コアカリ対応 薬剤学 第3版

コアカリ対応 薬剤学 第3版

著者名 川島 嘉明
半田 哲郎
米谷 芳枝
山本 いづみ
発行元 丸善出版
発行年月日 2011年10月
判型 B5 257×182
ページ数 452ページ
ISBN 978-4-621-08442-7
Cコード 3047
NDCコード 499
ジャンル 医学・薬学 >  薬学 >  薬剤学

内容紹介

薬学専門教育は臨床薬剤師養成の社会的要請から、薬の作り方から使い方を重視した学部6年制に移行。そのために学問の応用性や実用性が重んじられる傾向がみられるが、本書は臨床薬剤学に必要な基本的な考え方に比重を置き、基礎的な薬剤学の本。本書の特徴は、物理薬剤学と生物薬剤学を基礎として、薬剤学を一貫した物理化学的な手法で説明している点。基礎的な概念をステップバイステップで説明し、途中の式もひとつひとつの過程をたどることで、完全に理解できる。薬剤師国家試験の項目はすべて網羅し、第16改正日本薬局方に対応。

目次

I編 物理薬剤学
 1章 溶液製剤 
  1.薬物を溶解する
   1.1 薬物の溶解性と溶解性に関する因子
   1.2 水への溶解性
   1.3 溶解度
   1.4 弱電解質の溶解度とpHの影響
   1.5 溶解度の改善
  2.溶液の性質
   2.1 溶液の束一性
   2.2 電気伝導性 
 2章 製剤的平衡 
  1.物質の存在状態と相平衡
   1.1 物質の三態
   1.2 物質の状態図
   1.3 相律
   1.4 相変化に伴う熱の移動
  2.分配平衡
   2.1 抽出
   2.2 弱電解質の分配平衡
   2.3 膜を介した分配 
  3.熱力学的取扱い 
   3.1 内部エネルギーと熱力学第一法則
   3.2 状態関数
   3.3 比熱とモル熱容量
   3.4 エンタルピー
   3.5 エントロピーと熱力学第二法則および第三法則
   3.6 定温定圧下の取り扱い
   3.7 平衡の熱力学的取り扱い
 3章 分散系製剤 
  1.分散系の種類
   1.1 分散系の種類
   1.2 コロイド分散系
  2.コロイド分散系
   2.1 コロイド領域の製剤
   2.2 高分子水溶液
   2.3 界面活性剤水溶液
   2.4 コロイド溶液の性質 
  3.乳剤 
   3.1 乳剤の壁
   3.2 バンクロフトの経験則
   3.3 乳剤型の識別
   3.4 転相
  4.懸濁剤 
  5.ゲル 
  6.界面の性質
   6.1 界面張力と表面過剰エネルギー
   6.2 ギブズの吸着等温式 
  7.レオロジーと液体の流動性
   7.1 流体の流動性
   7.2 流動性の評価
   7.3 粘弾性 
 4章 固形製剤 
  1.粒子の性質 
   1.1 粒子の形状
   1.2 粒子径
   1.3 比表面積
  2.粉体の集合体としての性質
   2.1 充填性
   2.2 流動性
   2.3 吸湿性
   2.4 付着性,凝集性
   2.5 混合性 
  3.固形製剤の崩壊と薬物の溶解
   3.1 製剤からの溶出過程
   3.2 製剤の崩壊
   3.3 溶解速度 
  4.ぬれ 
   4.1 ぬれの現象
   4.2 ぬれと仕事
   4.3 ぬれの測定
 5章 製剤の安定性とその予測
  1.製剤の安定性
   1.1 物理的変化
   1.2 化学的変化
   1.3 生物学的変化  
  2.液状製剤の安定性(化学反応速度論)
   2.1 反応の次数
   2.2 反応機構(反応速度式)
   2.3 反応次数の求め方
   2.4 種々の一次反応
   2.5 安定性に影響する因子
  3.分散系製剤の安定性と安定化
   3.1 乳剤の不安定化
   3.2 懸濁剤の不安定化
   3.3 コロイド分散系の安定性
   3.4 分散系の安定化 
II編 生物薬剤学  
 1章 薬物の作用と生体内運命
  1.薬効発言と生物学的利用能
  2.薬物の剤形と投与経路 
  3.薬物の溶出 
  4.薬物の体内移行性
  5.薬物送達システム
 2章 薬物の副作用 
  1.薬物の副作用 
  2.有害事象 
 3章 薬物の臓器への到達と消失:吸収 
  1.薬物の吸収部位 
  2.消化管吸収
   2.1 胃からの吸収
   2.2 小腸からの吸収
   2.3 大腸からの吸収
   2.4 直腸からの吸収 
  3.生体膜透過 
   3.1 生体膜の構造と膜透過機構
   3.2 受動拡散と促進拡散
   3.3 生体膜透過現象
   3.4 能動輸送
   3.5 膜動輸送・溶媒牽引
  4.消化管以外からの薬物吸収
   4.1 注射
   4.2 皮膚からの吸収
   4.3 鼻からの吸収
   4.4 口腔からの吸収
   4.5 肺からの吸収
   4.6 眼からの吸収 
  5.薬物の吸収に影響する因子
   5.1 生体からの薬物吸収に対する影響
   5.2 薬物の物理化学的性質による薬物吸収に対する影響
   5.3 製剤からの薬物吸収への影響 
 4章 薬物の臓器への到達と消失:分布
  1.薬物の組織への分布 
  2.薬物の脳への移行
   2.1 血液脳関門の構造と機能
   2.2 血液脳脊髄液関門の構造と機能
   2.3 薬物の血液脳関門(BBB)透過性
  3.薬物の胎児への移行 
  4.薬物の組織への移行 
  5.見かけの分布容積
   5.1 薬物分布の変動要因
   5.2 分布容積の大きい薬物 
  6.血漿タンパク結合
 5章 薬物の臓器への到達と消失:代謝 
  1.薬物分子の体内での化学的変化と部位 
  2.薬物代謝と薬効 
  3.薬物代謝の様式 
  4.シトクロムP450
  5.薬物の酸化反応 
  6.薬物の還元・加水分解,抱合
  7.薬物代謝酵素の変動要因 
  8.初回通過効果 
  9.組織クリアランスと固有クリアランス 
 6章 薬物の臓器への到達と消失:排泄 
  1.腎排泄 
  2.糸球体ろ過 
  3.尿細管分泌
  4.尿細管再吸収 
  5.腎クリアランス 
  6.糸球体ろ過速度
  7.尿中排泄率 
  8.胆汁中排泄 
  9.腸肝循環 
  10.唾液・乳汁中への排泄
 7章 薬物動態に起因する相互作用 
  1.吸収過程 
  2.分布過程 
  3.代謝過程
  4.排泄過程 
 8章 薬物動態の解析 
  1.薬物動態学とは何か
  2.生物学的利用能
   2.1 生物学的利用能の求め方
   2.2 生物学的同等性 
  3.線形1-コンパートメントモデル
   3.1 静脈内単回投与
   3.2 点滴静注
   3.3 経口投与  
  4.線形2-コンパートメントモデル
  5.生物学的半減期  
  6.薬物の消失・全身クリアランス 
  7.薬物の肝および腎クリアランス 
  8.連続投与
   8.1 反復静脈内注射
   8.2 反復経口投与
  9.線形コンパートメントモデルと非線形コンパートメントモデル 
  10. 非線形性の薬物動態 
  11.生理学的薬物速度論 
  12.モーメント解析 
 9章 TDM(Therapeutic Drug Monitoring)
  1.治療薬物モニタリング(TDM)
  2.TDMが必要な薬物 
  3.薬物血中濃度の測定法
  4.投与計画
   4.1 定常状態での平均薬物濃度にするための投与量の決定
   4.2 腎疾患時や高齢者に対する投与計画
   4.3 薬物の体内動態値の変動
 10章 基礎編
  1.分子間相互作用
   1.1 静電的相互作用(クーロン力):イオン‐イオン相互作用
   1.2 ファンデルワールス相互作用
   1.3 水素結合
   1.4 電荷移動相互作用と電荷移動錯体
   1.5 疎水性相互作用
  2.水の性質 
   2.1 水の構造
   2.2 水分子の電離
  3.誘電率 
  4.電解質と非電解質 
   4.1 弱電解質の電離度α
   4.2 強電解質の電離と溶液の性質
 付章 基礎知識のチェック 
 付1.単位と次元
  付1.1 SI基本単位
  付1.2 SI接頭語
  付1.3 SI誘導単位
  付1.4 次元
 付2.濃度表示

定価:5,280円
(本体4,800円+税10%)
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