生命倫理学の基本構図

生命倫理学の基本構図

著者名 シリーズ生命倫理学編集委員会
今井 道夫 責任編集
森下 直貴 責任編集
発行元 丸善出版
発行年月日 2012年01月
判型 A5 210×148
ページ数 274ページ
ISBN 978-4-621-08478-6
Cコード 3347
NDCコード 490
ジャンル 医学・薬学 >  医学一般 >  医療倫理
医学・薬学 >  シリーズ医学・薬学 >  シリーズ生命倫理学 全20巻

内容紹介

本「シリーズ生命倫理学」の全体が、日本における生命倫理の「現在」の総括をめざしているとすれば、その巻頭にあたる第1巻は、学問的反省という視点から「生命倫理」を「学」としてみた場合の「現在」の総括を意図している。生命倫理という歴史的運動の全体の「前提」にあるもの(構想、広義の原理、問題構成、理論枠組み、価値観など)に視線を向け、これを反省することが本巻の狙い。

目次

第1章 生命倫理学とは何か――ゆるやかなコンテクストの創出へ
 1 生命倫理学の「中心の不在」に直面して
 2 最広義の「生命倫理」
 3 人類史における「生命倫理」の3時代
 4 生命倫理IIの議論状況と「コンテクスト」の不在
 5 「二者関係」と「身近な他者」
 6 テストケースとしての代理出産
 7 「他なるものの協動」に基づく「物語」 
第2章 日本の生命倫理学――その事始から現在まで
 1 米国のバイオエシックス
 2 バイオエシックスから生命倫理学へ
 3 生命倫理学の展開
 4 21世紀日本の生命倫理学
第3章 西洋の伝統的医療倫理
 1 西洋医療の原点ヒポクラテス
 2 古代から中世へ
 3 中性から近世へ
 4 近世から近代へ
 5 現代に活きるヒポクラテス
第4章 東洋と日本の伝統的医療倫理
 1 東洋の伝統的な医療倫理
 2 古代日本の医療倫理
 3 中世日本の医療倫理
 4 近世日本の医療倫理
 5 近現代日本の医療倫理 
第5章 米国および英語圏のバイオエシックス
 1 「バイオエシックス」という言葉
 2 バイオエシックス前史
 3 バイオエシックス議論の開始
 4 バイオエシックスの展開
 5 医療の倫理学としてのバイオエシックス 
第6章 独語圏の生命倫理 
 1 歴史的経緯
 2 ドイツの生命倫理学の特徴
第7章 仏語圏の生命倫理
 1 国家倫理諮問委員会(Comite Consultatif National d'Ethique)
 2 コンセイユ・デタ報告書(1988年)と生命倫理3法(1994年)
 3 生命倫理に関する法律(2004年)
 4 病人の権利および生の末期に関する法律(2005年)
 5 生命倫理に関する法律の改正(2011年) 
第8章 中国の生命倫理
 1 生命倫理学の登場に至るまで
 2 邱仁宗の『生命倫理学』
 3 初期における生命倫理の背景としての「計画生育」と「社会主義医学人道主義」
 4 伝統的価値観の強調と健康保険制度改革 
第9章 韓国の生命倫理
 1 法の死角地帯におかれた代理出産
 2 親族間代理懐胎をめぐる倫理問題
 3 否定される法制化
 4 「母」の規定の形骸化
 5 男児を挙げるための代理出産
 6 生殖のグローバル化と代理出産ツーリズム 
第10章 生命倫理の法的次元
 1 多数決に従うものと従わないもの
 2 自治と裁判所
 3 「国からの自由」と「国の責任」
 4 米国生命倫理の発展と法の国際化
 5 日本の近代化と法 
第11章 患者‐医療者関係
 1 インフォームド・コンセントの誕生
 2 インフォームド・コンセントの展開
 3 日本での状況
 4 情報理解から意思決定へ 
第12章 生命倫理学の方法論
 1 原則に基づく方法
 2 決疑論
 3 ナラティブ倫理学
 4 徳倫理学
 5 共同体主義
 6 ケア倫理学
 7 フェミニスト倫理学 
第13章 医学・医療と生命倫理
 1 生命倫理教室
 2 審議会・委員会の経験
 3 21世紀の生命倫理
 4 臓器移植法 
第14章 市民運動としてのバイオエシックス
 1 ベトナム体験
 2 国際的バイオエシックス運動の展開
 3 コミュニティでの支え合い 
第15章 宗教と生命倫理
 1 欧米の生命倫理とキリスト教 
 2 日本の生命倫理と脳死臓器移植
 3 生命倫理の多様性の背景
 4 国境と越えた合意の可能性 
第16章 哲学としての生命倫理
 1 規範言語の内属性と合意形成
 2 法律の事前公示の原則
 3 尊厳の比較日可能性
 4 適法性と道徳性

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