原子力発電システムのリスク評価と安全解析

原子力発電システムのリスク評価と安全解析

原書名 Risk and Safety Analysis of Nuclear Systems
著者名 西原 英晃 監訳
杉本 純
村松 健
発行元 丸善出版
発行年月日 2013年06月
判型 A5 210×148
ページ数 586ページ
ISBN 978-4-621-08631-5
Cコード 3053
NDCコード 543
ジャンル 電気・電子・情報工学 >  電気 >  電力・システム

内容紹介

原子力に関わる事故は時間・空間にわたり大きな影響を及ぼす。原子力発電の継続か否かに拘らず今日ほど原子力発電に関する正しい知識が必要とされている時代はない。 本書は、原子力発電施設の安全性・信頼性の向上に必須の知識であるPRA(確率論的リスク評価)と決定論的安全解析について丁寧に解説し、それらをスリーマイル、チェルノブイリ、福島をはじめとする原子力発電所の重大事故に適用し詳細に分析、さらに先進原子力エネルギーシステムの信頼性評価とシステム診断のための動的確率論手法について解説したもの。最も厳しいといわれる米国の規制・コードに基づき記述されており、それらの背景・適用を理解する上でも最適な教科書となっている。

目次

1 工学システムのリスクと安全性
 1.1 リスク,その認知と受容
 1.2 リスクと安全解析の概要
 1.3 二つの歴史的原子炉事故
 1.4 リスクの定義
 1.5 信頼性,可用性,保全性,安全性
 1.6 本書の構成
2 事象の確率
 2.1 事象
 2.2 イベントツリー解析と最小カットセット
 2.3 確率
 2.4 時間に依存しない確率と時間に依存する確率
 2.5 時間に依存しない確率
 2.6 正規分布
 2.7 信頼度関数
 2.8 時間に依存する確率分布
 2.9 極値の確率分布
 2.10 故障解析のための確率モデル
3 信頼性データ
 3.1 推定論
 3.2 ベイズ法によるデータの更新
 3.3 中心極限定理と仮説検定
 3.4 信頼性の定量化
4 複合系の信頼性
 4.1 直列系とアクティブな並列系
 4.2 待機要素を備えたシステム
 4.3 分解解析法
 4.4 シグナルフローグラフによる解析
 4.5 カットセット解析
5 修復のあるシステムの可用性および信頼性
 5.1 はじめに
 5.2 マルコフ手法
 5.3 可用性解析
 5.4 信頼性解析
 5.5 マルコフモデルのさらなる利用方法
6 確率論的リスク評価
 6.1 故障モード
 6.2 故障事象の分類
 6.3 故障データ
 6.4 故障とその影響の結合
 6.5 フォールトツリーの構築
 6.6 マスターロジックダイアグラム
 6.7 不確実さと重要度の解析
7 PRAのための計算プログラム
 7.1 SAPHIREコードのフォールトツリー
 7.2 SAPHIREコードによるフォールトツリーとイベントツリーの評価
 7.3 SAPHIREコードのその他の特徴
 7.4 その他のPRAコード
 7.5 二分決定図のアルゴリズム
8 原子力発電所の安全解析
 8.1 原子力発電所の光学的安全施設
 8.2 事故分類と一般設計目標
 8.3 設計基準事故:大破断LOCA
 8.4 シビアアクシデント(クラス9)
 8.5 スクラム失敗を伴う異常な過渡事象
 8.6 放射線源と大気拡散
 8.7 放射線被ばくの生物学的影響
9 原子力発電所の主な事故と事象
 9.1 スリーマイル島2号機の事故
 9.2 PWRにおける原子炉圧力容器内事故の進展
 9.3 チェルノブイリ事故
 9.4 福島発電所事故
 9.5 セーラム発電所のスクラム失敗事象
 9.6 ラサール発電所の遷移事象
 9.7 デービス‐ベッセ炉の潜在的LOCA事象
10 原子力発電所のPRA研究
 10.1 WASH‐1400原子炉安全研究
 10.2 シビアアクシデントリスクの評価:NUREG-1150
 10.3 NUREG-1150の構造における単純化PRA
11 受動的安全性を備えた先進原子力エネルギーシステム
 11.1 EBR‐IIにおける受動的安全性の実証実験
 11.2 第3+世代原子力発電所の安全性
 11.3 第4世代の原子力発電所 
12 リスク情報を活用した規制と信頼性を重視した保全
 12.1 原子力発電所規制のためのリスク指標
 12.2 信頼性重視保全
13 動的イベントツリー解析
 13.1 動的イベントツリー解析の基本的特徴
 13.2 連続的イベントツリーの定式化
 13.3 パラメータ推定のためのセル写像法
 13.4 機器劣化の診断
付録A 原子炉の放射線と線源
 A.1 核分裂生成物の蓄積量と崩壊熱
 A.2 放射線被ばくによる健康影響 
付録B 幾つかの特殊関数
 B.1 ガンマ関数
 B.2 誤差関数
付録C 故障率データ例
付録D 線形カルマンフィルターのアルゴリズム   

定価:19,800円
(本体18,000円+税10%)
在庫:絶版