内容紹介
現代の医療においては、分子生物学的な知見が、治療や創薬の現場において広く活用されている。しかし、生化学の教科書の多くは、あくまでも基礎事項の解説に重点を置いており、生化学的事項と実際の疾患とのつながりが見えにくい状況にあった。本書は従来の生化学の枠を超え「基礎生化学がどのようにして臨床とつながっているのか」を徹底的に解説した非常に特徴ある教科書。本文中の記述や約300にもわたるコラムにて疾患等の解説を多数取り上げ、臨床との関連性が理解できる。全章にわたって図やイラストも多く用いられており、広範かつ深い内容がビジュアルで分かりやすくまとまっている。すべての医学・薬学系の学生・研究者・専門家にとって、必ずや有用となる一冊。
目次
PARTI 高分子の構造
1 真核生物の細胞構造
2 DNAとRNA:構成要素とその構造
3 タンパク質I:タンパク質の構成成分と構造
PARTII 情報伝達
4 DNA複製,組換えと修復
5 RNA:転写とRNAプロセシング
6 タンパク質合成:翻訳と翻訳後修飾
7 組換えDNAとバイオテクノロジー
8 遺伝子発現の調節
PARTIII タンパク質の機能
9 タンパク質II:タンパク質ファミリーにおける構造と機能の相関
10 酵素:分類,動態,制御
11 シトクロムP450と一酸化窒素シンターゼ
12 生体膜:構造,受容体と溶質輸送
13 シグナル伝達の基礎
PARTIV 代謝経路と代謝調節
14 生体エネルギー論,ミトコンドリア,および酸化的代謝
15 糖質代謝I:主要代謝経路と制御
16 糖質代謝II:特別な経路と複合糖質
17 脂質代謝I:脂肪酸およびトリアシルグリセロールの合成、貯蔵と利用
18 脂質代謝II:特別な脂質代謝経路
19 アミノ酸とヘム代謝
20 プリンとピリミジンヌクレオチド代謝
21 代謝相互関係
22 ホルモン類の生化学
PARTV 生理的プロセス
23 分子細胞生物学
24 細胞周期,プログラム細胞死と癌
25 基礎栄養成分の消化吸収
26 ビタミンとミネラル:必要性と役割
27 主要栄養素:代謝への影響と健康との関連
付録 有機化学概説