内容紹介
本書は統計ソフト「R」や「S-PLUS」をつかって多変量解析を実行するための手引き書。しかし単なる手引き書ではなく、各技法の背景にある多変量解析の理論についても必要に応じて知識を補強できる構成となっている点に特長。読者は本書の随所に設けられたコラムを自由に選択して読むことにより、多変量解析の理論について自分のペースで理解を深めることができる。本書には医学・理工学・経済学・人文科学の各分野で必要とされる多変量解析の主な手法がほぼ網羅的にとりあげられている。特に多変量のデータを対象にグラフィックスを通してデータの特徴を発見し、そのデータにさらに各種解析技法を適用する一連の手法が詳しく述べられている。本書での解析に使われる関数はすべてフリーで入手可能な統計ソフト「R」にパッケージで備わっている。初学者のためにRの操作に必要な基本知識も巻末の補遺で解説。
目次
第1章 多変量データと多変量解析
1.1 序
1.2 データのタイプ
1.3 多変量データの要約統計量
1.4 多変量正規分布
1.5 多変量解析の目的
1.6 まとめ
第2章 多変量データとグラフィックス表現
2.1 序
2.2 散布図とその応用
2.3 2変量密度の推定
2.4 散布図に別の変数を加える方法
2.5 散布図行列
2.6 3次元プロット
2.7 条件付きプロットとトレリスグラフィックス
2.8 まとめ
第3章 主成分分析
3.1 序
3.2 主成分の代数的原理
3.3 主成分分析の実例:米国都市の大気汚染
3.4 まとめ
第4章 探索的因子分析
4.1 序
4.2 因子分析モデル
4.3 因子の数の推定
4.4 因子分析の簡単な実例
4.5 因子の回転
4.6 因子得点の推定
4.7 探索的因子分析の二つの実例
4.8 因子分析と主成分分析の比較
4.9 確証的因子分析
4.10 まとめ
第5章 多次元尺度構成法と対応分析
5.1 序
5.2 多次元尺度構成法(MDS)
5.3 対応分析
5.4 まとめ
第6章 クラスター分析
6.1 序
6.2 凝集型階層的クラスター分析
6.3 k-平均法
6.4 モデルに基づくクラスター分析
6.5 まとめ
第7章 多群多変量データ:多変量分散分析と判別分析
7.1 序
7.2 2群の場合:ホテリングのT2検定とフィッシャーの線形判別分析
7.3 3群以上の場合、多変量分散分析(MANOVA)と分類関数
7.4 まとめ
第8章 重回帰分析と正準相関分析
8.1 序
8.2 重回帰分析
8.3 正準相関分析
8.4 まとめ
第9章 反復測定データの分析
9.1 序
9.2 反復測定データのための線形混合効果モデル
9.3 経時測定データにおける脱落
9.4 まとめ
補遺 RとS-PLUSの備忘録
1.基本的なコマンド
2.ベクトル
3.行列
4.論理式
5.リストオブジェクト
6.データフレーム
出版社からのメッセージ
本書は、2007年6月にシュプリンガー・ジャパン株式会社より出版された同名書籍を再出版したものです。