第9巻 精神科医療

第9巻 精神科医療

著者名 中谷 陽二 責任編集
岡田 幸之 責任編集
発行元 丸善出版
発行年月日 2013年05月
判型 A5 210×148
ページ数 252ページ
ISBN 978-4-621-08486-1
Cコード 3347
ジャンル 医学・薬学 >  医学一般 >  医療倫理
医学・薬学 >  シリーズ医学・薬学 >  シリーズ生命倫理学 全20巻

内容紹介

精神疾患の原因究明と治療開発は人間という存在を生物・心理・社会という多次元において対象とするものであり、倫理に関わる問題も複雑である。本巻は精神医学分野が伝統的に倫理問題への関心が薄かったといわれる理由、また精神医学の濫用の実例として、ナチス・ドイツや旧ソビエト連邦の歴史とともに、現代の精神科医療が直面する多様な倫理的課題などを取り上げ、日本の一般精神科医療の現状を、臨床と研究におけるインフォームド・コンセントと守秘義務、強制治療と人権、再審の神経科学を応用した治療の可能性と限界といった多方面から提示し、専門家への実践的指針ばかりでなく一般読者にも資する内容を目指した。さまざまな論者の観点から今後の精神科医療の在り方を検討する。

目次

第1章 精神科治療法の歴史と倫理――精神医学の濫用
 1 歴史的指摘
 2 現在に続く問題
 3 なぜ精神医学は濫用されるのか
第2章 精神科医療の法規制と倫理
 1 精神科医療における倫理とは
 2 精神衛生法から精神保健福祉法への推移
 3 非告知投与ないし強制的治療
 4 その他の法規制
第3章 精神医学における研究倫理 
 1 研究倫理原則,ガイドライン(指針)
 2 インフォームド・コンセント,研究説明の理解と同意の能力の問題
 3 ランダム化比較試験におけるプラセボの使用
 4 研究対象者の適格,除外基準の合理性
 5 ブレインバンク研究
 6 自殺傾向ハイリスク者を含む研究
 7 利益相反(Conflict Of Interest:COI)の問題
第4章 守秘義務と守秘義務の問題
 1 精神科領域における守秘義務の法的側面
 2 生命倫理学と守秘義務
第5章 ロボトミー・精神外科・ニューロエシックス――いわゆる内因精神病に対する治療思想の視点から
 1 精神外科前史
 2 精神外科の盛衰史
 3 ロボトミー後史
 4 現代精神医学の治療思想
第6章 薬物療法と電気けいれん療法 
 1 治療開始に先立って必要なこと
 2 薬物療法
 3 電気けいれん療法
第7章 地域精神医療をめぐる倫理的な問題とはなにか
 1 地域精神医療のありかたについて
 2 情報の共有の必要性と守秘義務のあいだ
 3 パターナリズムの法理,ポリスパワーの法理が検討されるとき
 4 倫理的問題の解決のために
第8章 心理療法 
 1 倫理規定とその役割
 2 心理療法における倫理的課題
 3 倫理的意思決定
 4 日本における心理療法家の職業倫理トレーニング
第9章 司法精神医学と倫理――鑑定・治療・研究 
 1 背景
 2 精神鑑定と倫理
 3 司法精神医療と倫理
 4 司法精神医学研究と倫理
 5 死刑と精神科医
第10章 性と精神科医療の倫理的側面
 1 生命倫理からみた「性の問題」
 2 同性愛と生命倫理
 3 性同一性障害と生命倫理
 4 倫理委員会答申と日本精神神経学会答申
 5 生命倫理の立場から
第11章 認知症
 1 超高齢化社会を迎えて
 2 認知症の方々を支える倫理と権利擁護の必要性
 3 認知症者への危機介入支援
第12章 自殺と精神疾患
 1 自殺の要因
 2 自殺の危険因子
 3 自殺と精神疾患
第13章 嗜癖と依存
 1 嗜癖から依存へ
 2 依存から再び嗜癖へ
 3 我が国の医療者における嗜癖/依存の理解 

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