確率過程-オルフス大学講義録

確率過程-オルフス大学講義録

原書名 Stochastic Processes Lectures given at Aarhus University
著者名 伊藤 清
Ole E. Barndorff-Nielsen
佐藤 健一
佐藤 由身子
発行元 丸善出版
発行年月日 2012年01月
判型 A5 210×148
ページ数 298ページ
ISBN 978-4-621-06182-4
Cコード 3041
ジャンル 数学・統計学 >  確率・統計 >  確率論
数学・統計学 >  シリーズ数学・統計学 >  数学クラシックス

内容紹介

本書は数学者の伊藤清がデンマーク王国のオルフス大学でおこなった講義をもとに編集。確率過程の理論への加法過程(独立増分を持つ確率過程)とマルコフ過程に重きを置いた丁寧な入門書。伊藤の理論がヨーロッパの若い世代に広まる最初のきっかけともなったこの歴史的名講義は1969年に謄写版印刷で出版されたものの、長く入手困難になっていた。近年になってO.E.バルンドルフ―ニールセンと佐藤健一がこの講義録を編集し、脚注や索引を補い読みやすく形を整えたのが本書の原書。本書のスタイルは網羅的ではなくいわば重点的で、伊藤が教師として学生に本当に理解してもらいたいと思っていることを厳密に説明。準備の章には特に多くの演習問題がつけられ、学生の理論的理解を助ける配慮。マルコフ過程では図も描いて例を扱っており、伊藤が黒板で説明している様子が彷彿される。

目次

第0章 準備
 0.1 独立性
 0.2 中心値と散布度
 0.3 独立確率変数の中心化した和
 0.4 無限分解可能分布
 0.5 無限分解可能分布の連続性と不連続性
 0.6 条件付確率と期待値
 0.7 マルチンゲール
第1章 加法過程(独立増分を持つ確率過程)
 1.1 定義
 1.2 加法過程の分解
 1.3 確率連続な加法過程のレヴィ変形
 1.4 基本的なレヴィ過程
 1.5 基本補題
 1.6 レヴィ過程の見本関数の構造(a)跳びの数
 1.7 レヴィ過程の見本関数の構造(b)レヴィの分解定理
 1.8 レヴィ過程の3成分
 1.9 ランダム点測度
 1.10 一様加法過程と一様レヴィ過程
 1.11 増加見本関数を持つレヴィ過程
 1.12 安定過程
第2章 マルコフ過程
 2.1 コンパクト距離付け可能空間の上の推移確率と推移作用素
 2.2 ヒレ―吉田の半群の理論の概略
 2.3 推移半群
 2.4 道の確率法則
 2.5 マルコフ性
 2.6 σ加法族β,βt,β(S)
 2.7 強マルコフ性
 2.8 停止時刻の合成
 2.9 コルモゴルフ型の不等式とその応用
 2.10 閉集合への到達時刻
 2.11 ディンキンの公式
 2.12 広い意味のマルコフ過程
 2.13 例 
 2.14 加算状態空間のマルコフ過程
 2.15 細位相
 2.16 広い意味の生成作用素
 2.17 カッツ半群とその逆正弦法則への応用
 2.18 マルコフ過程とポテンシャル論
 2.19 ブラウン運動とディリクレ問題

出版社からのメッセージ

本書は、2009年5月にシュプリンガー・ジャパン株式会社より出版された同名書籍を再出版したものです。

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定価:4,400円
(本体4,000円+税10%)
在庫:品切れ・重版未定