内容紹介
作家・研究者としてロボットを追う瀬名秀明氏を迎え、瀬名氏が「ロボティクス界のホープ」と呼ぶ稲邑哲也准教授の研究紹介を通じて、ロボット研究がどこへ向かっているのかを解き明かす。キーワードは「おへそ」。ロボットは将来どこまで人間 と“ツーカーの仲”になれるのか──脳科学から進化論まで、知の領域を横断しながら最先端に迫る。
目次
第一章 ロボットの「おへそ」をつくる 瀬名秀明氏を迎えて1
ロボット・マニアではありません/まだ存在しないものを作り出そうというワクワク感/ロボットのデモから学ぶこと/ロボットの「おへそ」をつくる/自分の意志がすべて方程式で記述される?/プログラムが自分の思い通りに動く楽しさ/犬のように群衆の中から主人を見つけるのは難しい/自分の「こうしてほしい」をいかにロボットに伝えるか/ホンダ「P2」ヒューマノイドの衝撃/「ロボットを思い通りに動かす」とはどういうことか?/もっと面白いひととロボットの関係へ向けて
第二章 脳科学とロボティクス
「ロボット」とは何か/産業用ロボットからヒューマノイドまで/ロボットはアドリブに弱い!?/人間の「解釈」や「文脈」をどう扱うか/賢さへの歩み――ニューラルネットワークをファジー制御/脳科学からロボティクスへ「構成論的アプローチ」
第三章 イヌはどんなところが賢いか
イヌは人間に一番近い動物の一つ/自然な言葉で学習していく「しつけ」/デリバリーロボットは本当に賢いか?/「質問できるロボット」という発想の転換/イヌの「賢さ」を実装するには
第四章 「まねる」と「まなぶ」のダイナミクス
生命30億年の「賢さ」をどう構成するか/相手の行動を映し出す「ミラーニューロン」/「食べる」イメージがなければ「食べる」について話せない/進化と「まねる」行動に注目した「ミメシス仮説」/言語以前のミメシスを実現する「原始シンボル」/空間表現を使ってシンボルの関係性を記述する/再発見! 実況中継という行為のメカニズム
第五章 あいまいさを乗り切れ!
真の暗闇で日常生活を体験する「Dialog in the Dark」/ひとの声と言葉を頼りにフィードフォワードする/ロボットに欠かせないダイアローグ/刻一刻と変化する環境を確率で把握する/確率で行動・会話・環境把握を制御する/情報不足を乗り越える確率的モデル/カスタマイズできるマイ・ロボット/パーソナルに使えるフレンドリーなツールへ/ロボットの「思春期」を考える最新プロジェクト
第六章 ひととロボットが暮らす未来 瀬名秀明氏を迎えて2
ひととロボットが暮らす未来へ向けて/恋愛のように、虹のかなたに理想がある/「ユーザーが気持ちよく使える」からはまだ遠い/究極のコミュニケーションハは「ツー」も要らない/社会というキーワード――社会的知能発生学研究会/ロボットの頭の中をのぞいてみると/バーチャルな空間にロボットを接続する――NIIのプロジェクト/ロボットにとっての他者をデザインする/フロンティアのゆくえ――ロボット学の未来へ向けて
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