内容紹介
本書は、電磁気学の歴史的発展を丁寧にたどり、力学とのつながりを強調した初学者向けの教科書である。力学とのつながりを明らかにすることによって、力学から物理学を学んだ人がつまずきやすいポイントである電場や磁場など電磁気学に特有の「場」の概念を、力学の知識から飛躍することなく理解できるよう配慮されている。また、図を多く用いることによって、目に見えない電磁現象を視覚的に理解し、物理的直観を養えるように構成されている。 多くの例題によって、電磁気学の基本法則が実際の問題にどのように適用されるかを丁寧に解説しているのも本書の特色の一つ。
目次
1 3次元空間のベクトル
1.1 ベクトルとその成分
1.2 スカラー積とベクトル積
1.3 ベクトル解析
1.4 ベクトルの積分
2 電荷に働く力
2.1 電荷の測定
2.2 電位と静電ポテンシャル
2.4 等ポテンシャル面と電気力線
2.5 鏡像法
3 静電場の方程式
3.1 ガウスの法則
3.2 ガウスの法則の適用
3.3 導体間の容量
4 誘電体中の電場
4.1 誘電体とは
4.2 誘電分極
4.3 誘電分極の発散
4.4 誘電体表面での境界条件
5 定常電流にともなう磁場
5.1 磁場の発生
5.2 ビオ‐サーバルの法則
5.3 電流がつくる静磁場
5.4 磁束密度の発散
5.5 磁束密度に対するスカラーポテンシャル
5.6 ベクトルポテンシャル
6 電磁誘導とマクスウェルの方程式
6.1 電磁誘導の法則
6.2 自己誘導と相互誘導
6.3 変位電流とマクスウェルの方程式
6.4 マクスウェルの方程式
6.5 おわりに