内容紹介
ウェーブレットの基礎理論の開拓者のうちの一人である著者が書いた本書は、この理論の基本的な教科書として世界的に名高い。セミナーや大学院のテキストとしてはもちろん、研究者、応用を目指す人にも薦められる。 信号解析で重要な手法であるウェーブレット理論について、その第一人者による講義ノート。本書は数学の一研究分野として定着したウェーブレット理論を、理工系の学生が学ぶための待望の入門書。画像や音声などの信号解析に使われる重要な手法について、数学的に完備した議論と、それが応用にとってどのように役立つかの両方をきっちり解説。参考文献も豊富に紹介されており、さらに進んで学びたい人のための指針を示す。
目次
第1章 ウェーブレットとは
1.1 時間―周波数の局在化
1.2 ウェーブレット変換:窓フーリエ変換との類似点と相違点
1.3 ウェーブレット変換の種類
第2章 連続ウェーブレット変換
2.1 帯域制限関数とShannonの定理
2.2 再生核ヒルベルト空間としての帯域制限関数
2.3 帯域制限と時間制限
2.4 連続ウェーブレット変換
2.5 連続ウェーブレット変換の基礎となる再生核ヒルベルト空間
2.6 高次元連続ウェーブレット変換
2.7 連続窓フーリエ変換との比較
2.8 有用な作用素を作る道具としての連続変換
2.9 数学的ズームとしての連続ウェーブレット変換:局所的滑らかさの特徴づけ
第3章 離散ウェーブレット変換:フレーム
3.1 ウェーブレット変換の離散化
3.2 フレームに関する一般論
3.3 ウェーブレットのフレーム
3.4 窓フーリエ変換のフレーム
3.5 時間―周波数局在性
3.6 フレームの冗長性:そこから何が得られるのか?
3.7 いくつかの注意
第4章 時間―周波数密度と正規直交基底
4.1 ウェーブレットと窓フーリエフレームにおける時間―周波数密度の役割
4.2 正規直交基底
第5章 ウェーブレットの正規直交基底と多重解像度解析
5.1 基本的な考え方
5.2 多重解像度解析による正規直交ウェーブレットの例
5.3 正規直交条件の緩和
5.4 例:Battle-Lemarie族
5.5 正規直交ウェーブレット基底の正則性
5.6 サブバンドフィルタとの関係
第6章 コンパクトサポートをもつウェーブレットの正規直交基底
6.1 m0の構成
6.2 正規直交ウェーブレット基底との対応
6.3 正規直交性に関する必要十分条件
6.4 正規直交基底をなすコンパクトサポートなウェーブレットの例
6.5 カスケードアルゴリズム:部分分割細分スキームとの関係
第7章 コンパクトサポートなウェーブレットの正則性
7.1 フーリエに基づく手法
7.2 直接法
7.3 より正則性の高いコンパクトサポートウェーブレット
7.4 正則性か消滅モーメントか?
第8章 コンパクトサポートをもつウェーブレット基底の対称性
8.1 コンパクトサポートをもつ正規直交ウェーブレットにおける対称性の欠如
8.2 コイフレット(Coiflets)
8.3 対称双直交ウェーブレット基底
第9章 ウェーブレットによる関数空間の特徴づけ
9.1 ウェーブレットLp(R)(1<p<∞)での無条件基底
9.2 ウェーブレットによる関数空間の特徴づけ
9.3 L1([0,1])におけるウェーブレット
9.4 ウェーブレット展開とフーリエ級数の対称的な挙動について
第10章 正規直交ウェーブレット基底の一般化
10.1 伸張因子2での多次元ウェーブレット基底
10.2 2より大きい整数伸張因子をもつ1次元正規直交ウェーブレット基底
10.3 伸張行列をもつ多次元ウェーブレット基底
10.4 非整数伸張因子をもつ1次元正規直交ウェーブレット基底
10.5 周波数解像度の向上:分割技法(splitting trick)
10.6 ウェーブレットパケット基底
10.7 区間上のウェーブレット基底
出版社からのメッセージ
本書は、2003年11月にシュプリンガー・ジャパン株式会社より出版された同名書籍を再出版したものです。
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本書は、少部数印刷にて重版が可能です。
在庫僅少の場合でもご注文いただけますので、お問い合わせください。
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