電気化学インピーダンス法 第2版

電気化学インピーダンス法 第2版

原理・測定・解析
著者名 板垣 昌幸
発行元 丸善出版
発行年月日 2011年07月
判型 A5 210×148
ページ数 200ページ
ISBN 978-4-621-08363-5
Cコード 3043
NDCコード 431
ジャンル 化学・化学工学 >  化学実験
化学・化学工学 >  物理化学 >  電気化学・磁気化学
化学・化学工学 >  分析化学 >  機器分析

内容紹介

電気化学インピーダンス法は腐食防食など金属表面処理分野での中心的測定法として用いられ、リチウムイオン二次電池などエネルギーデバイスに関する利用も再認識されてきている。さらに最近では半導体界面を含む電子デバイスへの応用など、新しい分野での関心も深まっている。電気化学インピーダンス法は、非常に広範囲な分野に応用されているが、用いる等価回路などの解析方法も、測定対象に依存して、バリエーションに富んでいる。そこで「原理を理解して、応用につなげる」ことを目的として、応用分野にかかわらず、共通して必要な基礎原理、測定法、解析法をやさしく解説。 初版からの発行から3年が経過し、「電気化学インピーダンスのデータ処理 5章」を充実させるとともに加筆や表現方法の修正を行った。

目次

第1章 電気化学インピーダンス法への手引き
 1.1 電気化学インピーダンス法とは何か?
 1.2 電極反応と電気化学インピーダンスの関係
 1.3 電気化学インピーダンス法の利用
 1.4 インピーダンス解析に用いる基礎数学
  1.4.1 複素平面
  1.4.2 複素平面上でのインピーダンス表記法
  1.4.3 必須公式
第2章 電気化学インピーダンス法の原理
 2.1 電気化学測定の中での電気化学インピーダンス法の位置づけ
 2.2 電気化学測定に必須な公式
 2.3 時間領域と周波数領域での解析
 2.4 電気化学インピーダンス法の適用条件
第3章 実験装置
 3.1 電極
  3.1.1 作用極
  3.1.2 対極
  3.1.3 参照極
 3.2 電気化学セル
  3.2.1 二電極セル
  3.2.2 三電極セル
  3.2.3 四電極セル
第4章 電気化学インピーダンス測定法と機器
 4.1 測定機器
  4.1.1 ポテンシォガルバノスタット
  4.1.2 オシロスコープ
 4.2 FRAの原理
  4.3 FRAを用いたインピーダンススペクトルの測定
   4.3.1 電位制御による電気化学インピーダンスの測定
   4.3.2 電流制御による電気化学インピーダンスの測定
   4.3.3 ノイズ対策
  4.4 その他のインピーダンス測定法
   4.4.1 古典的測定法
   4.4.2 高速フーリエ変換(FFT)による方法
第5章 電気化学インピーダンスのデータ処理
 5.1 電位-電流曲線と電荷移動抵抗の関係
 5.2 各素子のインピーダンス
  5.2.1 正弦波信号の複素数表示
  5.2.2 3種の素子のインピーダンス
 5.3 インピーダンスの合成
 5.4 インピーダンススペクトルの表記法
 5.5 RC直列回路のインピーダンス
 5.6 RC並列回路のインピーダンス
 5.7 インダクターLを含むインピーダンス
 5.8 CPEを含む等価回路
 5.9 さまざまな等価回路から計算されるインピーダンススペクトルのまとめ
 5.10 コール-コールプロットとコール-デビットソンプロット
 5.11 二つの時定数をもつ等価回路とインピーダンススペクトルの軌跡
 5.12 電極構造と等価回路の関係
 5.13 高周波数域での誘導性挙動の解釈と注意点
 5.14 ブロッキング電極の等価回路とインピーダンススペクトル
第6章 ファラデーインピーダンス
 6.1 ファラデーインピーダンスとインピーダンススペクトルの関係
 6.2 低周波数域での誘導性挙動の物理的意味
  6.2.1 等価回路による説明
  6.2.2 時間領域での解釈
 6.3 ファラデーインピーダンスと吸着過程の関係
  6.3.1 周波数領域における吸着体の電極被覆率
  6.3.2 吸着反応とインピーダンス・アドミッタンスの関係
 6.4 さまざまな反応メカニズムとファラデーインピーダンスの関係
  6.4.1 金属の溶解反応でのファラデーインピーダンス
  6.4.2 金属の電析反応でのファラデーインピーダンス
  6.4.3 酸素還元反応のファラデーインピーダンス
 6.5 電荷移動抵抗Rctと分極抵抗Rpとの違い
 6.6 複合電極の電位-電流曲線と分極抵抗
 6.7 ファラデーインピーダンスによるブロッキング電極の表現 
第7章 拡散のインピーダンス
 7.1 ワールブルグインピーダンス
  7.1.1 半無限拡散でのインピーダンス
  7.1.2 有限拡散でのインピーダンス
 7.2 電極反応の物質収支から導出する拡散インピーダンスの導出
  7.2.1 フィックの第二法則
  7.2.2 半無限拡散での表面濃度csとフラックスJの関係
  7.2.3 有限拡散での表面濃度csとフラックスJの関係
  7.2.4 電気化学インピーダンスの導出
 7.3 電極反応の物質収支から導出した拡散インピーダンスの軌跡
  7.3.1 ファラデーインピーダンスと電気化学インピーダンスの軌跡
 7.4 さまざまなファラデーインピーダンスの軌跡のまとめ
第8章 分布定数型等価回路を用いた電気化学インピーダンス解析
 8.1 多孔質電極と分布定数型等価回路
 8.2 伝送線モデルを用いたインピーダンスの理論式
 8.3 分布定数型等価回路による電気化学インピーダンスの計算
 8.4 伝送線モデルによるインピーダンススペクトルの計算
付録 Microsoft Excelによるインピーダンススペクトル計算

出版社からのメッセージ

本書は改訂版『電気化学インピーダンス法 第3版』(2022年12月刊)を刊行しています。

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