内容紹介
ソーシャル・エンタープライズをめぐっては、EU諸国やアメリカで、近年、国際比較研究や学際的な研究が活発化し、その成果は国際的に共有されつつあり、日本の研究者にも大きな影響を与えている。しかしながら、主としてジャーナリスティックな領域で扱われ、社会科学の専門領域では、一部の経営学者・社会学者による数少ない業績を除き、依然として発展途上の研究分野である。本書のねらいは、ソーシャル・エンタープライズ研究を社会科学の研究対象として発展させていくための課題と、ソーシャル・エンタープライズの持続的発展に向けた実践的課題を、理論や制度、事例の分析を通じて理論的・実証的に明らかにしていくことにある。
目次
第1部 ソーシャル・エンタープライズの世界的動向
第1章 アメリカにおけるソーシャル・エンタープライズの動向
第2章 アメリカにおけるソーシャル・エンタープライズ研究の動向
第3章 イギリスにおけるソーシャル・エンタープライズの
第4章 日本におけるソーシャル・エンタープライズの動向
第5章 非営利セクターの商業化とソーシャル・エンタープライズ
第2部 事例編
第6章 医療・福祉分野のソーシャル・エンタープライズ―日英の事例を通して
第7章 自立支援とソーシャル・エンタープライズ―イギリスの荒廃地域における事例
第8章 地域活性化とソーシャル・エンタープライズ
第9章 ソーシャル・エンタープライズとしてのワーカーズ・コレクティブ
第10章 ソーシャル・エンタープライズとソーシャル・ファイナンス
終章 NPOの新しい戦略としてのソーシャル・エンタープライズ