安楽死・尊厳死
著者名 | シリーズ生命倫理学編集委員会 編 甲斐 克則 責任編集 谷田 憲俊 責任編集 |
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発行元 | 丸善出版 |
発行年月日 | 2012年11月 |
判型 | A5 210×148 |
ページ数 | 286ページ |
ISBN | 978-4-621-08482-3 |
Cコード | 3347 |
NDCコード | 490 |
ジャンル | 医学・薬学 > 医学一般 > 医療倫理 医学・薬学 > シリーズ医学・薬学 > シリーズ生命倫理学 全20巻 |
内容紹介
安楽死論の要である「個人の自由の尊重」と「安楽死合法化が社会にもたらす望ましくない影響」について、またキリスト教の視点から、関係性に重点を置いた安楽死に対する考察、またホスピス活動を仏教のあゆみと捉える視点からの論考など、安楽死・尊厳死をめぐる課題を総説的に示す一方、欧米・近隣国の安楽死・尊厳死や、日本の尊厳死容認運動と終末期の延命措置中止に関する法律案の紹介、さらに安楽死は処罰されるべきかの議論を、安楽死事例判決を読み解きながら考察する。 安楽死・尊厳死を考えるうえで大切な視点として、患者や患者を支える家族に対する適正な生命倫理、医療倫理を踏まえた対応を医療界に提示する。日本生命倫理学会の問題状況を医療の現場から描くとともに、「救急医療における終末期医療に関する提言(ガイドライン)」を詳述して「人工延命治療の差控えと中止の過剰なまでの区別による弊害」から生じる机上の空論からの脱却を示唆。
目次
第1章 安楽死・尊厳死をめぐる生命倫理の問題状況
1 概念の整理
2 安楽死に関する生命倫理的課題
3 尊厳死に関する生命倫理的課題
2章哲学的観点からみた安楽死
1 安楽死問題と二極分化思考
2 killingとletting die
3 安楽死
4 合法化の禁止と患者の放置
5 安楽死の代替
3章 安楽死・尊厳死とキリスト教――その歴史と基本思想
1 16・17世紀におけるキリスト教と安楽死
2 特別手段と通常手段
3 20世紀のカトリック教会と安楽死
4 積極的安楽死の是非
4章 仏教からみた安楽死・尊厳死
1 仏教の死生観
2 ビハーラ運動
5章 我が国における尊厳死運動――日本尊厳死協会の立場から
1 我が国の尊厳死運動
2 脳死および臓器移植と尊厳死運動
3 安楽死と尊厳死
4 リビング・ウイルの改訂
5 尊厳死法制化運動
6 諸外国のリビング・ウイル
7 福祉施設での尊厳死
8 尊厳死に対する反対論
9 在宅医療と尊厳死
10 終末期医療のガイドライン
11 終末期の看取り
12 終末期医療の裁判による判定
第6章 日本における積極的安楽死
1 安楽死の分類と刑法上の問題点
2 非医療場面における安楽死
3 医療の場面における安楽死
4 積極的安楽死をめぐる学説の状況
第7章 日本における人工延命措置の差控え・中止
1 近年の日本における議論の郷校外観
2 司法の動向
3 人工延命措置の差控え・中止(尊厳死)をめぐる法理と倫理
4 尊厳死問題の法的・倫理的ルール化
第8章 医療現場からみた人工延命措置の差控え・中止
1 わが国における延命措置の中止などへの取り組み
2 「救命医療における終末期医療に関する提言(ガイドライン)」の概略
3 本ガイドラインに関するアンケート調査
4 医療現場からの考察
第9章 医師による自殺幇助(医師介助自殺)
1 アメリカにおける動向
2 スイスにおける動向
3 ドイツにおける動向
第10章 アメリカにおける尊厳死
1 尊厳死をめぐる議論の前史
2 延命拒否権
3 代行判断
4 事前指示
5 尊厳死の客観的側面をめぐる諸問題
第11章 欧州(イギリス・ドイツ・フランス)における安楽死・尊厳死
1 イギリス
2 ドイツ
3 フランス
第12章 オランダにおける安楽死・尊厳死
1 オランダにおける安楽死法制定までの判例の歴史
2 オランダにおける安楽死法制定
3 オランダにおける安楽死等審査法施行後の動向
4 ベルギーとルクセンブルクへの影響
5 オランダにおける尊厳死
第13章 延命治療の中止に関する韓国大法院判決について
1 大法院までの経過
2 大法院判決
3 若干の検討
第14章 中国における安楽死の動向
1 中国における安楽死の意義,形態および発展経緯
2 安楽死に関する刑罰規定
3 安楽死に関する判例
4 学説の争い
5 安楽死立法化の提案
6 地方立法機関の意見表明
7 中国の現状と今後の動向
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