創薬

創薬

-20の事例にみる その科学と研究開発戦略
著者名 山崎 恒義
堀江 透
発行元 丸善出版
発行年月日 2008年11月
判型 B5 257×182
ページ数 384ページ
ISBN 978-4-621-08055-9
Cコード 3047
NDCコード 499
ジャンル 医学・薬学 >  薬学

内容紹介

創薬に興味を持つ人、創薬を志す人、医療現場で医薬に携わる人々に、創薬に親しみを感じ、創薬の面白さに共感してもらい、創薬サイエンスの真髄を理解し、創薬のロマンを感じてもらうことを意図している。 最初の2章では創薬にかかわる科学と技術の流れ、医薬開発の今日的な考え方、進め方、規制を述べている。各論では今日取り上げるのに欠かせない20種の薬剤を取り上げ、個々の医薬品や薬効群における新薬の研究開発の事例紹介を中心に構成している。製薬企業において薬の研究と開発の実務を経験してきたメンバーが執筆し、それぞれの創薬の発想や、戦略、研究開発途上での多くの試行錯誤の有様をふんだんに紹介している。具体的な事項も盛り込み、現場の様子がよくわかる内容となっている。肩が凝らずに読める書。

目次

総論
 第1章 創薬研究からEvidence-Based Medicineまで
  1.1 創薬に終わりはない
  1.2 探索研究
  1.3 開発研究
  1.4 育薬研究――医薬品開発において得られる情報の限界
 第2章 21世紀の創薬科学
  2.1 前世紀の創薬と医薬品開発
  2.2 21世紀の創薬化学
II 各論 
 第3章 細菌感染症と薬
  3.1 サルバルサンからサルファ剤まで
  3.2 β‐ラクタム系抗生物質
  3.3 ピリドンカルボン酸系抗菌薬
 第4章 ウイルス感染症と薬
  4.1 インフルエンザ感染とノイラミニターゼ阻害薬
  4.2 抗HIV薬
 第5章 β受容体遮断薬
  5.1 はじめに
  5.2 虚血性心疾患
  5.3 ジクロロイソプレナリン
  5.4 ジェームズ・ブラックの仮説
  5.5 β遮断薬の構造活性相関
  5.6 分子の疎水性・親水性と作用・薬物動態
  5.7 β遮断薬の代謝
  5.8 光学活性化合物の合成
  5.9 β遮断薬の臨床適用
 第6章 ヒスタミンH2-受容体拮抗薬
  6.1 はじめに
  6.2 ヒスタミンH2-受容体
  6.3 ヒスタミンの遺産分泌促進作用と拮抗するヒスタミン誘導体
  6.4 最初のリード化合物――Nα‐グアニルヒスタミン
  6.5 最初のH2‐受容体拮抗薬:ブリマミド
  6.6 メチアミドの開発
  6.7 シメチジンの開発
  6.8 シメチジンに続くH2‐受容体拮抗薬
 第7章 一酸化窒素(NO)と薬
  7.1 はじめに
  7.2 NOの発見
  7.3 NOの化学
  7.4 NOの生体内作用
  7.5 NO合成要素
  7.6 NOと医薬 
 第8章 レニン―アンジオテンシン―アルドステロン系に働く薬
  8.1 はじめに
  8.2 レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAA系)
  8.3 アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬
  8.4 ACE阻害薬のデザイン
  8.5 アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)
  8.6 レニン阻害薬  
 第9章 高脂血症治療薬スタチン:プラバスタチンの場合
  9.1 はじめに
  9.2 ML‐236Bからプラバスタチンへ
  9.3 プラバスタチンの特性
  9.4 スタチンの臨床効果と今後の課題
  9.5 まとめ
 第10章 オピオイド
  10.1 はじめに
  10.2 痛覚とモルヒネの鎮痛作用
  10.3 モルヒネの合成
  10.4 内因性オピオイド
  10.5 モルヒネ系鎮痛薬
  10.6 オピオイドの応酬応答と耐性および代謝
 第11章 統合失調症の薬物治療
  11.1 はじめに
  11.2 ドパミン受容体の基礎
  11.3 統合失調症とは
  11.4 クロルプロマジンの発見とその後の薬物治療
  11.5 ドパミン自己受容体差動薬
  11.6 アリピプラゾールへの展開
  11.7 最近の研究開発の動向と今後の展望
  11.8 まとめ
 第12章 抗認知症薬
  12.1 認知症とは
  12.2 脳内神経伝達物質研究からの創薬
  12.3 コリン作動性神経以外の神経系をターゲットとした薬剤
  12.6 アミロイド仮説に則った創薬研究
  12.7 その他の創薬ターゲットによる薬剤の開発
  12.8 まとめ
 第13章 片頭痛とその治療薬
  13.1 はじめに
  13.2 頭痛とは
  13.3 片頭痛とは
  13.4 セロトニンとセロトニン受容体
  13.5 片頭痛の発症のメカニズム
  13.6 スマトリプタンの開発
  13.7 治療薬とその作用機序
  13.8 今後の展望
 第14章 経口避妊薬
  14.1 はじめに
  14.2 性ホルモン研究の歴史
  14.3 プロゲステロンの製造
  14.4 ノルエチンドロンのノルエチノドレル
  14.5 経口避妊の臨床試験
  14.6 経口避妊薬の承認と発売
  14.7 ピルの半世紀と今後 
 第15章 タモキシフェンとラロキシフェン―合成エストロゲンから生まれた抗がん薬と骨粗鬆症治療薬―
  15.1 避妊薬の探索研究としての出発
  15.2 ICI46474
  15.3 ICI46474から乳がん治療薬タモキシフェンへ
  15.4 乳がん摘出後のタモキシフェンによる外科補助療法(アジュバントセラピー)
  15.5 ハイリスク患者へのタモキシフェンの予防投与
  15.6 タモキシフェン以後の乳がん治療薬
  15.7 ラロキシフェン
 第16章 DNAを標的とするがんの薬
  16.1 はじめに
  16.2 がんと抗がん薬
  16.3 がん化学療法発展のあゆみ
  16.4 DNAアルキル化剤の作用機序
  16.5 ナイトロジェンマスタードN‐オキシド
  16.6 シクロホスファミドとその類縁化合物
  16.7 エチレンイミン類
  16.8 ニトロソ尿素類
  16.9 アルキルスルホン類
  16.10 マイトマイシンC
  16.11 白金化合物
  16.12 抗がん薬の使い方
 第17章 チロシンキナーゼを標的とする抗がん薬
  17.1 はじめに
  17.2 チロシンキナーゼとがん遺伝子
  17.3 初期のプロテインキナーゼ阻害薬
  17.4 プロテインキナーゼファミリーの増加と選択的阻害薬の探索
  17.5 チロシンキナーゼBcr‐Ablを標的とする骨髄性白血病薬イマチニブ
  17.6 イマチニブ耐性の克服
  17.7 増殖因子受容体チロシンキナーゼに作用する抗がん薬の開発
  17.8 EGF受容体ErbB2を標的にするトラスツズマブとラパチニブ
  17.9 分子標的抗がん薬の将来
 第18章 造血因子
  18.1 はじめに
  18.2 サイトカイン
  18.3 血液細胞の分化と造血因子
  18.4 赤血球造血因子(EPO)
  18.5 ダルベポエチン アルファ(DA)
  18.6 赤血球造血促進剤をめぐる創薬の現状
  18.7 顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)
  18.8 血液凝固系
 第19章 シクロスポリンとタクロリムス(免疫抑制剤)
  19.1 はじめに
  19.2 臓器移植と免疫応答
  19.3 カルシニューリン阻害薬
  19.4 まとめ 
 第20章 抗体医薬
  20.1 はじめに
  20.2 抗体の基本構造と機能
  20.3 タンパク質間相互作用
  20.4 モノクローナル抗体の作用法
  20.5 抗体のヒト化
  20.6 いろいろな抗体医薬
  20.7 化合物医薬と抗体医薬の違い
 第21章 活性型ビタミンD3とビスフォスフォネート
  21.1 はじめに
  21.2 骨の役割,その代謝と骨粗鬆症の発症機序
  21.3 骨粗鬆症治療薬の歴史  
 第22章 薬物代謝研究からの創薬
  22.1 はじめに
  22.2 戦略的な創薬代謝研究の進め方
  22.3 溶解性スクリーニング系の創薬代謝研究への導入
  22.4 創薬代謝から創発したアンジオテンシンII 受容体拮抗薬の開発経緯
  22.5 薬物動態からnドラッグデザインデータ勝利したアムロジピン

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