ピーターソン 活動銀河核

ピーターソン 活動銀河核

巨大ブラックホールが引き起こすAGN現象のすべて
原書名 An Introduction to Active Galactic Nuclei
著者名 和田 桂一
谷口 義明
粟木 久光
亀野 誠二
寺島 雄一
発行元 丸善出版
発行年月日 2010年05月
判型 A5 210×148
ページ数 328ページ
ISBN 978-4-621-08249-2
Cコード 3044
NDCコード 441
ジャンル 天文・地学 >  宇宙科学

内容紹介

銀河には、異常に明るい中心部をもつ天体があり、それを活動銀河核(AGN)と呼ぶ。中心には超巨大ブラックホールがあると考えられ、AGNは、銀河に潜む超巨大ブラックホールの形成と進化に深く関わり、また、銀河そのものの形成進化とも緊密に関係しているといわれ、現在、宇宙の中でも最も激しい現象が起きていて未知の多い領域。AGNの解明は、銀河の進化を理解するうえで切り離せない極めて重要なものである。本書は、AGN研究の世界的権威として知られる原著者がまとめたバイブル的教科書として知られる。基礎が丁寧に解説され、これからAGNを学ぶ学生や研究者の入門書として最適の一冊。

目次

第1章 活動銀河核の基本的性質と歴史的概観
 1.1 セイファー銀河
 1.2 電波サーベイとクェーサー
 1.3 クェーサーの性質  
第2章 活動銀河核の分類
 2.1 セイファート銀河
 2.2 クェーサー
 2.3 電波銀河
 2.4 LINER
 2.5 BL Lac天体と可視光激変天体
 2.6 狭輝線X線銀河
 2.7 関連する現象
 2.8 セイファート銀河とクェーサーの関係 
第3章 ブラックホールパラダイム
 3.1 中心天体の質量
 3.2 クェーサーへの燃料供給
 3.3 降着円板の構造
 3.4 ブラックホール以外の可能性
第4章 連続光放射
 4.1 紫外線・可視連続光
 4.2 高エネルギースペクトル
 4.3 赤外線連続放射
 4.4 電波連続波
 4.5 ブレーザーのスペクトル
第5章 広輝線領域
 5.1 広輝線スペクトル
 5.2 基本パラメータ
 5.3 広輝線領域の光電離
 5.4 広輝線輪郭
 5.5 光反響マッピング
 5.6 広輝線領域の速度場
 5.7 ガス雲の性質
 5.8 輝線と連続光の相関
第6章 狭輝線領域
 6.1 狭輝線スペクトル
 6.2 低密度ガスの物理処理
 6.3 基本パラメータ
 6.4 狭輝線輪郭
 6.5 狭輝線領域の形態
第7章 活動銀河核の統一モデル
 7.1 統一モデルの考え方と原理
 7.2 セイファート統一モデルの傍証
 7.3 統一モデルの統計的テスト
 7.4 統一モデル研究の結果
第8章 活動銀河核の環境
 8.1 母銀河
 8.2 伴銀河
 8.3 銀河合体とスターバースト
第9章 膨張宇宙の幾何学
 9.1 計量
 9.2 フリードマン―ルメートル方程式
 9.3 宇宙論パラメータの時間依存性
 9.4 基準系の間の変換
第10章 クェーサーサーベイ
 10.1 クェーサーサーベイの原理
 10.2 色選択
 10.3 スリットレス分光
 10.4 その他の選択手法
 10.5 クェーサーの面密度
第11章 クェーサー光度関数と進化
 11.1 進化の単純なテスト
 11.2 クェーサー光度関数
 11.3 クェーサーの進化
第12章 クェーサーに見られる吸収線
 12.1 吸収線の物理
 12.2 基本的性質
 12.3 広吸収線クェーサー
 12.4 吸収線統計
 12.5 吸収体としての銀河
 12.6 銀河間物質
日本語版補遺 Λ≠0の「標準」宇宙モデル

定価:6,600円
(本体6,000円+税10%)
在庫:絶版