生存時間解析

生存時間解析

原書名 Survival Analysis
著者名 打波 守
発行元 丸善出版
発行年月日 2012年01月
判型 B5変
ページ数 552ページ
ISBN 978-4-621-06188-6
Cコード 3041
ジャンル 数学・統計学 >  確率・統計

内容紹介

医薬学、生物学、公衆衛生、疫学などの分野では、生物やウィルスの死亡・消滅までの時間や、ある病気の進展・再発までの時間などのデータ(生存時間データ)をもとにして、確率分布を推測したり、その分布を特徴付ける種々の量を推定する「生存時間解析」が実践的に用いられている。さらには工学的な現象や社会現象のデータも同様に解析することによって、工学、経済学、人口統計学など科学の様々な分野で活発に応用がなされている。本書では生存時間データを実際に統計解析できるようになり、その解析結果を正しく理解し、臨床的に正しく応用できるようになることが目指されている。回帰モデル、競合リスクに対するモデル、カプラン―マイヤー推定量、ネルソン―アーレン推定量、乗法的比例ハザード回帰モデル、加法的比例ハザード回帰モデルなどが豊富な実例を用いて解説されているので、初学者でもスムーズに読み進めていくことができる。

目次

第1章 生存時間データの実例
 1.1 はじめに
 1.2 急性白血病の臨床試験からの寛解持続時間
 1.3 白血病に対する骨髄移植
 1.4 腎透析治療患者について感染までの時間
 1.5 乳癌の臨床試験に対しての死亡までの生存時間
 1.6 やけど患者に対して感染症にかかるまでの時間
 1.7 腎臓移植患者の死亡までの生存時間
 1.8 弾性の咽頭癌に対し塩生するまでの生存時間
 1.9 自己骨髄,同種骨髄を移植した患者
 1.10 ホジキンリンパ腫疾患,非ホジキンリンパ腫疾患に対する骨髄移植
 1.11 舌癌の患者に対する死亡までの生存時間
 1.12 性感染症の患者に対する再感染までの時間
 1.13 幼い子供が肺炎で入院するまでの時間
 1.14 母乳育ちの新生児が離乳するまでの時間
 1.15 精神疾患患者が死亡するまでの時間
 1.16 退職者コミュニティーに住む年配男性が死亡するまでの生存時間
 1.17 マリファナを初めて使用するまでの時間
 1.18 乳癌患者に対して美容面の悪化までの時間
 1.19 エイズ(AIDS)発症までの時間  
第2章 基本量とモデル
 2.1 はじめに
 2.2 生存関数
 2.3 ハザード関数
 2.4 平均余命関数とメディアン寿命
 2.5 生存時間データに対し共通のパラメトリックモデル
 2.6 生存時間データに対する回帰モデル
 2.7 競合リスクに対するモデル
 2.8 練習問題
第3章 打ち切りと切断
 3.1 はじめに
 3.2 右側打ち切り
 3.3 左側打ち切り,区間打ち切り
 3.4 切断
 3.5 打ち切りや切断されたデータに対する尤度の作成
 3.6 計測過程
 3.7 練習問題
第4章 右側打ち切りと左側切断されたデータに対する基本量のノンパラメトリック推定
 4.1 はじめに
 4.2 右側打ち切りされたデータに対して,生存関数と累積ハザード関数の推定量
 4.3 生存関数に対する点ごとの信頼区間
 4.4 生存関数に関する信頼バンド
 4.5 平均生存時間,メディアン生存時間の点推定と区間推定
 4.6 左側切断,右側打ち切りされたデータに対する生存関数の推定量
 4.7 競合リスクに対する要約生存曲線
 4.8 練習問題
第5章 その他のサンプリング法に対する基本量の推定
 5.1 はじめに
 5.2 左側打ち切り,2重打ち切り,区間打ち切りなどに対する生存関数の推定
 5.3 右側切断されたデータに対する生存関数の推定
 5.4 コーホート生命表においての生存基本量の推定
 5.5 練習問題
第6章 1変量推定でのトピックス
 6.1 はじめに
 6.2 ハザード関数の推定
 6.3 過剰死亡率の推定
 6.4 ベイズ統計にもとづくノンパラメトリックな方法
 6.5 練習問題
第7章 仮説検定
 7.1 はじめに
 7.2 1‐標本検定
 7.3 2つ以上の標本に対する検定
 7.4 傾向の検定
 7.5 層別化した検定
 7.6 レニイタイプの検定
 7.7 その他の2‐標本検定
 7.8 ある固定した時間データ点での結果の違いにもとづく検定
 7.9 練習問題
第8章 時間的に一定の共変量をもつ半パラメトリック比例ハザードの回帰
 8.1 はじめに
 8.2 共変量のコード化
 8.3 相異なるイベント発生が存在するときの部分尤度
 8.4 重複した時間でのイベント発生が存在するときの部分尤度
 8.5 局所的検定
 8.6 連続共変量の分離化
 8.7 比例ハザードモデルを使ったモデル作成
 8.8 生存関数の推定
 8.9 練習問題
第9章 半パラメトリック比例ハザードモデルの細分化
 9.1 はじめに
 9.2 時間に依存した共変量
 9.3 層別化した比例ハザードモデル
 9.4 左側切断
 9.5 時間変化する効果の総合(多重状態のモデル化)
 9.6 練習問題
第10章 加法的ハザード回帰モデル
 10.1 はじめに
 10.2 アーレンのノンパラメトリック加法的ハザードモデル
 10.3 Lin-Yingの加法的ハザードモデル
 10.4 練習問題
第11章 回帰診断
 11.1 はじめに
 11.2 コックスモデルの適合性を評価するためのコックス‐スネル残差
 11.3 共変量の関数形の決定:マルチンゲール残差
 11.4 比例ハザードの仮定についてグラフによるチェック
 11.5 最大対数尤度比残差
 11.6 個々の観測が及ぼす影響についてのチェック
 11.7 練習問題 
第12章 パラメトリック回帰モデルに対する推測
 12.1 はじめに
 12.2 ワイブル分布
 12.3 対数ロジスティック分布
 12.4 その他のパラメトリックモデル
 12.5 パラメトリックモデルに対する診断法
 12.6 練習問題
第13章 多変量生存時間解析
 13.1 はじめに
 13.2 関連に対するスコア検定
 13.3 ガンマ過失モデルに対する推定
 13.4 多変量生存時間に対する周辺分布モデル
 13.5 練習問題
付録A 最大値をとるための数値計算手法
 A.1 1変量の場合の方法
 A.2 多変量の場合の方法
付録B 尤度理論にもとづく大標本検定
付録C 統計表
付録D 137人の骨髄移植患者についてのデータ
付録E 精選した練習問題への解答

出版社からのメッセージ

本書は、2009年11月にシュプリンガー・ジャパン株式会社より出版された同名書籍を再出版したものです。

定価:6,380円
(本体5,800円+税10%)
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