内容紹介
薬剤師として、薬の研究者として医療を担う上で必要な倫理とは何か?――社会との接点で生じる様々な医療問題を解決するための拠り所となる医療倫理は、薬害問題や医療過誤等をうけ、現在の薬剤師国家試験の必須出題分野となっている。本書は、薬学部で実際に「医療倫理」を教えてきた執筆者が、薬剤師・薬学研究者のあるべき姿について、重要テーマを取り上げてわかりやすく解説した標準テキスト。
目次
序章 今なぜ薬学の医療倫理(薬学倫理)が必要なのか
1章 生命倫理の方法と医療倫理
2章 患者の権利と生命倫理
3章 臨床研究の倫理
4章 新薬開発の倫理
5章 薬剤師の倫理
6章 薬害と生命倫理
7章 生殖医学と生命倫理
8章 脳死・臓器移植と生命倫理
9章 終末期医療と生命倫理
10章 先進医療と生命倫理
【最終確定版20100628】
序章 今なぜ薬学の医療倫理(薬学倫理)が必要なのか
1.医薬分業と新しい薬剤師の役割
2.ハーモナイズド会議と創薬ビジョン:90年代後半の日米欧の動き
3.Professionと責任:薬の自由化の中で
■CBT対策:ヒューマニティ・コアカリ演習①
【コラム①】
1章 生命倫理の方法と医療倫理
1.「バイオエシックス」の誕生
2.生命倫理の四原則
3.ジュネーブ宣言
4.日本の「医の倫理綱領」
■CBT対策:ヒューマニティ・コアカリ演習②
2章 患者の権利と生命倫理
I.患者の権利に関する宣言(インフォームド・コンセント、自己決定権)
1.リスボン宣言
2.患者の権利章典
3.WHO憲章
4.世界人権宣言
5.アルマ・アタ宣言
6.マドリード宣言
7.オタワ憲章
II.患者中心の医療とチーム医療
1.医療の目的と医療システム
2.疾病(disease)と病(illness)
3.科学的医療とケアの倫理
4.チーム医療とその倫理
III.医療者-患者関係におけるコミュニケーション
1.言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーション
2.コミュニケーションの構成要素
3.異文化コミュニケーション
4.対人関係における心理的要因
5.患者の心理状態への配慮と対応:リスニングスキルとアサーション
6.病気と患者の心理・家族の心理
■CBT対策:ヒューマニティ・コアカリ演習③
3章 臨床研究の倫理
1.ニュールンベルク綱領:医療倫理における位置づけ
2.ヘルシンキ宣言:変遷と内容の概要と課題点
3.人を対象とする生物医学研究の国際倫理指針(CIMOS)
4.ベルモント・レポート
5.臨床研究に関する倫理指針(厚生労働省)
■CBT対策:ヒューマニティ・コアカリ演習④
4章 新薬開発の倫理
1. 医薬品の研究・開発・供給のプロセス
2.遵守すべき書基準(GLP, GCP, GMP, GVP, GPSP)
3.ICH-GCP基準の国際合意
4.治験とGCP
5.GLPと動物実験の倫理
6.利益相反
7.医薬品知的所有権/PL法
8.オーファンドラッグ/ファーマコゲノミクス
■CBT対策:ヒューマニティ・コアカリ演習⑤
5章 薬剤師の倫理
1.医療者と倫理
2.法令の構成と薬剤師関連法規
3.薬剤師の役割と薬剤師法
4.薬剤師の倫理規定
5.医薬分業
6.薬学教育の歴史と現在・未来
7.ファーマシューティカル・ケア
8.世界の薬剤師倫理規定(1)
9.世界の薬剤師倫理規定(2)
10.世界の薬剤師教育
11.ポストゲノム時代と薬剤師
■CBT対策:ヒューマニティ・コアカリ演習⑥
6章 薬害と生命倫理
1.薬害の定義と歴史
2.薬害の原因
3.サリドマイド
4.スモン
5・薬害エイズ
6・薬害C型肝炎
7.薬害防止対策
8.薬害被害の補償
【コラム②】【コラム③】
■CBT対策:ヒューマニティ・コアカリ演習⑦
7章 生殖医学と生命倫理
1.生殖技術
2.クローン技術
3.出生前診断
4.万能細胞 ― ES・iPS細胞
5.人工妊娠中絶とパーソン論
6.生命の神聖性と女性の権利
7.先端医療技術と人間の尊厳
8.世界の法的状況
■CBT対策:ヒューマニティ・コアカリ演習⑧
8章 脳死・臓器移植と生命倫理
1.死
2.死亡判定基準:三徴候死説
3.重度脳障害
4.脳死
5.脳死判定基準
6.死亡判定基準:脳死説
7.移植医療
8.移植法改正と移植医療の倫理
■CBT対策:ヒューマニティ・コアカリ演習⑨
9章 終末期医療と生命倫理
1.終末期医療とは
2.延命とQOL
3.安楽死
4.尊厳死
5.世界における安楽死・尊厳死に関する法律
6.緩和ケア
7.緩和医療(セデーション)
8.終末期の意思決定の世界の現状
9.患者の意思表示(事前指示)
10.世界と日本のホスピス医療の歴史と現在
11.輸血拒否
12.死ぬ権利
■CBT対策:ヒューマニティ・コアカリ演習⑩
10章 先進医療と生命倫理
1.遺伝子診断
2.遺伝子治療
3.再生医療
4.エンハンスメント
5.脳科学
6.難病治療と薬
7.ジーン・ドラッグ
■CBT対策:ヒューマニティ・コアカリ演習⑪
●巻末資料
【資料1】FIP薬剤師倫理規定
【資料2】リスボン宣言
【資料3】患者の権利章典
【資料4】ニュールンベルク綱領
【資料5】ヘルシンキ宣言
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