内容紹介
感性とは何か。生理人類学の研究者として身体全体のメカニズムを追いかけた著者が、絵画の感じ方や創作をスタート地点として、感性とはどのように考えられてきたか解説し、どのように考えればよいかを提唱する。総合科学的な学問としてデズモンド・モリス(人類学者)、サミュエル・ゼキ(脳科学者)、ノーム・チョムスキー(言語学者)などの主張にも触れる。またピカソやモンドリアンなどの画家、ミロやダリも注目したサルの画やラスコーの洞窟画、レヴィ=ストロース、幻覚剤、禅、エドガー・アラン・ポーなど、感性を考える際のヒントとして豊富な種類のエピソードも交える。
目次
第1章 ピカソの駄作?比べ
1 感性への憧れ
2 絵画の発祥
3 美人画の感性
4 明日描く画がいちばん素晴らしい
5 思春期の影
第2章 感性論の展開
1 独断と真理の狭間
2 混沌たる「感性」
3 感性と美学
4 抽象芸術論
5 「感性」は変わった?
第3章 感性の定番
1 感覚の始まり
2 視覚脳
3 音の受容
4 聴覚皮質
5 触覚
6 味の感覚
7 ニオイとフェロモン
第4章 感性の始まり?
1 サルの絵
2 モンキー・ピクチャーの値打ち
3 サルの画風
4 純粋無垢な感性
5 基礎的な視覚価値
第5章 ネアンデルタールの感性
1 類人猿にも及ばぬ感性
2 ネアンデルタールという人種
3 感性の発露
4 先史芸術
第6章 感性の脳内基盤
1 感覚から知覚へ
2 意識の創発
3 原意識
第7章 感性と直観
1 概念形成
2 知覚の扉
3 禅の感性
4 見つめること
第8章 感性と悟性・理性
1 概念と意識
2 チョムスキーの感性
3 脳と言語
4 言葉の閃き
5 閃く概念
6 科学者の感性