内容紹介
水の乾燥操作は、比較的少量の水や有機溶媒などの液体を含む湿り材料に熱を加えて液体を蒸発させて除去し、乾いた製品を得る操作をいう。乾燥には大量のエネルギーが必要で、たとえば、水1gを20℃、1気圧で蒸発させるには2,540Jのエネルギーが必要である。したがって100W(すなわち100J/s)の電熱ヒーターのエネルギーがすべて蒸発に使われたとして、毎秒100/2,540=0.039 gの水を蒸発させることができる。現在、乾燥には熱風や水蒸気を送って加熱する方法、湿り材料に直接通電して加熱する方法、赤外線や高周波の電磁波を照射する方法、あるいは湿り材料を減圧状態の雰囲気中に置く方法など、湿り材料の性質に応じた方法を採用している。本書では、乾燥の基礎から設計、機種の分類と事例、最適機種選定、トラブル事例集までをわかりやすくまとめる。
目次
第1部 基礎編
第1章 乾燥操作
第2章 乾燥の基礎知識
第3章 湿り空気の性質
第4章 定率乾燥期間と限界含水率
第5章 減率乾燥期間と平衡含水率
第2部 装置編
第6章 乾燥器の選定
第7章 乾燥器の分類と事例
第3部 設計編
第8章 乾燥器の設計
第4章 トラブル対策編
第9章 省エネルギー対策
第10章 安全・環境対策
第11章 トラブル対策事例―プラスチックペレットの乾燥