内容紹介
優れた数学者と同時に優れた数学教育者でもあったポーヤ(ハンガリー出身,1887-1985)が、スタンフォード大学で開講した講義をもとに書き下ろした英語原著版から待望の本邦初訳。 ポーヤは本書で「正しく意味があることだからと言って、後知恵を先入観にしてはならない。どんなに愚かな者でも事後に事を悟るのは容易なことである。問題を改めて見直してみよう」という心意気のもと、ケプラーやガリレオやニュートンなど歴史上の大科学者たちが成し遂げた発見の数学的解析に挑んでいる。 当時の人類が何を知っていて、何を知らなかったかを明確に分けた上で、彼ら自身が当時の数学的道具をどう使い、「いかにして問題を解いたのか」を明らかにしようとしたのが本書である。
目次
第1章 天文学の歴史から――測量と逐次近似
1.1 測量
1.2 天文学的規模の測量
1.3 逐次近似法
1.4 逐次近似法におけるニュートンの方法
第2章 静力学の歴史から
2.1 ステヴィンとアルキメデス
2.2 ベクトル
第3章 動力学の歴史から
3.1 ガリレオ
3.2 ニュートン
3.3 振り子
3.4 脱出速度
第4章 数学における物理的推論
第5章 微分方程式とその自然科学への応用
5.1 第1の例
5.2 近似式――べき級数
5.3 物理学的類似
5.4 微分方程式とは何か?