グリーンテクノロジー

グリーンテクノロジー

持続可能社会を拓く技術開発の指針
著者名 北島 昌夫
山本 靖
佐野 健二
発行元 丸善出版
発行年月日 2011年11月
判型 A5 210×148
ページ数 262ページ
ISBN 978-4-621-08457-1
Cコード 3050
NDCコード 519
ジャンル 化学・化学工学 >  化学一般・基礎化学
化学・化学工学 >  化学一般・基礎化学 >  環境・グリーンケミストリー

内容紹介

化学工業ではグリーンケミストリーないしグリーン・サステイナブルケミストリーという名称で、たとえば危険な副生物が発生しない反応や溶媒をできるだけ使わないプロセスの開発が行われてきたが、このような環境への負荷を低減することに価値をおく技術開発の考え方を、化学工業以外の全産業に広げることを狙いとするのが本書の提唱する「グリーンテクノロジー」である。 本書では、これまでの大量消費、大量廃棄社会における技術開発から、資源・環境・エネルギーの負荷の少ない持続可能社会に移行する際に必要となる技術開発のエッセンスを具体的に提示する。化学系だけでなく、エネルギー・物質・材料・システムを扱う理工系学生や技術者にもお薦めの一冊。

目次

はじめに-21世紀型グリーンテクノジーとGSC
1 グリーンテクノロジーの背景と目的
 1.1 GSCの成り立ち(歴史的背景)
 1.2 拡大成長に対する警鐘
 1.3 国連を中心にした環境活動
 1.4 IPCC報告と気候変動
 1.5 持続可能な社会を目指す化学技術,GSC活動の誕生
 1.6 日本のグリーン・サステイナブルケミストリー(GSC)活動
 1.7 日本の経験とグリーンテクノロジー
 1.8 グリーンテクノロジーと競争力強化
2 技術者倫理
 2.1 技術者倫理と技術倫理
 2.2 基礎研究者・技術者の役割と倫理
 2.3 技術倫理
 2.4 ケーススタディ
 2.5 社会への警鐘と倫理
 2.6 リスクコミュニケーションと技術倫理
 2.7 マスメディアの役割
3 公害・化学事故に学ぶ
 3.1 水の循環と環境
 3.2 公害の歴史,いまもつづく事故と教訓
 3.3 不適切な対応があった公害問題の例
 3.4 科学者と生産者・行政・社会の協力が成功した例
 3.5 開発時の想定を超える健康被害が生じた例
 3.6 社会問題としてつづいている事件の例
 3.7 化学事故の原因とその対応
4 エネルギーの現状と持続可能化への道
 4.1 枯渇性エネルギーと再生可能エネルギー
 4.2 化石エネルギーの動向
 4.3 経済活動とエネルギー
 4.4 日本のエネルギー供給
 4.5 非枯渇性エネルギー利用技術
 4.6 太陽エネルギーの電気への変換
 4.7 電力の統合的最適化に向けて
 4.8 電力供給システムの課題
 4.9 電力の統合的管理システム
 4.10 エクセルギーとエネルギーのカスケード利用
5 原料資源の現状と持続可能化への道
 5.1 原料資源とその利用
 5.2 枯渇性資源の現状
 5.3 再生可能原料資源
 5.4 資源の循環的利用
 5.5 資源循環と炭素
 5.6 水資源
6 グリーンテクノロジーによるプロセス設計
 6.1 プロセス設計の歴史的流れ
 6.2 プロセス設計の指針
 6.3 GSCが求める物質変換プロセス
 6.4 反応プロセス開発・採用の判断基準
 6.5 原料転換
 6.6 反応プロセスと反応剤
 6.7 反応プロセスと触媒
 6.8 反応媒体と反応場
 6.9 エネルギー供給と化学反応
 6.10 分離プロセス
7 グリーンテクノロジーによる製品設計127
 7.1 製品設計にあたって考慮すべき項目
 7.2 各種素材製造時のエコ特性
 7.3 製品設計と市場競争力の強化
 7.4 技術戦略マップで取り上げられたGSC分野の重要技術
 7.5 グリーンテクノロジーの実例
 7.6 市場分野別動向と具体例
 7.7 炭素繊維
8 化学物質のリスク管理
 8.1 化学物質と有害化学物質
 8.2 化学物質のリスク評価
 8.3 化学物質のリスク管理
 8.4 リスク評価やハザード評価の手法
 8.5 化学物質管理に関連する法規制
 8.6 国際基準ISO14000
9 グリーンテクノロジーの評価手法
 9.1 グリーンテクノロジー評価のスタンス
 9.2 反応を対象とした評価尺度
 9.3 ライフサイクルアセスメント(LCA)
 9.4 関与物質総量(TMR)
 9.5 公開されている評価手法の例
 9.6 日本で開発された評価手法
10 部分最適化から全体最適化へ
 10.1 グリーンテクノロジーと低炭素社会の構築
 10.2 持続可能性の向上と全体最適化
 10.3 技術開発目標の設定とグリーンテクノロジーの役割
 10.4 消費生活の行動と全体最適化
 10.5 全体最適化とカスケード利用
 10.6 全体最適化の実例(スマートシステム)
 10.7 全体最適化と階層
11 ライフスタイルとグリーンテクノロジー
 11.1 ライフスタイルと企業活動
 11.2 ライフスタイルの変化と技術開発
 11.3 持続可能性の向上に向けた社会の姿勢
 11.4 最適グリーン製品の選び方
 11.5 身の回りの製品の選択
 11.6 これからの社会とライフスタイル
 11.7 個人の意識の重要性
 11.8 ライフスタイルと持続可能な社会

定価:3,520円
(本体3,200円+税10%)
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