廃棄物安全処理・リサイクルハンドブック

廃棄物安全処理・リサイクルハンドブック

著者名 武田 信生 監修
藤吉 秀昭 編集幹事
若倉 正英 編集幹事
発行元 丸善出版
発行年月日 2010年07月
判型 A5 210×148
ページ数 520ページ
ISBN 978-4-621-08273-7
Cコード 3036
NDCコード 519
ジャンル 化学・化学工学 >  化学_事典・便覧・ハンドブック
環境科学・生活科学 >  環境科学 >  環境一般

内容紹介

廃棄物の管理、処理工程における安全についてまとめたレファレンスブック。リサイクルが叫ばれる中、資源化施設を中心に廃棄物処理施設数、廃棄物処理設備設計技術者数ともに増加傾向にあるが、労働災害は廃棄物処理業が最も多いといわれ、毎年のように事故・ヒヤリハット事例が発生している。本書は、廃棄物管理者や廃棄物処理設備設計技術者、廃棄物行政担当者が日々の業務に活かし、少しでも事故を未然に防げるよう、あるいは事故の拡大を防げるよう、廃棄物の管理、処理工程の安全について科学的に解説。内容として主に、1.施設、工程ごとに特有な潜在事故リスクとその対策、2.処理における危険な物質の詳細、3.近隣住民も含めた健康と環境安全、4.工程ごとにまとめられた労働災害事例の詳細と得られた対策、5.設備安全化のための機器、関連法規と規準の要点について、各専門家が丁寧に解説。

目次

第1章 廃棄物処理施設の概要と安全管理
 1.1 廃棄物行政と安全管理
  1.1.1 基本的考え方
  1.1.2 廃棄物処理の安全性に関する関係法令
 1.2 廃棄物処理施設の種類と潜在リスク
  1.2.1 廃棄物処理過程と潜在事故リスク
  1.2.2 潜在事故リスクの構造
  1.2.3 廃棄物の種類別処理技術がもつ潜在事故リスク
第2章 一般廃棄物処理施設の概要と安全管理
 2.1 収集・運搬設備
  2.1.1 概要
  2.1.2 潜在事故リスクと事故防止対策
 2.2 中間処理施設
  2.2.1 ごみ焼却施設
  2.2.2 ガス化溶融施設
  2.2.3 粗大ごみ破砕施設
  2.2.4 RDF製造施設・発電施設貯蔵サイロ
  2.2.5 コンポスト化
  2.2.6 し尿処理施設
 2.3 最終処分施設
第3章 産業廃棄物処理施設の概要と安全管理
 3.1 収集・運搬設備
 3.2 汚泥処理
  3.2.1 濃縮・消火・脱水
  3.2.2 乾燥・焼却・炭化・溶融
 3.3 廃酸・廃アルカリ処理
  3.3.1 廃酸・廃アルカリの処理方法
  3.3.2 潜在事故リスクと事故防止対策
  3.3.3 事故事例
 3.4 感染性廃棄物処理
  3.4.1 高圧蒸気滅菌
  3.4.2 乾熱滅菌
  3.4.3 マイクロ波滅菌
  3.4.4 薬剤消毒
 3.5 シアン化合物処理
  3.5.1 濃縮分離
  3.5.2 酸化分解法
  3.5.3 潜在事故リスクと事故防止対策
 3.6 水銀及び水銀化合物処理
  3.6.1 焙焼処理
 3.6.2 潜在事故リスクと事故防止対策
 3.7 アスベスト処理
  3.7.1 溶融処理
 3.8 PCB処理
  3.8.1 PCB処理の概要
  3.8.2 脱塩素化処理
 3.9 塩素系廃棄物処理
 3.10 廃油・廃溶媒の焼却処理
 3.11 廃プラスチック処理
  3.11.1 油化
  3.11.2 廃プラスチックのガス化
  3.11.3 廃プラスチック処理における固形燃料化(RPF)
第4章 バイオマスの資源化の概要と安全管理
 4.1 炭化
 4.2 エタノール化
 4.3 BDF化
 4.4 メタン化
第5章 労働現場の安全衛生対策
 5.1 事故事例
  5.1.1 挟まれ・巻込まれによる事故事例
  5.1.2 転倒による事故
  5.1.3 切れ・こすれによる事故
  5.1.4 墜落・転落による事故
  5.1.5 動作の反動・無理な動作による事故
  5.1.6 飛来・落下による事故
  5.1.7 高温・低温物との接触による事故
 5.1.8 激突されることによる事故
  5.1.9 激突による事故
  5.1.10 爆発事故
  5.1.11 床に起因する事故
  5.1.12 施設内での交通事故
  5.1.13 その他の労働災害
 5.2 労働衛生に関する問題
  5.2.1 廃棄物処理施設で注意すべき労働安全衛生障害
 5.3 労働現場の安全衛生対策
  5.3.1 はじめに
  5.3.2 安全衛生管理組織の構築と運営
  5.3.3 安全施行サイクル
  5.3.4 安全衛生教育
  5.3.5 作業手順書の整備
  5.3.6 安全衛生活動
  5.3.7 施設の改善
第6章 廃棄物処理における物質の危険性
 6.1 火災・爆発危険性
  6.1.1 概要
  6.1.2 廃棄物の事故とエネルギー危険性
 6.2 有害物
  6.2.1 急性毒性
  6.2.2 慢性毒性
  6.2.3 腐食性(人体)
  6.2.4 感染性
  6.2.5 放射性
 6.3 環境影響
  6.3.1 廃棄物及びその処理と環境影響
  6.3.2 化学物質の環境内挙動とその要因
  6.3.3 環境リスクとその評価
  6.3.4 主な有害物質と環境影響評価例
  6.3.5 不法投棄等による環境汚染と修復
 6.4 事故事例
  6.4.1 収集・運搬工程
  [事例1]ごみ収集車荷箱内爆発事故
  [事例2]過酸化水素水運搬タンクローリの爆発事故
  [事例3]重量物の移動による車両横転事故
  [事例4]非飛散性石綿の飛散
  [事例5]使用済み注射針による針刺感染
  [事例6]病院内の医療行為にともなう針刺事故
  6.4.2 貯蔵・保管・積替え工程
  [事例1]産業廃棄物中間処理場での野積み廃油ドラム缶火災
  [事例2]木材チップ等の大量貯蔵にともなう火災
  [事例3]金属切削くずの自然発火による火災
  [事例4]大量保管リチウム電池の発火
  [事例5]廃活性炭貯蔵中の自然発火
  [事例6]屋外タンク内面コーティング用硬化剤の火災
  [事例7]一般廃棄物貯蔵ヤードの火災
  6.4.3 ベルトコンベヤ移送・破砕工程
  [事例1] 一般廃棄物施設での製本くずの粉じん爆発火災
  [事例2] 粗大ごみ破砕機の爆発事故
  [事例3] 不燃ごみと粗大ごみの減容・リサイクル施設の火災
  [事例4] 可燃性粉じん(コピー用トナー)による爆発
  [事例5] 破砕後の廃棄物搬送コンベヤの火災
  6.4.4 無害化処理工程
  [事例1]地下薬品タンクでの誤混合による爆発
  [事例2]ごみ焼却施設における触媒反応装置の焼損
  6.4.5 焼却工程
  [事例1]汚泥焼却炉施設での脱水ケーキ投入ポンプ損傷
  [事例2]汚泥焼却炉施設での爆発(その1)
  [事例3]汚泥焼却炉施設での爆発(その2)
  [事例4]焼却炉における水素ガス爆発
  6.4.6 ガス化・溶融工程
  [事例1]ガス化溶融炉でのガス中毒事故
  [事例2]ガス化改質炉での異常燃焼事故
  [事例3]焼却灰溶融炉での水蒸気爆発事故
  [事例4]不法投棄廃棄物の溶融処理施設での爆発事故
  [事例5]焼却施設+灰溶融炉の灰搬送コンベヤでの爆発事故
  [事例6]灰溶融炉における耐火物溶損事故
  6.4.7 化学物質に関わる事故(発火・中毒等)
  [事例1]大学の化学実験室での廃棄金属ナトリウムの発火事故
  [事例2]大学の化学実験室での廃棄金属触媒の自然発火
  [事例3]大学の研究用NaK循環実験装置の廃棄処理における流出発火
  [事例4]中和未実施による発火・中毒事故
  [事例5]一般廃棄物処理施設での溶融炉点検時の酸素欠乏事故
  [事例6]硫化水素による中毒
  6.4.8 リサイクルに関わる事故
  [事例1]バイオディーゼル燃料の自然発火
  [事例2]プラスチック油化施設の火災
  [事例3]RDF貯槽の発火爆発
  [事例4]RDF製造施設冷却機での火災
  [事例5]スクラップ金属の船舶への出荷中の火災
  [事例6]廃油地下タンクの火災
  [事例7]生ごみ処理施設の爆発火災
  [事例8]炭化汚泥の発熱発火
  [事例9]廃プラを燃料とする発電所での火災
  6.4.9 廃棄物処理工程での薬品使用にともなう薬症、中毒事例
 6.5 事故から何を学ぶか
第7章 廃棄物処理施設の安全設計
 7.1 安全設計の概要
  7.1.1 関連法令等の遵守
  7.1.2 多重保護
 7.2 安全設計の手段
  7.2.1 前提条件
  7.2.2 プロセス安全設計
  7.2.3 操業監視システム
  7.2.4 フェイルセーフ
  7.2.5 セーフティーネット
  7.2.6 材料の腐食
第8章 廃棄物処理とリスク
 8.1 リスクとは何か
  8.1.1 リスクの工学的定義
  8.1.2 産業災害の現状
  8.1.3 産業災害とリスク
 8.2 廃棄物処理におけるリスク
  8.2.1 廃棄物処理におけるリスクの分類
  8.2.2 物質リスク
  8.2.3 設備リスク
 8.3 リスクアセスメント
  8.3.1 関連企画・通達
  8.3.2 リスクアセスメント事例
  8.3.3 ごみ焼却施設へのリスクアセスメント適用
  8.3.4 リスクマネジメント
 8.4 リスクコミュニケーション
  8.4.1 リスクコミュニケーションの定義と意義
  8.4.2 リスクコミュニケーションの手順
  8.4.3 日常的な近隣住民らとのコミュニケーション
  8.4.4 クライシスコミュニケーション
第9章 大学,研究機関における廃棄物処理と安全
 9.1 共通の問題
 9.2 大学特有の問題
10章 廃棄物処理施設の関連法規/廃棄物・リサイクル関連法規
 10.1 廃棄物処理法
 10.2 リサイクル法
  10.2.1 容器包装リサイクル法
  10.2.2 家電リサイクル法
  10.2.3 自動車リサイクル法
  10.2.4 食品リサイクル法
  10.2.5 建設リサイクル法
 10.3 消防法
  10.3.1 法令の枠組み
  10.3.2 消防用設備関係
  10.3.3 危険物関係
  10.3.4 火災予防条例(東京都条例参照)
  10.3.5 防火管理制度
 10.4 労働安全衛生法
  10.4.1 安全衛生管理体制
  10.4.2 保護具
  10.4.3 衛生関係施設の整備
  10.4.4 健康診断の実施
  10.4.5 安全衛生教育の実施
  10.4.6 就業制限等
  10.4.7 定期自主検査等の実施
 10.5 化学物質管理促進法:PRTR,MSDS
11章 廃棄物・循環資源の国家間移動における安全管理
 11.1 廃棄物・循環資源の輸出入に関する法制度
  11.1.1 バーゼル法
 11.1.2 廃棄物処理法
 11.1.3 循環資源と適用法規制
  11.1.4 危規則(危険物船舶運送及び貯蔵規則)
 11.2 IT利用トレーサビリティによる管理の運用
  11.2.1 廃棄物・循環資源の国家間移動に関するトレーサビリティの現状
  11.2.2 ITを利用した廃棄物トレーサビリティシステムの事例
 11.2.3 廃棄物・循環資源の国家間移動管理へのIT利用トレーサビリティの適用
付録
 1.廃棄物安全処理関連ホームページ一覧
 2.廃棄物関連事故情報ホームページ一覧
索引
 事項索引
 事故事例索引

定価:14,850円
(本体13,500円+税10%)
在庫:品切れ・重版未定