
内容紹介
本書は著者の産業界における安全性評価の実践、および学生の指導の長年の経験に基づき、化学反応の制御喪失に起因するリスクの体系的評価および工業スケールにおける反応暴走の防止に関する技術について詳述。熱的リスク評価に関する理論的、手法的そして実験的見方を提供し、一方、工業スケールで用いられるさまざまなタイプの一般的な反応器に対する発熱合成反応を習得するための原理についても解説。各章はその章のトピックスに関連する事例紹介とその事例から得られる教訓の記載から始まり、例題、練習問題を設け、事例検討が十分なされる構成。 本文は3部構成となっており、第Ⅰ部は熱的プロセス安全の概論、第Ⅱ部は発熱反応、第Ⅲ部では反応の特性、影響や発生条件を評価する技術とともに2次反応や分解反応の防止について議論し、読者が安全なプロセス条件の決定を可能とするための方法についてまとめられている。
目次
Ⅰ 熱的プロセス安全概論
1 ファインケミカルプロセスのリスク分析入門
2 熱的プロセス安全の基礎
3 熱的リスクの評価
4 実験技術
Ⅱ 発熱反応の解析
5 反応器の安全性に関する一般的側面
6 バッチ反応器
7 セミバッチ反応器
8 連続反応器
9 反応器の安全確保に関する技術的側面
10 リスク削減策
Ⅲ 二次的反応の防止
11 熱安定性
12 自触媒反応
13 熱の閉じ込め
14 記号