マルコフ連鎖から格子確率モデルへ

マルコフ連鎖から格子確率モデルへ

現代確率論の基礎と応用
原書名 Classical and Spatial Stochastic Processes
著者名 今野 紀雄
林 俊一
発行元 丸善出版
発行年月日 2012年01月
判型 A5 210×148
ページ数 272ページ
ISBN 978-4-621-06233-3
Cコード 3041
ジャンル 数学・統計学 >  確率・統計

内容紹介

本書は確率過程論の入門書であり、さらに生物学、工学、数学、物理学を学ぶ広範囲な学生を意識して、最も古典的な確率モデルから、現在多くの研究対象となっている空間構造の入った格子上のモデルまでを解説する。本書の前半では、離散時間のマルコフ連鎖(第I章,第II章)、連続時間のマルコフ連鎖(第III章)を扱う。取り上げられるテーマは再帰性、非再帰性、ランダム・ウォーク、出生死亡連鎖、破産問題、分枝過程などで、また第I章では、本書で頻繁に用いられる重要な手法であるカップリングの手法を紹介する。本書の後半では、空間構造の入った確率過程を扱う。一般に空間構造の入った確率過程は解析するのが難しいが、本書ではパーコレーション、セルオートマトン、分枝ランダム・ウォーク、ツリー上のコンタクト・プロセスといった興味深いモデルを取り上げ、初等的な手法で解析できる性質について説明する。

目次

第I章 離散時間マルコフ連鎖
 I.1 3つの基本的な例
 I.2 状態の分類
 I.3 有限マルコフ連鎖
 I.4 出生死亡連鎖 
 I.5 カップリングの例
 I.6 破産するまでの時間
 I.7 マルチンゲールの吸収確率
 I.8 ランダム・ウォーク
 I.9 ゴルトン-ワトソン分枝過程
 I.10 定理I2.1の証明
 I.11 定理II.2.2の証明
 I.12 定理III.9.1の証明
第II章 マルコフ連鎖の定常分布
 II.1 定常分布の存在
 II.2 可逆測度  
 II.3 定常分布への収束
 II.4 状態空間S が有限の場合 
 II.5 命題II.1.2の証明
 II.6 命題II.1.3の証明
 II.7 定理II.3.1および定理II.4.2の証明
第III章 連続時間の出生死亡連鎖
 III.1 指数分布
 III.2 連続時間の出生死亡連鎖の構成とその性質
 III.3 推移確率の極限
 III.4 状態の分類   
 III.5 ポアソン過程
 III.6 移行時間 
 III.7 マルコフ過程でない待ち行列
 III.8 定理III.3.1の証明
 III.9 定理III.5.1の証明
 III.10 定理III.5.2の証明
第IV章 パーコレーション
 IV.1 Zd上のパーコレーション
 IV.2 Zd上のパーコレーションの諸性質
 IV.3 ツリー上のパーコレーションと2つの臨界指数
第V章 セルオートマトン
 V.1 モデルの説明
 V.2 繰り込みの手法
第VI章 連続時間の分枝ランダム・ウォーク
 VI.1 連続時間ゴルトン‐ワトソン確率過程
 VI.2 連続時間の分枝ランダム・ウォーク  
 VI.3 第1相転移は連続である
 VI.4 第2相転移は不連続である
 VI.5 定理VI.2.1の証明
第VII章 一様なツリー上のコンタクト・プロセス  
 VII.1 2つの相転移
 VII.2 第1相転移の特徴づけ  
 VII.3 コンタクト・プロセスのグラフによる構成
 VII.4 補題と定理の証明
 VII.5 未解決問題
補遺 可算空間上の確率に関する諸事項   
 1.確率空間
 2.独立性
 3.離散確率変数

出版社からのメッセージ

本書は、2001年12月にシュプリンガー・ジャパン株式会社より出版された同名書籍を再出版したものです。
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