内容紹介
本書は、20世紀半ばにフランスの伝説的数学者集団ブルバキの一人でもあったサミュエルが書き下したシンブルでわかりやすい数論の書。数論に近づく多くの方法のなかから、代数的方法だけを選んでコンパクトにまとめている。予備知識としては代数学の基礎だけを前提とし、そのほかの必要な知識は最初に簡潔に説明してから本題に入るため、初学者でも読み始めやすい好著。証明は省略せず詳しく書かれており、各章ごとに練習問題もあるので自習書としても薦められる。フランス語版からの邦訳。
目次
はじめに
記号,定義,予備知識
第I章 単項イデアル環
単項イデアル環における整除
方程式 X2+Y2=Z2 と X4+Y4=Z4
イデアルに関する補題と Euler の関数
加群についての準備
単項イデアル環上の加群
体における1のべき根
有限体
練習問題
第II章 環上の整元,体上の代数的元
環上の整元
整閉環
体上の代数的元,代数拡大
2次体の整数
ノルムとトレース
判別式
数体の用語
円分体
付録 (複素体Cは代数的に閉じている)
練習問題
第III章 Noether環と Dedekind環
Noether環と加群
整元についての応用
イデアルについての準備
Dedekind環
イデアルのノルム
練習問題
第IV章 イデアル類と単数定理
Rn の離散部分群についての準備
数体の標準的埋め込み
イデアル群類の有限性
単数定理
虚2次体の単数
実2次体の単数
単数定理の一般化
付録 (体積の計算)
練習問題
第V章 拡大体における素イデアルの分解
分数環に関する準備
拡大における素イデアルの分解
判別式と分岐
2次体における素数の分解
平方剰余の相互法則
2平方和の定理
4平方和の定理
練習問題
第VI章 数体の Galois 拡大
Galois 理論
分解群と惰性群
数体の場合.Frobenius 自己同型
円分体への応用
平方剰余の相互法則の別証明
練習問題
補足
演習問題
参考文献
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