの解析
2・1 拡散現象
3 材料と生体との相互作用
3.1 血液と材料の相互作用
3・2 体細胞との相互作用
B バイオマテリアルズ各論
4 医療に用いられてきた材料
4・1 汎用高分子材料の医療への応用
4・2 天然高分子
4・3 高分子反応
4・4 セラミックス
4・5 金属材料
4・6 汎用教材からの選択
5 タンパク質の作製
5・1 タンパク質の生合成と機能
5・2 タンパク質工学
5・3 ペプチド工学
6 再生医療
6・1 再生医療と化学の役割
6・2 再生医療に必要なバイオマテリアル技術
6・3 再生治療アプローチ
6・4 硬組織の再生
6・5 軟組織の再生
6・6 細胞移植による糖尿病の治療
6・7 細胞表面の修飾
6・8 神経幹細胞培養基材
6・9 体への設計――スケーリング
7 ドラッグデリバリーシステム(DDS)
7・1 DDSとは
7・2 DDSの目的
7・3 DDSに必要となる材料
7・4 DDSの応用例
7・5 外部刺激を活用したDDS
7・6 コントロールド・リリースシステム
7・7 微粒子によるがん細胞
7・8 薬物/老廃物の体内動態
8 細胞工学
8・1 細胞工学の目的
8・2 細胞増殖因子等を活用した細胞工学
8・3 細胞足場材料を活用した細胞工学
8・4 細胞培養装置バイオリアクター
9 イメージング
9・1 蛍光イメージング
9・2 RIイメージング
9・3 MRイメージング