著者名 | 中山 健夫 著 |
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発行元 | 丸善出版 |
発行年月日 | 2008年07月 |
判型 | 四六 188×128 |
ページ数 | 184ページ |
ISBN | 978-4-621-08008-5 |
Cコード | 1347 |
ジャンル | 科学一般 > シリーズ科学一般 > 京大人気講義シリーズ |
内容紹介
あふれる情報に振り回されず、より良い判断の手がかりとするための主体的な情報との付き合い方とは?――疫学やEBMの考え方に基づき、身近な実例の紹介を通じて健康や医療の情報の読み解き方を伝授。本書の知識を応用すればメディアやインターネットをはじめとする各種の健康・医療情報を適切に利用し、意思決定や問題解決ができるようになる。
目次
第1章 現代社会に必要なスキル―健康情報リテラシー
1 健康・医療に関する「情報」
2 社会における健康・医療情報の循環―エビデンスを「作る・伝える・使う」
3 健康情報リテラシー
第2章 どうしてそれを信じるのですか?―主張の根拠と“3た”論法
1 根拠を見直す―何よりもまず、人に対してもいえることですか?
2 人間を対象とした研究―医者でもその方法は意外に知らない?
3 “3た”論法の落とし穴
第3章 情報の松・竹・梅―研究デザインとエビデンス・レベル
1 エビデンス・レベル―医学情報にも上下がある
2 研究デザインの基礎知識
第4章 症例報告の落とし穴―対照群の必要性
1 お米を食べていると胃がんになる?
2 少年法の厳格化は効果無し?
第5章 「代表的な意見」とは何か?―バイアス
1 大統領選挙結果―「二三七万人」と「二万人」、どちらが正しい?
2 情報を読み解く重要なカギ―バイアス
第6章 私は名医?―分子と分母
1 「私は名医」と医者は信じているが…
2 農業をしていると死にやすい?―見かけの分母
第7章 運動する人は風邪をひかない?―横断研究と因果の逆転
1 長生きの喫煙家?
2 運動する人は風邪をひかない? : 横断研究の落とし穴
3 「縦断研究」の大切さ
第8章 いまいましいオジャマ虫―交絡因子
1 運動する人はどうして風邪をひかない…?
2 どちらが良い病院?
3 薬のせいで病気が悪化?―適応による交絡
第9章 人間の身体は止まらない…―平均への回帰
1 両親は背が高くても… :―平均への回帰
2 身近にある「平均への回帰」の落とし穴
3 集団でみられる「平均への回帰」
第10章 「効く治療」が効かない?―絶対リスク、相対リスク
1 「有効率八〇%の治療」は良い治療か?
2 二倍良い治療とは?―絶対リスク、相対リスク
第11章 成功率一〇〇%の手術…!?―信頼区間と標本数
1 成功率一〇〇%の手術…!?
2 どのくらい確からしいのか? : 信頼区間
第12章 ミクロの理論と本当の効果―代理のエンドポイント、真のエンドポイント
1 理論的には効くはずなのに…
2 抗菌剤で虫歯が防げる?
3 治療―: 本当の目的は何か?
第13章 意識と暗示で結果が変わる?―新薬の評価とプラセボ効果
1 ホーソン効果、プラセボ効果
2 治験―: 落とし穴チェックの総まとめ
3 治験や臨床試験に参加すること
第14章 データ、情報、そして知識―情報の解釈
1 一般論より私の経験?―「全体の傾向」と「個別の事例」
2 データ、情報、そして知識
3 疫学データの読み方の注意
4 健康・医療情報を読むときの基本的態度
第15章 守る仕組み・使う仕組み―個人情報保護とインフォームド・コンセント
1 逆手に取られるインフォームド・コンセント?
2 質の高いデータを得るために―地域がん登録の例から
第16章 科学と社会のせめぎあい―利益相反
1 利益相反とは?―何が問題となるのか
2 利益相反の実例―タバコ研究
3 タバコ問題について―利益相反とは別のメッセージ
第17章 情報の更新と検索スキル―インターネットの健康・医療情報
1 インターネットの健康・医療情報のポイント
2 情報の更新の重要性
第18章 健康情報学と社会の新しい課題―遺伝子情報
1 遺伝子は運命を決める?
2 遺伝子情報は特別?
第19章 より良い判断の手助けに―診療ガイドライン
1 「診療ガイドライン」とは何か?
2 情報源としての診療ガイドライン
3 診療ガイドラインの情報公開
第20章 情報から行動へ―情報は灰色、意思決定は白黒
1 健康・医療情報を読み解くために
2 好きの反対は嫌い…?―慎重な判断とは何か?
3 ブロードストリート事件の教訓
4 傘をもって出かけますか?
第21章 もう少し疫学とEBMを知りたい人達のために
エピローグ
出版社からのメッセージ
本書は改訂版『健康・医療の情報を読み解く 第2版 』(2014年4月刊)を刊行しています。