脳死・移植医療
著者名 | シリーズ生命倫理学編集委員会 編 倉持 武 責任編集 丸山 英二 責任編集 |
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発行元 | 丸善出版 |
発行年月日 | 2012年01月 |
判型 | A5 210×148 |
ページ数 | 274ページ |
ISBN | 978-4-621-08480-9 |
Cコード | 3347 |
NDCコード | 490 |
ジャンル | 医学・薬学 > 医学一般 > 医療倫理 医学・薬学 > シリーズ医学・薬学 > シリーズ生命倫理学 全20巻 |
内容紹介
移植医療にはドナーが不可欠という特異性があり、加えて死体臓器移植には死の確認の問題がある。移植医療の発展には社会的承認が必要だが、これらの問題をめぐる議論は生命倫理の核心に関わっている。本書は、それら論点の理解とともに、ドナーの人権保護とレシピエントのよりよい術後生活に向けて、「現場」担当者と生命倫理研究者が論考を寄せた一冊。
目次
第1章 合法性と倫理性
1 2009年法の特徴
2 検討すべき若干の問題
3 結論に代わる提案
第2章 脳死判定の歴史と現象
1 「心停止より呼吸停止が先行する状態」に関する1990年前後の論文
2 ランドマークたる1959年の「不可逆的昏睡」という概念
3 米国における脳死判定の歴史と現状
4 日本における脳死判定の歴史と現状
第3章 脳死論――歴史的・メタ科学的検討
1 「脳死=人の死(の基準)」の沿革
2 脳死者の実相
3 「有機的統合性論」の破綻とその後の状況
第4章 臓器移植の現状と課題――移植医の立場から
1 人工臓器の実情と臓器移植が必要な理由
2 日本の臓器移植の歴史
3 臓器移植の実際
4 本邦初の鋼管生体腎移植で経験した生命倫理
5 九州大学で初の脳死下膵腎同時移植を行った時の顛末
6 臓器移植法改正後の臓器移植
第5章 臓器移植をめぐる法的問題
1 死体臓器移植における臓器摘出
2 現行臓器移植法の臓器摘出規定
3 臓器移植法における脳死
第6章 小児の脳死移植I――我が国における現状と課題
1 わが国の小児の脳死臓器移植の現状
2 小児の脳死臓器移植における課題
第7章 小児の脳死移植II――小児内科の立場から
1 改正臓器移植法の旧法の比較
2 日本小児科学会の脳死下臓器移植基盤整備への取り組み
3 脳死移植に対するわが国固有の精神風土的背景
4 虐待の実態
5 小児の脳の特性と脳死判定基準
6 臓器提供施設の問題点
第8章 生体移植
1 生体移植の正当化根拠
2 生体移植の正当化要件
3 臓器移植法と生体移植
4 生体移植に関する臓器移植法ガイドライン
5 近時の国際的動向
第9章 移植ネットワーク
1 ネットワークシステムの成り立ち
2 日本臓器移植ネットワークの役割
3 移植コーディネーターの役割
4 臓器あっせんの件数
第10章 脳死の「理」と「情」――早期移植という医療のなかで
1 移植治療を肯定している日本社会
2 「脳死は死」を前提に
3 脳死の意味の変容
4 脳死の意味の現在
5 脳死の二重基準の臨床上の意義
6 看取り医療の選択肢としての臓器提供
第11章 臓器配分
1 なぜ臓器配分問題が生じるか
2 生命倫理学的な問題
3 日米における臓器配分システム
4 親族優先をめぐる議論
5 QALYの効用と限界
第12章 臓器売買
1 臓器売買の実態
2 臓器売買の論理と倫理
3 臓器売買の法
第13章 外国の移植事情
1 生体移植
2 脳死以外の情報源
3 組織移植
4 脳死提供者の情報公開,特に死因について
5 親族優先提供と脳死移植のあり方
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