数論入門 I

数論入門 I

原書名 An Introduction to the Theory of Numbers
著者名 示野 信一
矢神 毅
発行元 丸善出版
発行年月日 2012年01月
判型 A5 210×148
ページ数 398ページ
ISBN 978-4-621-06226-5
Cコード 3041
ジャンル 数学・統計学 >  代数学
数学・統計学 >  解析学
数学・統計学 >  シリーズ数学・統計学 >  数学クラシックス

内容紹介

英国の世界的数学者G.H.ハーディとE.M.ライトが、大学で行った講義をもとに著した数論の入門書。原題 An Introduction to the Theory of Numbers。1938年にOxford University Pressから初版が出版されて以来、60年以上にわたって版を重ねてきた名著。本書はその第5版(1979年刊、最新版)からの邦訳。この第1巻では、原著の第1章から第18章までを収め、数論の初等的な話題を取り上げている。特別な予備知識や手法を必要とせず、初学者でもこの分野の面白さや魅力を十分に感じ取ることができる。英語で書かれた数論の教科書の中で最も広く普及し、多くの読者に感銘を与えてきた原著の、まさしく待望の邦訳。

目次

第1章 素数の列(1)
 1.1 整数の整除
 1.2 素数
 1.3 整数論の基本定理
 1.4 素数の列
 1.5 素数についての問題
 1.6 いくつかの記号
 1.7 対数関数
 1.8 素数定理
第2章 素数の列(2)
 2.1 ユークリッドの第2定理の証明
 2.2 ユークリッドの論法からさらに推論されること
 2.3 ある等差数列における素数
 2.4 ユークリッドの定理の第2の証明
 2.5 フェルマー数とメルセンヌ数
 2.6 ユークリッドの定理の第3の証明
 2.7 素数公式に関する他の結果
 2.8 素数に関する未解決問題
 2.9 整除の法
 2.10 整数論の基本定理の証明
 2.11 基本定理の別証明
第3章 ファレイ数列とミンコフスキーの定理
 3.1 ファレイ数列の定義ともっともかんたんな性質
 3.2 2つの特徴的な性質の同値性
 3.3 定理28と定理29の第1の証明
 3.4 定理の第2の証明
 3.5 格子
 3.6 基本格子の簡単な性質
 3.7 定理28よび定理29の第3の証明
 3.8 連続体のファレイ分割
 3.9 ミンコフスキーの定理
 3.10 ミンコフスキーの定理の証明
第4章 無理数
 4.1 概要
 4.2 無理数であることが知られている数
 4.3 ピュタゴラスの定理とその一般化
 4.4 定理43-45の証明への基本定理の利用
 4.5 歴史的な余談
 4.6 √5が無理数であることの幾何学的証明
 4.7 その他の無理数
第5章 合同と剰余
 5.1 最大公約数と最小公倍数
 5.2 合同と剰余類
 5.3 合同の基本的性質
 5.4 1次合同式
 5.5 オイラーの関数Φ(m)
 5.6 定理59と61の三角和への応用
 5.7 一般的な定理
 5.8 正17角形の作図
第6章 フェルマーの定理とその帰結
 6.1 フェルマーの定理
 6.2 2項係数の性質
 6.3 定理72の第2の証明
 6.4 定理22の証明
 6.5 平方剰余
 6.6 定理79の特別な場合:ウィルソンの定理
 6.7 平方剰余と非剰余の基本性質
 6.8 a(mod m)の位数
 6.9 フェルマーの定理の逆
 6.10 2p-1のP2による整除性
 6.11 ガウスの補題と2の2次指標
 6.12 相互法則
 6.13 相互法則の証明
 6.14 素数性の判定
 6.15 メルセンヌ数の因数,オイラーの定理
第7章 合同式の一般的性質
 7.1 合同式の根
 7.2 整多項式と恒等合同式
 7.3 mを法とする多項式の整除
 7.4 素数を法とする合同式の根
 7.5 一般的な定理の応用
 7.6 フェルマーの定理とウィルソンの定理のラグランジュによる証明
 7.7 {1/2(p-1)}!の剰余
 7.8 ウルステンホルムの定理
 7.9 フォン・シュタウトの定理
 7.10 フォン・シュタウトの定理の証明
第8章 合成数を法とする合同式
 8.1 1次合同式
 8.2 高次合同式
 8.3 素数のベキを法とする合同式
 8.4 例
 8.5 バウアーの恒等合同式
 8.6 バウアーの合同式,p=2の場合
 8.7 ロイデスドルフの定理
 8.8 バウアーの定理からさらにわかること
 8.9 2p-1と(p-1)!のp2を法とする剰余
第9章 数の小数による表現 
 9.1 与えられた数に付随した小数
 9.2 有限小数と循環小数
 9.3 他の新法における数の表現
 9.4 少数により定義される無理数
 9.5 整除性の判定
 9.6 最長の循環節をもつ少数
 9.7 バジェのおもりの問題
 9.8 ニムのゲーム
 9.9 現れない数字がある整数
 9.10 測度ゼロの場合
 9.11 現れない数字がある小数
 9.12 正規数
 9.13 ほとんどすべての数が正規であることの証明
第10章 連分数
 10.1 有限連分数
 10.2 連分数の中間近似分数
 10.3 正の商を持つ連分数
 10.4 単純連分数
 10.5 既約分数の単純連分数表示
 10.6 連分数アルゴリズムとユークリッドのアルゴリズム
 10.7 連分数とその中間近似分数の差
 10.8 無限単純連分数
 10.9 無理数の無限連分数表示
 10.10 補題
 10.11 対等な数
 10.12 循環連分数
 10.13 いくつかの特別な2次根数
 10.14 フィボナッチ数列とリュカ数列
 10.15 中間近似分数による近似
第11章 無理数の有理数による近似
 11.1 問題提起
 11.2 問題に関する概論
 11.3 ディリクレの議論
 11.4 近似の位数
 11.5 代数的数と超越数
 11.6 超越数の存在
 11.7 リューヴィルの定理と超越数の構成
 11.8 任意の無理数に対する最良近似の限界
 11.9 連分数の中間近似分数に関するもう1つの定理
 11.10 有界な商を持つ連分数
 11.11 近似に関するより進んだ定理
 11.12 同時近似
 11.13 eの超越性
 11.14 πの超越性
第12章 k(1),k(i),k(ρ) における整数論の基本定理
 12.1 代数的数と代数的整数
 12.2 有理整数,ガウス整数,k(p)の整数
 12.3 ユークリッドのアルゴリズム
 12.4 k(1)における基本定理へのユークリッドのアルゴリズムの応用
 12.5 ユークリッドのアルゴリズムと基本定理への歴史的注意
 12.6 ガウス整数の性質
 12.7 k(i)の素数
 12.8 k(i)における整数論の基本定理
 12.9 k(p)の整数
第13章 ディオファントス方程式
 13.1 フェルマーの最終定理
 13.2 方程式x2+y2=z2
 13.3 方程式x4+y4=z4
 13.4 方程式x3+y3=z3
 13.5 方程式x3+y3=3z3
 13.6 有理数を有理数の3乗の和で表すこと
 13.7 方程式x3+y3+z3=t3
第14章 2次体(1)
 14.1 代数体
 14.2 代数的数と代数的整数,原子多項式
 14.3 一般の2次体k(√m)
 14.4 単数と素数
 14.5 k(√2)の単数
 14.6 基本定理が成り立たない体
 14.7 虚ユークリッド体
 14.8 実ユークリッド体
 14.9 実ユークリッド体(続き)
第15章 2次体(2)
 15.1 k(i)の素数
 15.2 k(i)におけるフェルマーの定理
 15.3 k(p)の素数
 15.4 k(√2)とk(√5)の素数
 15.5 リュカによるメルセンヌ数M4n+3の素数判定
 15.6 2次体の整数論についての一般的注意
 15.7 2次体のイデアル
 15.8 他の体
第16章 数論的関数φ(n),μ(n),d(n),σ(n),r(n)
 16.1 関数φ(n)
 16.2 定理63の別証明
 16.3 メービウス関数
 16.4 メービウスの反転公式
 16.5 別の反転公式
 16.6 ラマヌジャンの和の評価
 16.7 関数d(n)とσk(n)
 16.8 完全数
 16.9 関数r(n)
 16.10 r(n)に対する公式の表明
第17章 数論的関数の母関数
 17.1 ディリクレ級数による数論的関数の生成
 17.2 ゼータ関数
 17.3 ζ(s)のs→1のときの挙動
 17.4 ディリクレ級数の積
 17.5 いくつかの特別な数論的関数の母関数
 17.6 メービウスの公式の解析的解釈
 17.7 関数Λ(n)
 17.8 その他の母関数の例
 17.9 r(n)の母関数
 17.10 別の種類の母関数
第18章 数論的関数の大きさの位数
 18.1 d(n)の位数
 18.2 d(n)の平均位数
 18.3 σ(n)の位数
 18.4 Φ(n)の位数
 18.5 Φ(n)の平均位数
 18.6 無平方数の個数
 18.7 r(n)の位数

出版社からのメッセージ

本書は改訂版『数論入門I 原書6版』(2022年4月刊)を刊行しています。
本書は、2001年7月にシュプリンガー・ジャパン株式会社より出版された同名書籍を再出版したものです。

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