高齢者・難病患者・障害者の医療福祉
著者名 | シリーズ生命倫理学編集委員会 編 大林 雅之 責任編集 徳永 哲也 責任編集 |
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発行元 | 丸善出版 |
発行年月日 | 2012年12月 |
判型 | A5 210×148 |
ページ数 | 248ページ |
ISBN | 978-4-621-08485-4 |
Cコード | 3347 |
NDCコード | 490 |
ジャンル | 医学・薬学 > 医学一般 > 医療倫理 医学・薬学 > シリーズ医学・薬学 > シリーズ生命倫理学 全20巻 |
内容紹介
「シリーズ生命倫理学」の第8巻。本巻では、高齢者や障害者といった社会福祉で大きなテーマとなる分野を扱う。医療の目標が「治す」ことなら、高齢者や障害者はその対象から外れていきかねない。高齢ゆえの衰えにはもはや「治せない」部分が多く、障害は「根治はできないから長く付き合って飼いならしていく」という宿命を背負うものと言える。難病とて「治し難い」から難病と呼ばれるのであり、その実態は障害に近く、ここでは「治す」医療ばかりではなく「機能を維持する、機能低下の速度を遅くする、代替手段を見つけてそれを使いやすくする」医療が求められる。そしてその医療は、限られた健康状態でも心健やかに暮らすための福祉的支援と連携するものとなるだろう。本巻では、このように「高齢者・難病患者・障害者」に関しては、「医療」単独ではなく「医療福祉」という統合的な問題意識で生命倫理的な議論も深めていく必要があるという立場から論じる。
目次
第1章 高齢者・難病患者・障害者医療への生命倫理学的視点と福祉政策の変遷
1 問題と視点
2 「国家」か「市場」か――自由と公正の対立
3 不安定な福祉国家である日本の高齢者・難病患者・障害者医療
4 「家族」と「自立支援」の視点
5 「ケア論」の視点と新しいケア理論の構築例(ケアの自然史:難病患者と高齢者のケア・システムの研究から)
第2章 高齢者福祉
1 生命倫理学にとっての高齢者問題
2 高齢者の生活と生きがい
3 長寿社会の倫理
4 アジア地域の少子高齢化
第3章 高齢者医療制度の現在
1 介護をめぐる現状と課題
2 高齢者医療の現状と課題
3 高齢者医療制度の特徴と課題
4 高齢者にとって望ましい医療
第4章 認知症ケアの倫理
1 『認知症ケアの倫理』が目指すもの
2 認知症の人々を「ひとりの生活者」として尊重するために
3 パーソンセンタードケア――倫理的なケアを求めて
4 日常ケアにおける倫理的諸問題
5 終末期ケアの倫理
第5章 高齢者の終末期介護と生命倫理
1 日本の超少子高齢社会
2 終末期介護の問題事例
3 高齢者の人権をめぐる諸問題
第6章 高齢者の自律とこれからの医療対応
1 高齢者のQOLと価値評価の倫理的問題
2 高齢者の「自律尊重」をめぐる倫理概念間の葛藤
第7章 難病患者の看護・ケア―――看護職の視点から
1 「難病」と医療
2 難病と生命倫理
3 難病患者の生と死に関するQOL
4 難病患者と家族
5 難病患者の社会・経済的課題
6 難病患者の遺伝子診断と治療とカウンセリング
第8章 難病患者の医療と介護―――ALS当事者と家族の視点から
1 ALSという病気
2 社会の狭間で生きる
3 療養現場の倫理
第9章 障害者福祉と生命倫理
1 生命倫理学にとっての障害者問題
2 障害者の「学び」とその「支援」
3 障害者の「労働」と「自立生活」
第10章 障害者支援制度の現在と未来
1 日本の障害者福祉制度の現代史
2 支援費制度から障害者自立支援法へ
3 障害者自立支援法から障害者総合支援法へ,そしてその先へ
第11章 障害者運動と生命倫理学―――脳性麻痺当事者運動をめぐる「関係障害」に着目して
1 高度経済成長期における脳性麻痺当事者運動の創成
2 東京都立府中療育センターにおける入所者運動とその波紋
3 告発型運動の思想と生命倫理学における課題
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