内容紹介
本書連続体の力学を解説。物体を構成する分子を空間的にならした連続体としてとらえ、巨視的な粒子の運動を考えることで物体の運動を統一的に解析。さらに、剛体、弾性体、流体のそれぞれ異なる性質に基づいて、基礎方程式を運動量、質量、角運動量、エネルギーの保存則から導いて、具体的な事例に適用。基本的な事項を数学的に明解に表現することを目指し、連続体を取り扱う際に、系統的に考えられるトピックスを厳選して掲載。 第1章では剛体の運動を取り上げ、第2章では、弾性体の運動に触れる。第3章と第4章は流体の運動を解説。また、流体固有の現象だけでなく、動いている媒質の物理現象の記述には流体方程式を組み込む必要があり、様々な分野で流体の概念が求められるため、本書では、剛体、弾性体に比べて流体の運動を重点的に解説。
目次
1 剛体の運動
1.1 剛体の運動方程式
1.2 慣性モーメント
1.3 玉突きの球
1.4 実体振子
1.5 オイラー方程式
1.6 ダンベルの運動
1.7 自由回転
1.8 コマの歳差運動
1.9 地球の歳差運動
2 弾性体の運動
2.1 物体の変形と応力
2.2 細い梁の変形
2.3 ひずみテンソルと応力テンソル
2.4 弾性波
3 流体の運動I
第1部 基礎方程式
3.1 質量,運動量,エネルギーの保存則
3.2 速度場の空間微分
3.3 渦度
第2部 非粘性物体
3.4 3次元ポテンシャル流
3.5 2次元渦なし流
3.6 正則関数と流れ場
3.7 等角写像
3.8 2次元渦運動
3.9 ケルヴィン―ヘルツホルム不安定
4 流体の運動II
第1部 粘性物体
4.1 ナヴィエ―ストークス方程式
4.2 ポアズイユ流
4.3 粘性流体中での抵抗
4.4 境界層
4.5 回転座標系での流体
第2部 対流とカオス
4.6 対流
4.7 カオス
付録A 役に立つ数学公式
A.1 ベクトル演算
A.2 曲線座標系での有用な公式