企業研究資金の獲得法

企業研究資金の獲得法

著者名 永井 正夫
根本 光宏
田村 元紀
発行元 丸善出版
発行年月日 2010年12月
判型 四六 188×128
ページ数 174ページ
ISBN 978-4-621-08303-1
Cコード 0040
NDCコード 377
ジャンル 科学一般 >  科学読み物
科学一般 >  科学論文・プレゼン

内容紹介

大学の研究者が企業の研究資金を獲得し共同/委託研究を行うにはどう宣伝・コンタクトを行えばよいか。またチャンスを増やすためには日頃からどう研究を進めればよいのか。非公開の会社の本音は。 長年、大学・企業および産学連携支援の立場から共同研究に携わる著者らが、その実態とノウハウを解説する。企業の持つ背景・視点も事例とともに丁寧に説明。大学の規模・地域差・ブランド力との関係、提供される資金・期間はどれくらいかといった素朴な疑問や、企業側の求めるもの、身近なところから始められるPR方法や人脈形成、さらには契約成立までの配慮(いつお金の話をするか等)を解説。 巻末には、民間の助成制度、企業と共同研究をした際の公的な助成制度などの一覧を掲載。各章の終わりには、様々な分野の共同研究者のインタビューやコラムも収録する。 企業と共同研究を行う際、自分に合ったスタイルを開発できる、現場の研究者のための案内書。

目次

プロローグ 企業からの研究資金の状況
 外部資金獲得の重要性/増加する企業からの研究費/共同研究――資金提供は企業が行う/平均一件二〇〇万円は本当か/大学ブランドの差はあるか/地方大学に多い中小企業との共同研究
 ■研究者インタヴュー キャンパス内に企業の研究グループを置き、ライフサイエンス分野で産学共同を実施
第1章 会社が求めているもの
 新しい知識・アイデアへのアクセス/研究開発の効率化/特殊な資源や施設へのアクセス/公的資金の獲得/学生のリクルート?――人脈形成/自社のイメージや評価の向上
 ■研究者インタヴュー 自前の原子層エピタキシャル成長装置で窒化ガリウム自立基盤結晶を創製
第2章 機械工学系の大学教授の経験則――企業内にあなたの理解者を得よう
 時間とエネルギーが必要/企業との信頼関係構築が鍵/・大学外の人々との接触を習慣化しよう/産業界や企業文化をよく知ろう/自己の才能に客観的な見方をもとう/研究資金以外の貢献を軽視しない/やりたいことには柔軟性をもとう
 ■コラム 会社内での接点を増やすために
第3章 企業の研究環境、社内力学――大企業でのケース
 研究環境と研究開発予算システム/研究開発組織/社内の組織階層と決裁権/大学連携部署の機能は?/基礎研究に対する意識/会社にとって産学連携のプロジェクトの成功とは?/企業側からみた成功例、失敗例
 ■コラム 青色LEDの成功事例にみる本格的な共同研究に向けての特許出願の必要性
第4章 どこで接点を探すか
 専門分野の学会。コンファレンス等/技術フェアなどへの出展/財団への助成申請/研究室の卒業生との連絡/学部、学科の卒業生とのコンタクト
 ■研究者インタヴュー 富士通研究所、日立ソフトウェアとの共同開発を経て、手書き文字認識技術の商品化に成功
第5章 会社の選び方
 パートナー選択で大事なこと/協働経験の有無/マッチング成功の予兆/会社の規模について/外国企業との共同研究
 ■研究者インタヴュー 中堅企業への技術移転で世界初の歯科用小型X線CTを実用化
第6章 効果的なPR
 1 研究室の広報素材をつくる:企業の動機に合わせて素材を盛り込む/見やすさを意識する/良い見本を参考に
 2 大学の研究者情報、シーズ集などへのインプット
 3 マスメディアを通じた宣伝:工法は売名行為か?/プレス・リリースとは何か/原稿の書き方のコツ/準備期間/記者の独自取材/企業との共同研究成果の記者発表/資金提供者への事前の報告
第7章 コンタクトの際のポイント――研究室訪問、会社でのセミナー
 研究室への訪問を働きかけよう/最初に接点をもつ訪問者について良く知ろう/訪問者の権限を推測しよう/会社の基礎研究への考え方を確認しよう/研究室訪問のスケジュール/遠方(外国等)からの訪問/訪問者へのプレゼンテーション/訪問のまとめ/会社内でのセミナー
 ■研究者インタヴュー 環境変化を契機に、特殊眼鏡のいらない立体映像技術にチャレンジ
第8章 契約成立までの注意事項
 いつ、どのようにお金の話をするか/大学の標準の書式/研究目的/マンパワーへの配慮/研究スペースは十分か/オーバーヘッド(間接経費)/契約期間/成果報告/支払いのスケジュール/特許の実施料/免責
 ■コラム 研究ノートの効用――発明の盗用対策にも効果 
第9章 日本の大学と海外の大学との違い
 海外に向かう企業の研究費・企業が海外の大学を選ぶ理由/研究開発のコストダウンなら国内大学?
【付録1】 教員向けの産業界との連携のサービス
 企業・地域との接点になる/教員に対する支援/大学の管理部門との関係
 ■コラム 不実施保証は解決されたか
【付録2】 産学共同研究開発の支援制度
【資料編】 基礎研究レベル向上、技術移転支援のための研究費助成制度

定価:2,090円
(本体1,900円+税10%)
在庫:品切れ・重版未定