内容紹介
粉体に関する研究は鉄鋼材料、食品、トナー、二次電池、土砂、薬品などのさまざまな分野で行われている。コンピュータ性能の大幅な向上により、大学、研究機関、企業などにおいて、粉体の数値シミュレーションを産業に応用しようという動きが盛んになってきている。 粉体の数値シミュレーションには、離散要素法とよばれる手法が広く使われる。近年では、離散要素法と流体解析を連成して、固相と気相もしくは、固相と液相が混合した複雑な体系を模擬するための数値解析手法も開発されている。 本書では、離散要素法の概要やその並列計算手法、固体・流体連成問題の数値解法など、粉体の数値シミュレーションの基礎から最先端の研究内容まで詳しく説明した。粉体シミュレーションに関わる大学生や技術者、研究者にとっては待望の一冊と言える。
目次
1 粉体シミュレーション
1.1 はじめに
1.2 粉体と流体の違い
1.3 数値解析手法
1.4 シミュレーションの応用
1.5 なぜDEMなのか?
1.6 おわりに
2 離散要素法の基礎
2.1 はじめに
2.2 基礎式
2.3 DEM
2.4 隣接粒子探索の効率化
2.5 安定解析
2.6 アルゴリズム
2.7 DEMにおけるばね定数の設定方法
2.8 おわりに
3 数値流体力学の基礎
3.1 はじめに
3.2 流体の基礎式
3.3 アルゴリズムの概要
3.4 離散化
3.5 境界条件
3.6 数値解析の安定条件
3.7 おわりに
4 数値計算の基礎
4.1 はじめに
4.2 時間差分スキーム
4.3 行列解法
4.4 おわりに
5 並列計算
5.1 はじめに
5.2 計算機用プロセッサの歴史
5.3 マルチコア環境における並列計算の基礎
5.4 粉体シミュレーションの並列化
5.5 おわりに
6 固気二相流の数値解析
6.1 はじめに
6.2 基礎式
6.3 アルゴリズム
6.4 数値解析例
6.5 おわりに
7 固液混相流の数値解析
7.1 はじめに
7.2 MPS法
7.3 固液二相流の基礎式
7.4 アルゴリズム
7.5 DEM‐MPS法を用いた数値解析例
7.6 おわりに
8 埋込境界法を用いた固体–流体連成問題
8.1 はじめに
8.2 基礎式
8.3 DEM‐DNS法
8.4 数値実験
8.5 おわりに
9 粉末成形体の構造解析
9.1 はじめに
9.2 粉末成形体の数値解析の重要性
9.3 FD‐PMの概要
9.4 数値解析
9.5 計算結果
9.6 おわりに
9.7 付録