内容紹介
スペインは1975年のフランコ独裁制の崩壊と民主主義体制への移行から30年を経て大きな変貌を遂げた。サッカーや料理で知られる新しいスペインは、闘牛やフラメンコで知られる伝統的なスペインとともに日本でも大いに注目を浴びている。本書では、歴史的背景にも言及しながら、写真も交えてスペインに関するあらゆる話題を興味深く解説。スペイン好きにはたまらない最新情報が満載。
目次
第1章 スペインの歴史I
1 アルタミラの洞窟の壁画からローマ支配
2 ローマ時代
3 西ゴート王国
4 イスラーム・スペイン――アル・アンダルスの世界
5 カトリック両王による国家統一
第2章 スペインの歴史II
6 スペイン・ハプスブルグ家の誕生と太陽の沈むことなき大帝国
7 ブルボン・スペインの誕生
8 イザベル二世時代から第一共和制時代
9 二〇世紀のスペイン
10 スペイン第二共和国の誕生と内戦の勃発
11 フランコ時代とその後
第3章 スペインの現代政治
1 民主主義体制への移行期(一九七五〜八二)
2 ゴンサレス社会党政権の時代(一九八二〜九六)
3 アスナール国民党政権の時代(一九九六〜二〇〇四)
4 サパテーロ社会党政権の時代(二〇〇四〜)
第4章 スペインの現代社会
1 スペイン人と行列
2 美食について
3 禁煙と長寿社会
4 「ミラメ(私を見て)」
5 モビーダからの発信
第5章 スペインの食文化
1 現代のスペイン料理
2 スペインの食材
3 これからのスペインの食
第6章 フラメンコの現在
1 民族音楽の宝庫スペイン
2 フラメンコの誕生
3 カフェ・カンタンテの時代
4 カンテ・ボニートそして劇場
5 新たなフラメンコの始まり
第7章 多民族国家スペイン
1 自治州の集合国スペイン
2 カタルーニャ――自治権の拡大
3 バスク――イバレチェ提案
4 ガリシア――地域主義より保守派
5 ロマ(ジプシー)――閉鎖的から開かれた社会へ
6 外国人移民――ニューカマーの到来
第8章 スペインの言語
1 多言語国家スペイン
2 スペイン語の普及に向けて
3 スペイン語に影響を与える諸要素
4 「共通語」論争
第9章 スペインの現代文学
1 現代のスペイン小説
2 現代のスペイン詩
第10章 スペインの現代思想
1 哲学科にて
2 内戦と頭脳流出
3 スペイン現代思想の系譜
4 スペインとは何か
5 哲学空間の創造
第11章 スペインの現代美術
1 現代美術の「歴史」
2 作家と作品――世代と賞
3 展覧会――巨匠の回顧展、プラド美術館の企画展
4 美術館――マドリードと地方の美術館、個人美術館
5 美術を取り巻く状況――政治と観光
第12章 スペインの現代建築
1 モデルニスモとネオ・ムデハル
2 GATEPAC
3 フランコ政権下の建築
4 ポスト・フランコの建築
第13章 スペインの現代経済
1 EU加盟
2 「通貨の嵐」と経済収斂計画
3 経済通貨統合――ユーロ導入
4 経済活性化の要因
5 スペイン経済の課題
第14章 スペインとラテンアメリカ
1 スペインとラテンアメリカにおける伝統的スペイン性
2 民主化スペインの対ラテンアメリカ国際協力
3 最近の状況と今後の展望
第15章 スペインと日本
1 スペイン人の日本観
2 日本人のスペイン観
3 セルバンテス文化センター――日本で一番スペイン的な場所
さらに深く学ぶためのブックガイド