内容紹介
本書は9章からなる。1章〜6章は高分子の劣化の基本的な課題、各要因による劣化機構、劣化試験・評価方法、寿命予測、高分子の長寿命化についての具体的な対策(高分子合成技術、加工技術の進歩、高性能の安定剤の開発)について教科書的に丁寧に詳述。7章、8章は代表的な汎用プラスチックおよびエンジニアリングプラスチックを取り上げて具体的に例示し事典的にクイックレファレンスとして使えるよう工夫。最後に環境問題について触れた。
目次
第I章 高分子劣化の基礎
1 劣化の基本的事項
2 高分子の劣化機構
第II章 おもな要因による高分子の劣化
1 熱劣化
2 光劣化
3 放射線劣化
4 機械的劣化
5 電気的劣化
6 環境剤劣化
7 微生物劣化
8 金属化合物の影響
第III章 高分子の長寿命化
1 長寿命化技術の動向
2 高分子製造技術の進歩
3 成形加工技術の進歩
4 安定剤の進歩
第IV章 劣化試験法
1 実験上の一般的注意
2 試料の調製方法
3 耐熱性試験
4 耐候(光)性試験
5 放射線劣化試験
6 電気的劣化試験
7 環境劣化試験
8 微生物劣化試験
第V章 劣化の評価方法
1 劣化の評価項目と注意事項
2 機械的特性
3 分子量とゲル化率
4 赤外分光法
5 紫外・可視分光法
6 核磁気共鳴法
8 発光スペクトル
9 化学発光法(ケミルミネッセンス)
10 オンライン紫外線照射(UV)Py-GC/MSシステム
第VI章 寿命予測
1 耐熱性の寿命予測
2 耐候性の寿命予測
第VII章 汎用プラスチック
1 ポリエチレン
2 ポリプロピレン
3 ポリ塩化ビニル
4 ポリ塩化ビニリデン
5 ポリスチレン
6 ABS樹脂―アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体
7 アクリル樹脂―ポリメタクリル酸メチル
8 フッ素樹脂―ポリテトラフルオロエチレン
9 エポキシ樹脂
10 不飽和ポリエステル
11 ビニルエステル樹脂
12 シリコーン
13 ポリウレタン
14 フェノール樹脂
第VIII章 エンジニアリングプラスチック(高性能樹脂)
1 概説
2 汎用エンジニアプラスチック
3 スーパーエンジニアリングプラスチック(特殊エンプラ)
第IX章 物質の循環と高分子
1 自然界の物質循環
2 高分子物質の循環
3 循環型社会における高分子の役割
4 おわりに