画像と症例でみる内科医のための「危ないめまい・中枢性めまい」の見分け方

画像と症例でみる内科医のための「危ないめまい・中枢性めまい」の見分け方

著者名 中山 杜人
発行元 丸善出版
発行年月日 2011年04月
判型 B5 257×182
ページ数 150ページ
ISBN 978-4-621-08368-0
Cコード 3047
NDCコード 496
ジャンル 医学・薬学 >  医学一般

内容紹介

本書は、開業医、勤務医にかかわらず、一般内科、総合内科(総合診療科)などでプライマリ・ケアに携わる医師を対象に、一見たいしたことのないような、日常診療上よく見かけるめまいの中に潜む「危ないめまい・中枢性めまいを見逃さない」ためのコツを、豊富な画像と症例で提供する。「危ないめまい」は必ずしも頭蓋内とは限らない。脳循環血液量減少を介しためまい、心疾患に伴うめまい、貧血によるめまいの原因となる消化器疾患、血栓症を生じやすい血液疾患に伴うめまいも危ないめまいとなりうる。本書はこうした疾患についても、症例を中心に記載されており、日々臨床に携わっている医師らにとって、よく見かけるめまいに潜む「危ないめまい・中枢性めまいの見逃し」を防ぐためにも必携の一冊。

目次

第0章:「めまい診療」へのウォーミングアップ                  
 ・めまいはその人に注意を促すための警告でありイエローカードである
 ・背後に重大疾患が隠れていることがある
 ・ここで一言(2つの症例提示)
 ・めまい診療7つのエッセンス
第1章:内科からみた末梢(内耳)性めまい,危ないめまい,中枢性めまい  
 1.内科を受診するめまい
 2.めまいを起こす責任病巣は内耳だけではない
 3.末梢(内耳)性めまいにはどんな疾患がある?
 4.危ないめまい,中枢性めまい
 5.危ないめまい,中枢性めまいにはどんな疾患がある?
 6.その他の中枢性めまい
  ベテラン医の知恵袋:1 末梢(内耳)性めまい
  ベテラン医の知恵袋:2 発作性頭位眩暈(広義)の定義
第2章 危ないめまい,中枢性めまいを見逃さないコツ
 ステップ1:背景因子に注目する
 ステップ2:医療面接(いわゆる問診)
 ステップ3:診察時の注意点
 まとめ  
第3章 危ない中枢性めまいー危険な頭蓋内とその周辺疾患を見逃さないためにー
 症例1:良性発作性頭位眩暈と同じ眼振所見を呈した小脳梗塞の男性 
 症例2:ふらつきを主訴に受診し,橋梗塞が確認された糖尿病の高齢男性 
 症例3:両耳が突然聞こえなくなり,まもなく意識消失となった女性 
 症例4:メニエール病と診断されてから1年7カ月年後に小脳梗塞を発症した男性 
 症例5:前庭神経炎と診断されそうな糖尿病患者の強い回転性めまい 
 症例6:めまい後3日して 左不全麻痺となった30代男性
 症例7:軽いめまい,軽度頭痛で受診した10代女性の内頸動脈瘤 
 症例8:回転性めまい後ふわふわ感が続き,MRAで内頸動脈瘤が発見された男性
 症例9:耳後部痛とめまいにて来院し,椎骨動脈瘤が発見された高齢男性
 症例10:めまい感とふらつきを主訴に受診した大きな脳動脈瘤の高齢男性 
 症例11:めまいで診療所を受診し,3カ月後に脳内出血となった,5カ所に脳動脈瘤が発見された高齢女 性 
 症例12:メニエール症候群と診断されていた小脳梗塞の高齢男性 
 症例13:めまいで受診後5日目に構音障害が出現した橋梗塞の男性
 症例14:嘔気,ふらつきを主訴に受診した転移性小脳腫瘍の高齢男性 
 症例15:めまい感と頭頂部の頭痛を訴えた,側頭葉動静脈奇形の女性
 症例16:軽度のふらつきで中脳梗塞が判明した糖尿病の男性 
 症例17:回転性めまい以降,めまいが遷延した中脳梗塞(親子例:母親) 
 症例18:回転性めまいと眼前暗黒を伴った中脳梗塞(親子例:娘) 
 症例19:中枢性発作性頭位眩暈(狭義)後5カ月して,MLF症候,脳幹梗塞を生じた血液透析症の男性 
 症例20:回転性めまいで受診し,脳出血が判明した男性 
 症例21:ふらふら感のめまいで「高血圧によるめまい」といわれていた脳梗塞の40代男性
 症例22:20年前からメニエール症候が続いた聴神経腫瘍の高齢女性 
 症例23:良性発作性頭位眩暈と区別できない眼振所見を呈した小脳梗塞の高齢男性 
 症例24:橋梗塞と内頸動脈狭窄が認められた中枢性発作性頭位眩暈(狭義)の高齢男性 
第4章 中枢性めまい(1)―中枢性めまいの症状と臨床例―
 症例25:風邪症状で解熱後、ふらつきと複視が続いた急性散在性脳脊髄炎の女性
 症例26:種々の治療に反応せず,ゾビラックス内服によりめまいが完全に消失した仮性ダンディ症候の30代女性
 症例27:右上を向いたときのみめまい,眼前暗黒を訴えた椎骨脳底動脈循環不全の40代男性
 症例28:メニエール病に酷似した症状を呈した椎骨脳底動脈循環不全(hemodynamic type)の男性 
 症例29:浮遊耳石置換法の繰り返しを指示され,常に「ぐらぐら感」が続くようになってしまった女性 
 症例30:浮遊耳石置換法では改善せず、薬物療法にてめまいが消失した頸椎後彎症が基盤の中枢性発作性頭位眩暈(狭義) 
 症例31:ふわふわするめまいで原因不明とされた頸性めまいの女性
 症例32:回転性めまい後,意識消失となった女性 
 症例33:頸椎椎間板ヘルニアが既往にあり,起立性低血圧,椎骨脳底動脈循環不全の諸症状を呈した中年男性 
第5章 中枢性めまい(2)―主に中枢性発作性頭位眩暈(狭義)についてー       
 症例34:黒内障,脳梗塞の既往のあるぐらっとするめまい
 症例35:一見良性発作性頭位眩暈(後半規管型),しかしMRAで強い脳動脈硬化と内頸動脈瘤が発見された高齢女性 
 症例36:左椎骨動脈が起始部で強く屈曲していた中枢性発作性頭位眩暈(狭義)
 症例37:左椎骨動脈起始部でループ形成が認められた中枢性発作性頭位眩暈(狭義)
 症例38:頸椎変形をベースに中枢性発作性頭位眩暈(狭義)を起こし,境界型糖尿病が発見された高齢男性 
 症例39:内服薬に加え,枕を低くし,マッサージ療法を行うことによりめまいが消失した中枢性発作性頭位眩暈(狭義) 
 症例40:問診で判明した眼前暗黒,意識消失を伴ったぐらぐらするめまい 
 症例41:「良性発作性頭位眩暈」と診断されたが,めまいが続く男性
 症例42:椎骨動脈起始部に著明な屈曲を認めた中枢性発作性頭位眩暈(狭義) 
 症例43:橋に高信号が認められた中枢性発作性頭位眩暈(狭義) 
 症例44:良性発作性頭位眩暈と酷似した所見で,頸椎症性脊髄症と高血圧,糖尿病を背景とした,中枢性発作性頭位眩暈(狭義)の症例 
 症例45:嗅覚障害で,点鼻薬の鼻腔への注入を懸垂頭位で行うことを指示され,中枢性発作性頭位眩暈(狭義)が誘発された女性 
 症例46:中枢性発作性頭位眩暈(狭義)を起こした線維筋痛症の40代女性
第6章 危ないめまいは頭蓋内とは限らない                      
 症例47:「良性発作性頭位眩暈」と酷似した所見を呈していたが,発作性心房細動が発見された女性 
 症例48:心房細動があり,橋に虚血を認める患者へのイソバイド投与
 症例49:中枢性発作性頭位眩暈(狭義)後4カ月して狭心症を起こした高齢女性 
 症例50:中枢性発作性頭位眩暈(狭義)後11カ月して心筋梗塞を起こした女性 
 症例51:診察終了直後にめまい,後頭部頭重感を訴え,再診察にて心房細動が発見された高齢男性
 症例52:中枢性発作性頭位眩暈(狭義)で僧帽弁閉鎖不全が発見された高血圧の男性
 症例53:良性発作性頭位眩暈の(水平《外側》半規管型)と酷似した眼振所見を呈した洞不全症候群の高齢男性 
 症例54:回転性めまいを主訴に受診した胃癌の男性 
 症例55:心療内科と併診し,パニック障害とめまいが治まった高齢女性 
 症例56:眼前暗黒を伴うめまい後7年で,一過性脳虚血発作を2回起こした真性多血症の女性 

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